見出し画像

基本計画線シリーズ第一弾・羽越新幹線

1. 基本計画線シリーズとは何か?

まずそもそも、ここで言う「基本計画線」とは全国新幹線鉄道整備法による
 「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」
の中で、昭和48年(1973年)に告示された11路線のことを指します
この11路線は、JR東海が自費で建設を決定した 中央新幹線 以外まだ
具体的な建設計画が立っていません。

このシリーズでは、以下の11の新幹線路線を完成させることにします

  • 北海道南回り新幹線

  • 羽越新幹線

  • 奥羽新幹線

  • 中央新幹線(※鉄軌道)

  • 北陸・中京新幹線

  • 山陰新幹線

  • 中国横断新幹線

  • 四国新幹線

  • 四国横断新幹線

  • 東九州新幹線

  • 九州横断新幹線

太字で示した路線は、2023年4月11日時点で作図が完成してるもの)


2. 本題

0. 羽越新幹線の概要

シリーズ一発目の記事なので前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
今回完成させる路線は、羽越新幹線 です。
この新幹線、起点は富山市/終点は青森市という日本海側をひたすらに走る
新幹線計画の中でもかなり長大路線になります
経由地は在来線の北陸本線、信越本線、羽越本線、奥羽本線に沿う形となり
                                   新潟市・秋田市
と1973年の告示で定められているため、これに従います

分かりにくいのですが、秋田市~青森市は並走する奥羽新幹線ではなく、
羽越新幹線の区間となります。

1. 羽越新幹線その1 富山市~上越市

 この区間は既に北陸新幹線の富山駅~上越妙高駅として開業しているので、解説はパス
 一応、重複してる区間の路線図を掲載します

羽越新幹線と北陸新幹線の重複区間

 一応羽越新幹線は既に建設されていると見るべきかもしれません
 基本計画では北陸新幹線と別線を想定していると思われますが、その場合は上越妙高駅ではなく直江津駅に乗り入れることは可能です(おそらく)


2. 羽越新幹線その2 上越市~新潟市

 ルート候補が一番多い(≒作りがいがある)のはこの区間
出発点は上越妙高駅、終着点は新潟駅になりますが過程で幾つかのルートが考えられます

それぞれのルートのメリット/デメリットを列挙します

1. 十日町ルート    
    メリット:長岡手前で上越新幹線に接続し、建設距離が最短となる
 デメリット:沿線人口が少な目。また、地質上ほくほく線の鍋立山トンネ                             ルのような難工事に直面する可能性が高い

2. 信越本線ルート
    メリット:沿線人口が比較的多く、建設距離もそこまで長くならない
 デメリット:3のルートに比べるとやや遠回りになる

3. 越後線ルート
 メリット:新潟まで最短で移動できる。沿線人口もそこそこ
 デメリット:建設距離が一番長くなる

以上の比較考察から、デメリットを最小かつメリットを最大化できるルートとして、2番「信越本線ルート」を採用します。
以下が完成した同区間の路線図

長岡駅手前はもう少し北側から進入するのもあり

上越妙高は位置が悪いのですが、直江津駅に乗り入れは困難なので仕方ありません(既存インフラはできるだけ活用する方針)
長岡駅からは上越新幹線との重複区間となります。

上越妙高にあるデルタ線は中央新幹線を介して名古屋方面からの直通を考えてます。妄想ならば許される(はず)


3. 羽越新幹線その3 新潟市~酒田市 

 ここから一気に実現性が低くなる区間。
しかし、在来線特急を丸々置き換えられる区間なので速達性は言うまでもなし。羽越本線が海岸線をグネグネ走る区間もトンネルで突っ切ります
鶴岡は全列車停車駅と想定されるので、前後の急カーブも許容します。
以下が当該区間の想定路線図

今まで平野が多かった新幹線も村上を境にトンネルだらけになる

この区間にもルート選択がないこともないです。それは、
・村上駅に乗り入れず高速道路と平行してあつみ温泉or鶴岡まで直行
というルートです
しかし、今回は網羅性を重視して既存駅に乗り入れました
なお、在来線酒田駅には乗り入れ不可能です

ここが整備新幹線として建設されるならば、最良で
 ・新潟駅~新発田駅はJRとして存続
 ・新発田駅~鼠ヶ関駅と鼠ヶ関駅~鶴岡駅は両県の三セクとして存続
 ・鶴岡駅~酒田駅はJRとして存続
といった所でしょうか。
新潟県内はトキ鉄が持つはず。並行在来線としてギリギリ存続できると思うのですがどうでしょうか


4. 羽越新幹線その4 酒田市~秋田市

 正直この区間でルート設定は悩みません。悩みがあるとすれば駅配置
 ここまで言及していませんでしたが、新潟駅より北では320km/h運転も想定した線形になっています。
 奥羽新幹線とは秋田駅手前で合流。路線図は以下のようになります

新象潟駅は今風に「新にかほ駅」とかでもいいかもしれない

山形⇔秋田県境を遊佐トンネル(L=8,980m)で突破し新象潟、羽後本荘と経由し一路秋田駅へ
新象潟駅は新酒田駅と共に車からの利便性が高い高速道路のIC付近に設置します。ちょうどいい

ここが整備新幹線として建設されるとすれば、並行在来線(羽越本線)はどうなるのでしょうか?
酒田駅より北の在来線は、三セクとしても存続は結構危いです。
しかし、そのまま全廃となると矢島線(現・由利高原鉄道)が孤立したり、貨物のルートが失われることになるので悩ましい所です
(ここら辺は函館本線の存廃にも関わる話ですが)


5. 羽越新幹線その5 秋田市~青森市

 羽越新幹線として最後の区間です。なお、紛らわしいことですが
 全線にわたって奥羽本線と並行しています。終点が青森市だから仕方なし
   ここまで来てトンネル名が適当になり始めてます…

新青森駅のただしいキロ程は富山起点672.92kmです。訂正。

ルート選択の余地そこまでありません。鷹ノ巣から弘前まで直行するルートが考えられるかもしれませんが、それくらいです。
東能代駅には頑張って乗り入れました。ここまでやる必要あるかは分からない…
駅間短めですがこれは網羅性重視が原因です。どうせなら総需要は細々と増やしていきたいのでこうなった

この区間の並行在来線事情ですが、
その4の区間とほぼ同じです。リゾートしらかみがある分多少は有利…?
秋田~東能代、弘前~青森は流石に残ると思います


3. まとめ

 最終的に全長672.92km(富山起点/重複区間含む)になりました
 多分このシリーズで一番長いです。本当に長い。
    下に全路線の概略図を示します。

いくら何でも沿線人口に比べて距離が長すぎ…

羽越新幹線最大の目的は「日本海側国土軸の確立」ですが、実態としては
・北陸新幹線を介した関西方面から新潟方面への直通需要
・上越新幹線を介した東京から庄内・秋田地方への直通需要
がメインの需要になります。
特に、大阪からは新潟雷鳥廃止以来の直通列車となります。これは大きい

東京からも庄内地方への劇的な時短が望めます。なお、秋田までは奥羽新幹線と競合関係にあるのでどうなるかは未知数
以下に、時間短縮効果の図を示します

320km/h化してもあまり変わらない。それでも所要時間半減はデカイ
大阪ほど極端な時短はありませんが、東京から乗り換えなしになるのは結構すごい
(どうでもいいけどE7とE6再現するの大変だった)

この地点以外にも名古屋方面から結構な時短がありそうです
需要があるかどうかはさておき、地域交通に大きなインパクトを与えるでしょう。


4. 実現可能性について

  最後に羽越新幹線の実現可能性について、
   ・上越妙高~新潟については、多少の動きあり。人口がそこそこある                          ので可能性は一番高いかもしれない
   ・それ以外の区間は、促進期成同盟会が積極的な活動を行っているも                               
    のの沿線人口の少なさから実現困難
  とまとめられます。
        
  では、建設に向けた動きや実際に建設されそうな用意はあるのか?と
  長岡駅にあります。

航空写真は地理院地図を引用

上越新幹線の駅南側に準備構造が見えます。ここに線路が伸びることはあるのだろうか…


※記事の更新ペースですが、週1(できれば毎週日曜)を予定しております


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?