タレントソーサーが考える もらって嬉しいスカウトメールの世界
皆様初めまして。本日は私、Nontsが担当致します。普段、とあるメガベンチャーで中途採用人事をしております。
今回、Casterの森数さんよりお誘い頂き、参加することとなりました。こういったことに参加させていただくのは初めてなので、とても有難いなぁと思っております!note初投稿、緊張しますがよろしくお願い致します。
採用アドベントカレンダーも本日含め残り3日!これまで様々な角度から、採用について強者メンバーが寄稿しておりますので、是非ご覧くださいませ。
ご挨拶:ソーサーって何ですか?
私は普段いわゆるメガベンチャーで、中途採用領域のソーサーとして勤務しています。
「ソーサー?なにそれ。」
正しい反応だと思います。ソーサーというのは、Talent Sourcer、Sourcing Recruiterと呼ぶこともあります。ビズリーチやLinkedinなど様々なデータベースに対してスカウトメールを送り、自社の募集ポジションに対する応募喚起を図り母集団を形成していくのが仕事です。
外資系企業に存在することが多く、最近では日本の企業でも時折見かけます。(Linkedinで検索するとちょこちょこお見かけします)アメリカ等々では当たり前に存在する、スカウト(ダイレクトソーシング)の専門家です。
私の採用に関するキャリアとしては、リクルート時代にスカウトメールサービス事業(Nプロ)にて4年、現在の企業で中途採用人事として2年、スカウト、もとい母集団形成専門でご飯を食べている人間です。(最早特定不可避/判ってしまった人は微笑ましく見守ってください)
「スカウトの仕事、飽きない?」
これ、リクルート時代の同期(同じ部署出身/現在は別企業勤務)に言われます。でも私は「スカウトの仕事は飽きないし好き」です。今回は、スカウト専門で生きている人間が何を魅力に思って、この仕事を続けているか、そんなところをお伝えできたらいいなと思っています。
*以下「求職者」というワードが出てきますが、今回は転職活動中の方だけではなく、潜在層も含めての表現となります。
なぜこのテーマを選んだか、伝えたいこと
今回の採用アドベントカレンダーでは、「カジュアル面談」に関するトピックを挙げておられる方もいたことや、面談に関連したツイートが増えた・共感を呼んでいるという印象があり、スカウト(ダイレクトソーシング)が普及してきたことを肌で感じています。
もしかしたら企業・エージェントなどから、スカウトメールを受け取ったことがある方も多いのではないでしょうか。
中には、話を聞いてみようかなと思うものもあれば、ザ・DMでテンプレート感満載で萎えたなんて方もいるかもしれません。(テンプレは一定必要ですし自分もやっているので否定するわけではありません)
企業の規模や、募集求人によってどのようなメールがいいのかは変わってくるため、今回は技術的なことではなく、
・スカウトメールの魅力とは
・結論もらって嬉しいスカウトメールってどんなものだろう
というのを考え、お伝えできたらいいなと思っています。
スカウトメールを送る理由ってなんですか
皆さん(特に人事)は、スカウトにどんな印象をお持ちですか?
・コストを下げるために使うもの
・エージェント経由のみでは、母集団として不十分だから使っている
・手間がかかる、面倒
・結局DMでしょ?
上記はスカウト屋として生きてきたこの6年の中で、飽きるほど聞いてきました。そしてとてもよくわかります(笑)
普及してきているという点も考えると、普及前にあったネガティブイメージだけではなく、最早”やらねばならぬ”の状況になっている企業もあれば、その有用性について理解して運用している企業もあるのだろうなと推測します。
すでに既知の方も多いとは思いますが、私が思うポジティブな面を下記にまとめてみます。
・自分たちの伝えたい思いを、ダイレクトに候補者に送れる
・会ってみたいと思う人に、自分からアプローチできる
・たとえ返信が来なくとも、自分たちの事業やサービスを知ってもらう機会になり得る(ブランディング要素)
・思いもかけない出会いが創出できる
他にもあるかもしれませんが、私が思うメインのポジティブな理由は上記です。一旦、細かい事例も含め、記載してみたいのでお付き合いいただけると嬉しいです。
スカウトメールの魅力とは
1.自分たちの伝えたい思いをダイレクトに候補者に送れる
言わずもがな、これは大きな魅力だと思っています。
「自分たちがサービスにかける思い」、「なぜこのサービスを生み出そうと思ったのか」、 「どんな人の役に立つものなのか」、「どんな背景で今回の募集をかけているのか」、 「そして入社したらどんなことを任せたいのか」、「どんな未来を一緒に描きたいのか」を自分たちの熱量も含めて、自分たちの言葉で伝えられます。
求人票ですと、不特定多数の方が目にするという点や、文字数の関係で伝えきれないという点があるかもしれませんが、スカウトメールですとその点は少し緩和されます。(他の人が見ないという保証はないですし、文字数も制限はありますが)
私は「人の気持ちを動かすのは、結局人なのだ」と思っています。
それは対面で行う面接や電話での面談もそうですが、スカウトメールでも同じです。「面白そう」「ワクワクする」「なんだかこの企業、気になる・・・!」そういう気持ちが動くものを、文字で提供している。手段が違うだけです。
データベース検索して、メールをただただ送るなんて陰気な仕事だな(笑)
と思ったかもしれませんが、私は”内勤営業”に近いものだと思っていますし、誇りを持ってやっています!好きです、スカウト!(リアルコミュニケーションが得意なリクルーターはスカウトが苦手な方も周囲には多く、向き不向きが結構あるなとは思います)
2.会ってみたいと思う人に、自分からアプローチできる
こちらも言わずもがな。星の数ほどある求人票。自社の求人票を求職者(潜在層含む)に見つけてもらうことを期待するより、自分から「うちに興味ない?」とアプローチしてしまった方が、検討してもらえる可能性はあがるのではと思います。
転職エージェントに登録し、「採用人事」で求人を探したとして、業務内容めちゃめちゃ似てるんです!サービスや事業で選ぶのも、一個一個調べるのも大変で、もはや「大手か中小か」「福利厚生や年収」とか、そんなところで比較し始めちゃったりするんですよね。求職者側も、自分に合う企業を探すのは苦労します。。。
また、今回の募集にはマッチしないなーという方の応募が多くて、書類選考対応で時間がかかる・・・のもお互い幸せではないですよね。(求人票の精度を上げれば改善できるといえばできますが)
スカウトであれば、一定自分でレジュメを見てからスカウトしていますから、返信きたらすぐ日程調整すればよい。そういう意味で効率的で、ホットなうちにお互い会えるのはメリットだなと思っています。
3.返信が来なくとも、自分たちの事業やサービスを知ってもらう機会になり得る
スカウトメールは、キャリアアドバイザーから会社やサービスについて追加説明してもらうなどの支援がありません。なので、自分で事業やサービスについてメール内で、魅力的に説明する必要があります。
メールを開いてみないと詳細がわからない場合も多いので、「知らない企業だけど一旦出だしの部分だけ読んでみるか」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自分が望んでいた業務内容のスカウトでなかったとしても、「へぇ、こんなFintechサービスがあるのか」「この企業、ゲームの企業だと思っていたけどこんな事業もやっているんだ」など、新しい発見があります。私はカジュアル面談にはいったものの、面接には臨まなかった企業のアプリをダウンロードして使い始めました。(笑)
どんな想いで、このサービスを作っているのか?
誰にどんな喜びをもたらすものなのか?
求人票には書ききれない思いを伝えられる、それがスカウトメールの良いところだと私は思っています。
4.思いもかけない出会いが創出できる
<見つけにくい「求職者」との出会い>
スカウトメールの場合、現在住んでいる場所を問わずアプローチすることも可能です。
求職者の中には、「基本的に転勤や、現在の場所からの転居はあまりしたくないけど・・・凄く気になる求人だったら引っ越すことも考えなくはない」という人も少数ですがいます。また、「海外赴任中で、エージェントに登録するのは面談できないし困難」という方もおられます。
※最近は面談なしで登録する人もいるようですが。
面接や面談自体はWebで一定行うこともできる時代。(ZoomやWherebyを弊社では使っています)
スカウトのおかげで海外で活躍されている商社の方や、デザイナーなど優秀な方とコミュニケーションをとることができています。
<想像し得ない「求人」との出会い>
現在いる業界とは全く別の業界で、自分の知識が転用できる。そんな求人に気づかせることができるのも、スカウトのいいところです。
スカウトが来てみて
「求人を既に見ており、自分は年齢でこの求人には合わないと思っていた。スカウトが来て驚いたし嬉しかった」
「時短なので正直転職活動は苦労していた。時短で活躍するロールモデルとなってほしいと言われて、嬉しい」
「違う業界なので視野に入っていなかったが、知識が転用できる部分もあると気づけた。挑戦してみたい」
など、求職者が気づいていない・気づいていても遠慮してしまっている場合も、スカウトすることによって出会う機会を生み出すことができます。
私が一番スカウトで価値がある、と感じるのはこの部分。”まだここにない意外な出会い”を紡ぎだす役割ができる。それが私にとって面白さを感じる部分です。
もらって嬉しいスカウトメールとは
結論、もらって嬉しいスカウトメールって?の部分を考えていきたいと思います。
スカウト専門でやってきて、多数の方を応募につなげてきました。面談にきてくださった方、そして実際に入社した社員から
「自分のレジュメをちゃんと読んでくれていると感じたので返信した」「想いが伝わってきた」とご感想を頂けたことが、私としては嬉しく大きなやりがいにつながっています。
このような感想も含め、上記に記載したポジティブ面と併せて考えますと、
・企業側の言葉でサービスや今後に対する情熱・思いが伝わる(知って興味を持ってもらう)
・なぜ声をかけたのか、理由を伝える(「意外な出会い」となる驚きを与える)
があると、こんな思いで事業をやっているのか!そして自分にこんなことを期待して、スカウトかけてくれたのか!とワクワクが醸成できると思います。
また、もしも可能であれば「求職者の希望に触れる」と喜んでくださることが多いです。
<希望職種と異なるが、説明をきちんとしてご返信いただけた方>
次のキャリアとして「商品開発」をご希望されている点を拝見しました。今回、ご希望されている商品開発とは異なりますが、これまでのご経験であるQAポジションにてお声掛けさせていただきました。弊社のQAは、サービス開発時点から介入して、意見を発しているため、サービス開発においてQAの立場から影響を与えることが可能です。ご経験を活かしていただきながら、サービスの上流から関わって頂けるという点で、ご希望に近しいと考えておりますが、いかがでしょうか。
と送ってご返信いただけたことがあります。(文章は記憶を呼び起こして書いたので、実際とは異なります)
まとめ
リクルート時代にしきりに先輩に言われた言葉ですが、「スカウトメールはラブレターである!」というものがあります。
一人ひとりに長文を書くのは、大変というのも十分理解しています。なので、一文でいいんです。
スカウトメールで興味を持ってもらう・応募につなげるというのが目的であれば、まずはこちらから興味があるよ、この点が好きですよ、気になりますよ、をそっと伝えてみることから始めてみませんか?
「人の気持ちを動かすのは、結局人である」。
対面でのコミュニケーションももちろんですが、メール文面からでも相手を魅了し、気持ちを動かせる。そんな人が増えたら、きっと幸せと驚きに満ちた採用が増えていくんじゃないかなと思っています。
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました!
明日のアドベントカレンダー担当者ご紹介!
明日は、私もお世話になっていて、大好きなオープンワークさんにお勤めの宮野さんです!働きがいクリエイター・シンガーソングライターと多彩な活躍から目が離せません。宮野さんのツイッターには、いつもHR事業への思いが溢れていて、人事・スカウト屋である私はいつも学ばせて頂いています。
明日もお楽しみに!
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