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空と水色とわたし-51

それまで、何故私たちはこんなにも優勝したいのだろうかと
考えることがあった。
その時の私は優勝の美酒の味をまだ知らない。

たとえ優勝できなくても楽しいからいいじゃん。
そもそもJ1で優勝するってトップの1チームだけだよね。(当たり前だ)
シルバーコレクターと揶揄されようがどうでもいいし、そんなことで私たちはへこたれたりくじけたりしない。大体、そんなこと言ってくる人たちってなんなの。そんなに偉いのか?というか、強いチームのサポーターってそんなに偉いの??チームが強いからってそのチームのサポーターが偉いっていうのは違うよね。

・・・話が脱線してしまった。
すごく優勝がしたいと思う一方で優勝って何なんだろうか。
何が足りないのだろうか。
一度手放した方が良いのではないか。
私たちサポーターが意識するあまり、ある選手を逆に縛ってしまってはいないか。そんな風に考えてしまうことが私には時折あった。
勝ち負けに固執してばかりだと時にとても苦しい。

それでも、戦いを挑む以上は一番上の景色が見てみたいし、何より最後にみんなで笑いたい。大好きな選手たちがシャーレもしくはトロフィーをあふれるほどの笑顔で掲げるのを見たいじゃないか。
そんな風に何度も打ちのめされてはここまでやってきた。

1/1昼過ぎの吹田スタジアム。まだ新しい、素晴らしいスタジアムだ。
寒い時期らしく空気が透き通っていて抜けるような青空がとても綺麗な日だった。私たちが身に付ける水色と混ざり合いそうな美しい空。
それは、初めて優勝するときはきっとこんな空だろうと想像してきた通りの空だった。
思わず空に向かって祖父と祖母にお願いする。
「どうか優勝できますように見守っていてください。」と。
恐らく空の上ではフロンターレに縁もゆかりもない二人は何のことやらと首をかしげているだろうが、この際どうでもいい。力を貸してください。

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決勝の舞台はお祭りみたいだ。
緊張するけれど、それ以上にとにかく楽しく素晴らしい。
天皇杯の決勝は自衛隊音楽隊の演奏があるし、見たことのないマスコットも出てくるし、ルヴァンカップの決勝はたくさん美味しいお菓子がもらえたり、有名な人が国歌斉唱したり、特別なイベントがあったり、ゼロックススーパーカップでは日本各地のスタグルが食べられてたくさんのチームのマスコットと触れ合えるイベントがあったり・・・
もう楽しまきゃ損なのだ。
しかし、そんな風に思えるようになったのはつい最近のこと。
その日の私もとても楽しむ余裕などなく、冷静ではなかった。

もう一つの決勝の楽しみといえばコレオグラフィーだ。
私はコレオが大好き。入場した時点で座席に置かれたパネル等を見て、
今回はどんなコレオなんだろう?とワクワクするし、
これで少しでも選手たちの力になったらいいなぁという願いを込めて
毎回、全力でコレオに参加している。

選手入場の瞬間、届けとばかりにパネルを掲げる。
パネルの隙間から見える対戦相手のコレオ。
伝統強豪チームらしい美しく大きい星マークだ。素晴らしい。
一方で弊社、いや、こちら側は富士山と賀正。
実にフロンターレらしい。とても綺麗にできているし、いいじゃないか。
思わず笑みがこぼれた。

さぁ、いよいよ試合が始まる。

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