『きっかけ』は突然
『体験学習に付き添いで来て欲しい!』
今から約13年前、全てはこの一言で始まった。
マッサージなど受けた事も無く、癒しの『い』の字にも興味が無かったあの頃・・・
まさか10年後の自分が、この仕事に携わっているとは想像もしなかった。
人生とは、本当に不思議なもの。
個人的に昔から大好きだった街。
何処か異国情緒漂う『大人の街』を連想させる神戸元町。
人々は颯爽と歩き輝いて見え、建造物もスタイリッシュで重厚感に溢れる。
自分にとっては、機会があれば訪れたい場所。
『付き添い』を断る理由も特に無く、お気に入りの旧居留地に構えられた教室に。
8階の窓から覗く青い海とメリケン波止場。
こんな場所で時間を過ごすのも悪くないかな・・・
そう思わせるには、じゅうぶんな空間。
『施術を受けてみられますか?』
掛けられたその問いに断る理由も見当たらず
ベッドに。
次の瞬間、自分の中に衝撃が走ったのを今でも鮮明に覚えている。
人に触れる『タッチング』には言葉では表せない不思議な力が存在していると感じた。
世の中どんなに進化を遂げても人を癒すのは、結局『人』の様な気がした。
あまり人がやらない事をやりたい。
常々、そう思ってきた感情にも合点がいった。
このジャンルは現段階で、ほぼ女性の世界。
でも、そこに男性が居たとしても、おかしい事では無く、近い将来、男性の『美』と『癒し』に対する意識も変わってくるはず。
いわゆる『第一人者』的な存在であれる事に興味があった。
学生時代から元々『美』に興味があった自分としては、特に抵抗も無く、すんなりと身近に感じられる世界。
この日をきっかけに新しい自分の人生の旅が始まった。
『きっかけ』は突然。
人生はその積み重ねの様な気がする。