書店員日記 「講談社の「漱石の妻たち」って本ある?」
このお問い合わせはすぐに正解がわかりました。
出版社も正しいし、タイトルもほぼ合っています。
店主はこの本を読んだことがあったのですぐにピンときましたが、もしこの本の存在を知らない書店員さんだとしても、「漱石」「妻」「講談社」のキーワードで簡単にたどり着くでしょう。
書店員の検索の基本は、
「てにをは」や余計な付属物を外してシンプルなキーワードのみで行う
というのが第一原則。
その基本技で十分、正解にたどり着きます。
でも、よく考えると。
「妻たち」って、漱石に対してすごく失礼ですよね。「たち」って。
文豪たちの中にはずいぶんと恋多き人もいたでしょうけれど、漱石は恋愛に対してとても真面目で、決して浮気などするタイプではなかったらしいので、これ本人が聞いたらとても不本意でしょう。
もしかしたら、「極道の」とか「金曜日の」あたりと混じってしまったのかもしれませんね。
世代的にそのくらいの客さんでしたし。
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