デジタル庁の公募公告が出ていたので読んでみよう
岸田新内閣の下、牧島かれん先生が新たにデジタル大臣に起用されるということで、また雰囲気が変わるかなと思いつつ紀尾井町方面を眺めております。
さて、本日デジタル庁ホームページにて、10/4付で公募が出ておりました。
デジタル庁におけるガバメント・クラウド整備のためのクラウドサービスの提供-令和3年度地方公共団体による先行事業及びデジタル庁WEBサイト構築業務-
何やら、ガバメントクラウドの先行事業向けの基盤調達とデジ庁ホームページのサイト構築に関する調達を一緒にやるみたいですね。何で一緒にしたんだろ。せっかくなので軽く目を通してみましょう。
どんな業務?
調達仕様書によると、
(1) 地方公共団体による先行事業に向けたクラウドサービスの提供
(2) デジタル庁 WEB サイトに向けたクラウドサービスの提供
とのことで、(1)はガバメントクラウドの先行事業用の検証環境の提供ってことですよね。
(2)は…公募件名に”WEBサイト構築業務”と書いてあるものの、実際の役務内容はあくまで”クラウドサービスの提供”のように読み取れます。
確か別調達で暫定版サイトを構築する話だったと思うので、暫定版サイトを(2)のクラウドサービス上で稼働させるという話なのでしょう。
公募期間は?
令和3年10月4日(月曜日)から令和3年10月15日(金曜日)
え、まじ。短くない?これだと、下見積もり取った業者しか参加できないのでは。
入札参加資格は?
(3)令和1・2・3年度(平成31・32・33年度)全省庁統一資格の「役務の提供等」のA、B又はC等級に格付けされた者であること。
全省庁統一資格が必要ということで、まあこれは要るよねー的な。
クラウドサービスに関する前提条件
調達仕様書に以下の記載がありますね。
提供するクラウドサービスは、外部からの不正アクセスや意図しない情報漏えいを未然に防止できるよう、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAP(イスマップ)に登録されたクラウドサービスを条件とするとともに「別紙1_基本事項及びマネージドサービスの技術要件詳細」を満たすクラウドサービスを提供するものとする。
ISMAPクラウドサービスリストに登録されたクラウドサービスじゃないとダメよってことですね。サービスリストはこちら
https://www.ismap.go.jp/csm?id=cloud_service_list
NTTデータ、富士通、Google、Salesforce、AWS、NEC、KDDI、Oracle、Microsoft、日立、Cisco、サイボウズ、Box、NTTコミュニケーションズ
SaaSっぽいのも混ざってますね。その辺抜くと9社くらいでしょうか。
技術要件を見てみる
別紙1 基本事項及びマネージドサービスの技術要件詳細を見てみましょう。
実績
当該クラウドサービスを自らが設計、開発及び提供していること。
日本国内のデータセンターで当該クラウドサービスを自らが3年以上運営していること。
国内の利用企業ユーザ数及び公開事例が100以上であること。
お?
マネージドサービス
提供されている全てのマネージドサービスに関する技術情報及び用例等がインターネット上に複数年間公開されていること。
直近1年間でリリースされた新規サービス数が10以上、新機能数が100以上であり、今後も継続することが担保されていること。
おぉww??
オブジェクトストレージ
オブジェクトストレージは、99.999999999%以上の耐久性を持ち、ファイルの永続的な保管ができること。
おぉおぉぉwww
この辺りの条件and取っただけで、残るクラウドサービスってAWSかAzureくらいしか残らないんでは?
まとめ
デジタル庁が、先行事業とデジタル庁ホームページ用のクラウドサービスを公募調達しようとしてるんだけど、クラウドサービスの要件見ていくと、AWSかAzureくらいしか残らなさそう。
実態としては、クラウドサービスの再販事業者が元請業者になるんでしょうけども、これだったらわざわざ調達しなくても第二期政府共通プラットフォームがAWSで稼働してるんだから、そっちで検証したんで良くない?というのが感想です。(Azureにしたいんですかねw
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