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あしあと

思い出はよく美化されがちである。

想いを伝えられなかった彼も。
一日を越えるのがやっとだったあの日も。

人間長く生きていると、やはりそういうことが多くなってきて
「俺のころは〜」とか「昔は〜」とか言い出す。
時代も、価値観も一変して状況が違うのにそんなこといってどうすんだって
価値観アップデートできてないのが露呈してるぞって
ただ、そうおもう。

しかしながら、かくいう私も過去を思い出すと「美化してんなぁ」ってことは頻繁にある。
それだけ一生懸命に生きてきたってことだと、自分をなだめる。
問題なのは、その「一生懸命に生きてきた私」を相手を攻撃するために使うのかどうかということ。
せっかく頑張ってきた過去の自分で相手を殴っていることに、どれだけの人が気づいているのだろうか。

ただ、難しいのは、「一生懸命に頑張ってきた自分」を守れるのもまた自分だけだということ。
他の人に何と言われようと、小さなあなたを知っているのはあなただけ。
「謙虚」であるのもいいけれど、あなただけは過去のあなたの一番の味方であってほしい。

自分の歩んできた足跡を他人が踏み散らかせないように
自分の心の中に大切に閉まっておこう。

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