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人と人との距離感。生活の場と病院と、在宅医療の現場でと。

誰にでも立ち入られたくないプライベートな距離と、人と人が出会う社会でコミュニケーションをとるパブリックな距離感があります。

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通常の生活における距離感では、お互いプライベートなところまで立ち入らないように気をつけ合うことで信頼もって対話ができます。


病院ではどうでしょうか?

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「病気」「自分らしく生活できるわけではない場所」などその人のプライベートなパワーはかなりダウンしています。
自分らしくできない状況。その弱った心にぎゅーっと寄り添い、心理的プライベート領域に上手に入れるスキルをもった専門職が、上手にその人の「発信できない状況」をサポートします。これはこれで、弱った人には助かるサポートです。


在宅医療・介護の現場ではどうでしょうか?

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たとえ病気や障害を持っていても「わが家」という空間にいる患者は、ちゃんとプライベートな領域を保てていることが多いです。
病院や施設でトレーニングをした専門職が、病院や施設での距離感のように心理的プライベート領域に入り込むスキルを使ってしまうと、患者にとっては苦痛になってしまいます。

医療者は時に、この距離感を保つことを優先してしまい「患者の弱いところをみつけて、そこから近づく」という方法をとろうとします。
「あなたは歩けませんよね?車椅子をおしてあげますよ」「あなたは不安そうですね、話を聴かせて下さい」みたいな感じです。


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逆に、プライベートに入り込まれて 患者が辛そうな顔をしたり、嫌がったとき、「じゃ、なにかあったら言ってくださいね」と
入り込むスキルが通用しない状況に困って(辛くなって)、専門職がそのサポートの手を引きすぎる「ケアを放棄した距離感」に至る場合もあります。
「痛みがあると言うから痛み止めをすすめたけれど『いまはいらない』というので、なにかあったらいつでも連絡下さい、と伝えました」みたいな感じ。


というわけで、在宅ケアの現場で必要な距離、というのは「通常の生活における距離感」と同じものになります。
が、専門職と患者、という関係の中で「通常の生活における距離感」を保つために必要な専門職の姿勢はどのようなものでしょうか。

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「相手がどうしたいのか?」「今どう感じているのか?」「自分は何のためにいるのか?」に、注意を向け続けることなのかもしれません。敬意を持って。

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