
箱根旅行








数日前に夫と勢いで決めた箱根旅行。
めちゃくちゃめちゃくちゃ楽しかった!
今までは箱根湯本に泊まり周辺の観光しかしたことがなかったのだが、今回初めて強羅に宿を取り箱根登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイで大涌谷観光…とかなり箱根を堪能できた。
ロープウェイから大涌谷が見えた瞬間は圧巻だった。どうして今までこんなにすごい場所へ来なかったんだろう…。
大涌谷といえば黒たまご。
行く前は、山の上でゆで卵食べることに全く魅力を感じなかった。寒空の下、人々が一心不乱にゆで卵を食べている姿など異様とも思えた。
到着してからも(まあせっかく来たし食べておくか…。でも4個入りしか売ってないのか。お腹空いてないし、そんなにいらんなぁ…。)程度の気持ちしかなかった。
しかし食べて驚いた。
めちゃくちゃ美味しい…!
なんでかわからないけど、とにかく美味しい。びっくりするほど美味しい。夫と分けて2個ずつ。2個じゃ足らない。もっと食べたい…。なに?あの美味しさ。
黒たまごの感動はなかなか止まず、帰りの電車でも家に着いてからもしばらく「黒たまご美味しかったなぁ」と言葉が漏れていた。他にも色々食べ歩きしたが、全て黒たまごの思い出に塗り替えられていた。たまらずYouTubeで黒たまごが作られる映像を観るほど魅了されてしまった。
大涌谷でしか食べられないそうなので、絶対にまた行きたい。
箱根旅行の際には必ず行くお店がある。
着いた日と帰る日、2回行くのだ。
箱根湯本駅から歩いて5分もかからない場所。
お土産屋さんが並ぶ大通りの裏へ入った静かな通りにある海産物屋さん。
『うろこの宮 ととや』
とても海産物屋さんとは思えないオシャレな外観。
大通りの賑やかさから一変した静かな空間。
その佇まいはまるで美術館。(韻踏んじゃった)
知らなければ、芸術家が個展やってるのかな?と思って通り過ぎてしまうだろう。
店内へ入るとまず真ん中に迫力のある鯛のオブジェ。
その周りを囲って、干物や加工品の海産物がひとつひとつ芸術作品のように丁寧にディスプレイされている。
そしてその空間に調和するように東京芸大の作品が、これまたセンスフルに飾られている。
まるで美術品を鑑賞しているかのように店内をぐるっと見ていると、店の奥からご主人が出てくる。
このご主人が最高なのだ。
ご主人に会いに毎度箱根まで来ている!
私の語彙力ではご主人の素晴らしさを到底説明できないのだが、とにかく腰が低くよく喋り、全力で海産物の説明をしてくださる。試食を楽しめるように、ぐい呑みでお酒も注いでくださる。多少の口の悪さがあまりに可笑しくていつも涙を流すほど大笑いしてしまう。
お会計して店を出ようとしているのに話が盛り上がり、ご主人が喋りながら店外まで着いてきたときは、またお腹が痛くなるほど笑った。
あの店に数分いただけで、面白くて最後にちょっと感動する最高の映画を1本観たあとのような不思議な気持ちになる。あのご主人は一体何者なんだ…?
もちろん海産物はどれも美味しい。
箱根に着いたら宿での晩酌のお供を買い、帰る日にお土産を買う。そのため2回訪れるのだ。
ととやのご主人が箱根の景観まちづくりにコメントをしている記事があった。
それを読んでみると短い文章のなかにご主人の素晴らしさが詰まっていた。
誰かに教えたいけど誰にも教えたくない…。
それほど大好きなお店なのだ。ととや。