名田庄村で気づいたこと。コミュニケーションのことで。
名田庄診療所前にある、食品日用品のお店、池長。
十何年前、名田庄村に住み名田庄診療所で働いているときはとてもお世話になりました。
名田庄には24時間営業のコンビニはありません。
個人商店が3つ(当時)。
一番遅くやってたお店で21時まで。残業していて21時を回ってしまうと、晩飯はカップラーメン確定です。
不便?
いいえ。
20時半にアラームを設定すればいいんです。研修医同士で「そろそろ時間だぞ」って声を掛け合えばいいんです。ギリギリに駆け込むことになった日はいっぱい「ありがとうございます!!!!」って言えばいいんです。システムが行き届かないときは、コミュニケーションで解決することができる。不便だからコミュニケーションが光る。そんなことを学んだ気がします。
もし、野菜売り場に見たこともない野菜があったら、よくわからんくて面倒くさいから買わないか、お店の人捕まえて美味しい食べ方を聞いてみるか?
コミュニケーションさえ恐れなければ、不便や面倒は、新しいアイデアや人生の広がりを生み出すと思います。
コミュニケーションを恐れて、一言も発さず買い物ができちゃうシステムを作っちゃったから、いざシステムが崩れるとより不便により怖く感じるのかもしれませんね。
名田庄の人は、コミュニケーションを恐れません。というか、システムが(田舎のため)成り立たないので、そもそもシステムに依存したことがないってことかもしれません。
池長は2013年8月いっぱいで閉店されました。名田庄地域医療塾で8月22日に訪れ、それを知りました。写真はそのとき買ったコロッケです。
ありがとうございました!
いろんな相談にのれる医者を目指して、ER救急で研修をしました。病気やケガについてはいろいろ相談にのったり対処したりできるようになりました。医者ならそこさえ極めればいいと思ってました。医者3年目に3ヶ月だけ、の約束で名田庄村の診療所へ地域医療研修に行った僕は、村で生まれ村で暮らし村で死んでいく人たちに、僕の持っている「医療」とか「医学」ってどんな役に立つんだろう、と悩み始めました。いろんな相談にのれる医者。って病気やケガに詳しければいいのか?3ヶ月だけの約束で始めた地域医療研修は4年半になり、専門は何ですか?と聞かれたら「地域医療です」と答えるようになっていました。
最近も、学生や新人メンバーなどを連れて、年に1回くらい名田庄を訪ねます。名田庄は蕎麦どころ、です。いつも必ず道の駅でそばを食べます。
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