囀る鳥は羽ばたかない 9巻 感想
こんばんはっ
めずらしくこちらで呪術廻戦以外の単行本の感想を書きます。予想外の供給過多に頭がついていきません。1冊読み終えるのに2時間以上かかり、そのあと感想をめぐってぐるぐるしています。ほかの方の感想を読んでいると、同じシーンであっても、自分が感じたこととは違うふうに受け取られたり、解釈されていたりするのですごくおもしろいです。そういう考え方もあるんだなと思うときもあれば、自分の考えが安直だったな、と思うことも多々あるので、とても新鮮でやめられません!今回、特にそう思ったのが、「感情を押し殺してきた この人が 逃げないように」です。わたしの中では、9巻の内容を全く知らない状態で、帯のこの台詞を見たときから「(俺=百目鬼は)感情を押し殺してきた/この人(矢代さん)が逃げないように」一択だったんです。しかし、「感情を押し殺してきたこの人(矢代さん)が/逃げないように」という感想・解釈があることを知り、とてもおどろきました。区切るところを変えるだけで、全く違う意味に受け取れるってすごいです。日本語の奥深さというか、主語がない日本語だからこそ、というのか。これについては、明確な答えは作中では出ていないのかな?もちろんヨネダ先生の中には答えはあると思いますが、作中で明確な答えが示されるまでは読者がどう感じるかはその人次第ですし、それについていろんな解釈、考察を楽しむのも醍醐味かと思います(^^)
前置きが長くなりました。以下感想です。
糖度が高すぎて、え?え?え?という気持ちです。とはいえ、甘々いちゃいちゃ、というわけではないので、お互い言葉にして、ちゃんと恋人になるのであれば、糖度はさらに高くなるのでしょうか…。今までは途中で終わりだったり、糖度が低めだったのに、いきなりこんなに高くなって困惑気味です。いや、めちゃくちゃうれしいし、やっと…!って思っているんです。でも、お互いあと一歩が踏み込めていないのが、もう…!その最たるシーンが、矢代さんの「これ、何のセックス…?」だと思います。本人も百目鬼も、百目鬼とするときにしか感じないことをわかっていて、意味を訊くなんて…。どう見てもお互い求め合っているのに、わかっていて口にしないのか、百目鬼に言葉にしてほしいのか。しかし、そのあとのやりたいだけという回答に対し、「いいな それ」と笑っていたのは照れ隠しのようなものなのか、本心なのか…。
百目鬼が帰ったあと、矢代さんは自分のことを何も変わっていないとか成長しない家畜とか言っていますが、1巻から比べるとめちゃくちゃ変わってますよ!仕事のスタンスとか部下への接し方とか、そういうのは相変わらず飄々としているけど、百目鬼に対しては変わっていると思います。ただ、一般的には『過去の自分から変わっている(変わろうとしている)=成長している』が成り立つとは思いますが、矢代さんに関しては成長しているかは微妙なところです。一般的に、と書きましたが、変わり方が明らかに悪い方向であれば成長ではないのでは?とも思います。あと一歩が踏み出せなくて変わらない、成長していない、ということなのかもしれませんが、確実に変わってはいると思うので、早く想いをぶつけてください。百目鬼も大概不器用だとおもうけど、矢代さんが本音を言えば、必ずどろどろに甘やかすと信じています。
以下、萌えポイントと気になるところの羅列です。
萌えポイント
・床なのか…、と思っていたら、ちゃんとベッドに連れていってくれた
・矢代さんの前髪。わたしは上げてる方が好きですね~!表紙の矢代さんすごくかっこいいです(あと、百目鬼の手もすごくいい)。けど、前髪をおろして幼くなる矢代さんをほかに人に見せたくない百目鬼の気持ちは理解します。「俺以外の前ではやめた方がいい」って、言葉だけ読めば、ヤクザには見えない(ナメられる)からやめた方がいいってなるけど、実際は俺以外に見せるな、今以上に自分だけのものではなくなる、今のセフレ以外にもホイホイされるやつがいたらどうするんだ、という声が聞こえてきそうです。
・回想の「俺しかいらなくなるように 俺しか欲しくなくなるように」に対し、「呪いにかかったままの俺は 昔のお前ばっか探してる」という矢代さんの台詞に少しおどろきました。百目鬼はずっとこの想いだけど、矢代さんは聞き流しているのだと思っていました。百目鬼に対して特別な感情はあるものの、認めたくない、または、これ以上進むのはだめだと言い聞かせていると思っていたので。ぜひこの想いを、この百目鬼の台詞を、覚悟が決まったときに言ってあげてください!目を見開いてがっつかれると思います。個人的には余裕がなくてがっつく攻めが大好きだけど、大切にしたくてめちゃくちゃ慎重に扱う攻めもとても好きです。百目鬼の無表情なキャラとしては前者の方がいいけど、矢代さんの過去が重すぎるので、後者であってほしい気持ちも捨てがたい…。(今までの扱いには目をつむります)
・「人を好きになるのって お前はどんな感じだ?」「どんな風に好きになるんだ?」と「勘弁してくれ 本当に」という台詞から、矢代さんは百目鬼のことを好きという自覚はあるってことでいいんですかね?自分の中で、今までとは違う感情が百目鬼に対してはある、ではなく、好きと認識しているということでOKですか。
・「吐きたいなら吐けばいい」ちゃんと覚えてたー!ふだん伏線とか過去の台詞の踏襲とか、あまり覚えていないので、覚えていたことに感激してしまいました。そのあとの「ヤリたくてしょうがねぇってカオ してんな」は忘れていましたが、1巻とのつながりを覚えていないままヨネダ先生のXでこのやりとりのシーンがアップされていたのを見てから、もう1回読んだときに、ほわっ!となりました。たぶん一気に読み返すとそういう細かいところまで気づけてもっと楽しいんだろうな…、と思いつつ、なかなか踏み出せない。
・百目鬼が、自分としているときだけ矢代さんが感じていることを知ったときの顔が!意図的なのは承知だけど、わかりやすい…!Xで先生が投稿されていた過去の百目鬼を見ていると、とても顔に出るようになったなと思います。それでも矢代さんが本音を隠しているときの表情やそれに対する百目鬼の表情、してるときの些細な表情の変化では、まだ何を考えているのかわからないときが多々あるのですが…。
・井波さんが、使いものにならないって言ったとき、「え?めっちゃ感じてたし、出してたよね?あ、百目鬼にしか反応しないってこと!?もう大好きじゃん(知ってた)!両想いじゃん(知ってた)!このまま勢いで矢代さんに白状させてどろっどろに甘やかしてあげて!」ってわたしですら考えたのに、はたして百目鬼自身はどう思ったのか…。よく理性保てていたな。いや、保っていたのか…?そして、百目鬼とするときだけ反応すると明かされるのは初めてですかね?わたしが忘れているだけかな?8巻をぱらぱらっと読み返した限りでは、8巻ラストで勃ってねえくせに、と言われていましたが。愛のないえろや、矢代さんがほかの人としてるシーンは好きではないので、読み流してしまっているかもしれません。(しっかり読み直したら『百目鬼にしか感じない』と明言はされていなかったけど、矢代さんがモノローグで何も感じないと言っているのに、百目鬼にしてもらっているときはめちゃくちゃ感じている描写があったので、ちゃんと読んでいればピンとくるようになってた…!)
・結局鑑賞会はしなかったけど、鑑賞会しながら、言葉攻めする百目鬼と恥ずかしがって消せという矢代さんを見てみたい。でも、百目鬼らほかの人としてる矢代さんを見たくないだろうから無理かな…
・キスについて。冒頭のシーン、最初は百目鬼からして、矢代さんは目を見開いておどろいている?けど、そのあと矢代さん(上)からしてるのすごくいいし、終盤のシーンでも、自分から腕を百目鬼に回してるのめちゃくちゃ好き!あと、百目鬼に挿れられてから、バック?のあとにキスするシーン!1コマずつゆっくりベッドに戻っていくところで、矢代さんの手がどんどん百目鬼の頭に寄り添っていくのめっちゃいい…!
・受けがキスを拒んだり、恥ずかしくて腕や手で顔を隠しているときに、それを押さえてキスしたり、目を合わせたりするの大好きです。ずっと言ってることだけど、再認識したので何度でも言います。
・最後、百目鬼の身体に足を絡ませるの、めっちゃいい…。「ヤリたくてしょうがねぇってカオ してんな」のくだりで、自分(矢代さん)はそんな顔してないって言い張っていましたが、そのあとの見るなとか、足を絡ませるとか、言外にすべてを物語っているのがめちゃくちゃいいです。そしてどうしても目に入ってくる刺青…。毎回描くの大変なんだろうな…。
・刺青について。初めて読んだときは、片腕に、というわけではなく、背中一面という、イカゴク(by七原さん)と言わんばかりの刺青におどろきはしたけど、矢代さんがなんであんなに怒ったのかがわかっていませんでした(今までの理解不足と読み込みの足りなさを痛感します)。でも、感想をめぐってて、表の世界(という表現が正しいのかはわからないけど)に戻ってほしかったのに、なんでこちらの道に深く入りこんでいるんだ、という憤りから、あんなに激昂したというのを知って、だれよりも百目鬼のことを想っているのに、本当に不器用だなと思いました。好きという気持ちもそうだけど、想っていることすべてを言ってしまえば、万事解決なのに!もどかしくてしょうがない!
・冒頭と終盤のシーンだけでも十分なのに、そのあと有言実行と言わんばかりに百目鬼が来て好きにしている(語弊)ことがわかって供給過多です。
・矢代さんの困り眉?めっちゃ好き。してるとき、ずっとハの字になってるのかわいい。そして、めっちゃきれい。
・お気に入りの困り眉顔は56話17ページの一番上のコマです。めちゃくちゃ感じていてどうしようもないって表情が本当に好きです。
そのほかポイント&気になるところ
・組同士の対立や因縁はふわっと読んでいるので、キャラの名前や顔、関係性はあまり頭に入っていませんが、上に立つ人は頭がいいというか、頭が切れるというか、かっこいいなって思います。(小並感)
・連絡した店員さん、最初は天羽さんが監視してるのかと思ってました。あれ?ピアスしてたっけ?と不思議に思いつつも、天羽さんをちゃんと思い出せたことに喜んでいたら、全然違う人だった…
・本物の天羽さん出てきた!
・井波さんが持ってきたメモリカード。今どきデータなんていくらでもコピーできるのでは?と思っていたら、ちゃんとつっこんでくれたw
・ところで、矢代さんの下の名前って何?今までに出てたっけ?人物紹介も主人公なのに『矢代』だけですし
・三角さん、めっちゃ過保護だな~w で、百目鬼を気に入らない理由がわからないって
・お久しぶりです、影山先生&久我くん!そういえば影山先生はめちゃくちゃ手術が下手だったか、手先が不器用だったか、そんな設定があった気がする…
・もう七原さんが癒しです、すべてのシーンにおいて。お店でチンピラに絡まれたときに、考える時間もなく置いていかれて、少しは躊躇して…、みたいになっているところ、かわいそうだったけど、笑ってしまったw スーツがぼろぼろになっても、車が傷つけられていても(傷というレベルではなかった)、矢代さんについていく七原さんが大好きなので、最後まで矢代さんの下で働いていてください。
・あとカフェで矢代さんが百目鬼のことをゴリラと言ったときに、矢代さんのことを心配する百目鬼のことを思い出しながら、安心しましたって言ってくれる七原さんのままでいてください。
熱量がはんぱなくて、すぐに記事にできる環境だったから、勢いに任せて読んでから感想を書くまでを1日で終わらせてしまった!いつも感想を放置しているので、これくらい熱量のあるときに書き切ってしまえばいいんだけどな、と反省しています。
当初はつぶやきで書いていたけど、あまりに書くことが多すぎて記事にしました(^^) しかし、感想が「めっちゃいい」「めっちゃ好き」「甘やかしてほしい」など、語彙力の低さが目立ちます。それくらいに言葉がなくなるほど今回の糖度は高かったです。とはいえ、通常のBLに比べたら圧倒的に糖度が少ないし、なかなかふたりの関係が縮まらないのに、こんなに熱くなるなんて…!しかし、よく考えると『縮まらないのに』ではなく、『縮まらないから』なのかもしれませんね。何か大きな動きがひとつあるだけでめっちゃうきうきします(*^^*) 願わくば、これから先、うきうきすることばかりがいいな!こんな幸せなことを考えてほかの方の感想を読んでいたら、こんなに糖度が高くて、これから先どうなるのか…、みたいな意見を見つけ、自分の能天気さをうらみました。それでも!最後はふたりがちゃんと恋人として、あるいは恋人というかたちでなくても、お互いちゃんと言葉にして求め合って、どろっどろにいちゃいちゃする糖度1000%な未来を心から期待しています!
それではっ