日本人はおかねのリテラシーが低いって本当?
日本人のマネーリテラシーは低いといわれます。自分でおかねの設計をしているひとは2割もいません。これには理由があります。
日本人は、おかねについて学ぶ機会がありません。いっぽう欧米では子どものころから授業で投資に触れています。教育の差が、日米のマネーリテラシーの差をもたらしているのです。
【教育課程でおかねのことを学ぶアメリカ】
アメリカでは、小学校の授業のなかでゲームなどを投資について学んでいます。小さいうちにお金について考え、お金をどう増やしていくか、授業を通してクラスで意見交換します。
こどもたち全員がおかねについて学んでいく環境が与えられているため、投資への拒否反応がないのです。
欧米では大人になって自分でおかねを稼ぐようになると、積極的に投資におかねを回します。これは日本人との大きな違いです。
日本人は投資と聞くと、リスクが怖い、騙される、一文無しになる、などの声が上がります。未知のものを恐ろしいと感じるのは、生きるための大事なセンサーですが、これこそがマネーリテラシーの低さが引き起こしている原因です。
■参考まで:アメリカと日本の投資へ関心の違い
2018年8月発表の日本銀行調査統計局データによると、家計の保有する金融資産のうち、投資にまわす割合が米国では50%を超えているのに対して、日本は16%程度だそうです。日本では現金で保有している割合が52%、米国は13%で、日本では現金第一主義の傾向が強く出ています。
【お金のリテラシーとは】
日本人はお金の知識がないといわれますが、いったいおかねについて何を知っておけば良いのでしょうか。お金のリテラシーとは何でしょうか?いろいろな方が話していますが、私は以下の方程式がベースにあると思います。
まずはおかねを稼ぎます。一生けんめい働きましょう。
■Ⅰ:稼ぐ力を持つ
どのような方法で稼ぐのか。成人したら自立した生活を送るためにお金を稼ぎ収入を得ていかなければなりません。
■Ⅱ:その稼いだお金の範疇で暮らす。
老いて、稼ぐ力が弱くなることを想定して将来のためのお金を準備しておく。貯めるということです。
そして、ⅠとⅡのバランスが取っていくことが家計経済の大前提です。破産せずに暮らしていくことができます。稼ぎが少なければ少ないに見合う暮らしをすること。少ないと感じるならば、能力を伸ばすことで稼ぎを増やすなど対策をしていくべきです。
さて、「稼ぐ>使う」が成り立つ上で、次に、以下のA、B2つの行動が派生してきます。
A,Bをひとつずつ見ていきましょう。
【A:稼いだお金を殖やす→投資など】
余裕資金ができたら、今あるお金をもとにおかねに働いてもらいましょう。
どうしておかねに働いてもらいたいかというと、現金を持っていても、そのままでは増えないからです。
銀行の利子はメガバンク、ゆうちょ銀行で0.01%(300万未満、一年定期、22年3月現在)です。100万円預けても一年で生み出す利子は100円です。
ちなみに利子には課税されますので(源泉徴収で自動的に引かれます)20.315%(2019年現在)引かれます。差し引き79円くらいの儲けです。
また、現金保有のリスクにはこんなことも考えられます。現金が安全に保管できますが、インフレになった場合は危険です。物価が2倍になれば、預金していた現金の価値は半減してしまいます。
先述の通り日本人の金融資産の半分は、現金(預貯金)です。これではお金持ちの日本人がお金の増やし方がわからないために、思っているよりもおかねに苦労してしまうような気がします。
投資にはリスクがついてくるといわれているので、ここが「怖い!」と思うところですが、一番のリスクは自分の資産をほったらかしにしておくことじゃないかと思います。
おかねを殖やしていくためには多少の専門性のある知識が必要です。投資を始める前にはしくみやルール、リスクについて学ぶ努力をしましょう。
投資を学ぶのはけっこう大変なので、セミナーを受けるなどで基礎知識を得ると良いと思います。
ストリートアカデミーで、おかねのセミナー開催中
【B:使う額を減らす】
世の中にはたくさん節約の方法が発信されています。
大切なものは人それぞれです。こだわりたい部分とそうではない部分を分けて、心が満たされる暮らしをしたいですね。
日々の食費や光熱費という暮らしにかかるお金のほかにも、住宅や車の所有、趣味嗜好、学ぶための費用などいろいろなことに人々は支出しています。
支出を一つ一つ見直して、ミニマムの生活を一度試算するといいと思います。その上で、余裕がある分で、もっとも価値のあるところにお金をかけていくといいですね。
【まとめ】
けっして「投資する=お金のリテラシーが高い」とうことではありません。
マネーリテラシーは基本として、収入と支出のバランスが取れていることから始まります。その上で、資産をふやしていく方法を取り込んでいくことが大事です。
おかねの知識を持って一歩進めてみることが、低金利で、かつ人生100年時代といわれる現代を生きる対応策の1つなのではないかと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?