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ポジティヴヘルス…“健康”は、自ら湧き上がるもの!

在宅医療で出会う患者は、役割をたくさん持っている。

病院に入院していると“患者”という役割に徹する必要がある。患者として目を覚まし、患者としてごはんを食べ、患者として治療を受け、患者として眠る。家族が来たときだって、なんとなく、患者と見舞客、という雰囲気になってしまうものだ。
自宅にいるときは、たまに“患者”の役割を演じることもあるけど、父、じいちゃん、元町内会長、飲み仲間、猫好き。いっぱいある役割のほんのひとつにすぎない。
だから、その人のいろんな面に気づくことができる。病人じゃない側から出会うことができる。そこが、僕が在宅医療が好きな理由の大きなひとつ。


病気や障害を持っていること=不幸、ではない!

オレンジは、医ケアキッズ、いわゆる医療的ケア児とか呼ばれる子どもたちと、毎日楽しく活動している。

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彼ら彼女らは、見方によっては、いや、世間の見方は、
病気があり、障害があり、余命が限られていて、体を動かすのも不自由な、不幸な存在。
子ども、という守るべき存在。
病人、という守るべき存在。
障害者、という守るべき存在。

いくつもの守るべき存在が重なったところにいる、最も守るべき存在。
つまり、弱者。最も、弱者。最弱者。

彼ら彼女らの居場所づくり、からオレンジは始めた。
OrangeKids’CareLab.(オレンジキッズケアラボ)通称ケアラボ。
在宅医療で出会う「患者=患うもの」と呼ばれる人たちは、そのくくりにはおさまらず、生活の場でそのエネルギーを発散させていることを、知っていたから。
患者、ってまとめられると、できない、弱い存在に思われがちだが、そうでないってことを、知っていたから。

病人である上に、子どもである彼ら彼女らは。
病人であるがゆえに医療者から、子どもであるがゆえに親を始めとする大人たちから、弱い存在にまとめられていた。
でも、だからこそ、おさまらない、エネルギーを発散する存在であることに
気づいた。

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信じた。

ケアラボでは、それまで、医療的ケア児と呼ばれる子たちには負担だ、やめたほうがいい、かわいそうだ、行かないほうがいい、と言われていた
保育園を作った。

公園に遊びに行った。プールに入った。雨の日も遊んだ。山へ行った。海へ行った。毎日、地域にでていっぱい遊んだ。
軽井沢に滞在した。ディズニーランドに行った。電車に乗った、飛行機に乗った。久米島に行った。プロペラ機に乗った。馬にも乗った。

子どもには、遊びと友達が必要。どんな病気や障害があっても、それを奪ってはいけない。

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身体の機能や、余命から考えたら、最弱者な子どもたちが
繋がり始めた。誰かの行動が、ほかの誰かを動かし始めた。
大人を動かし始めた。地域を変え始めた。社会に発信し始めた。


この子ら、強ぇなぁ・・・、って思わず呟いていた。

ハッとした。

最弱者、と呼ばれる彼ら彼女らを見て、「強ぇ」って呟いている自分がいたんだ。

強い、弱い、を表すのは、
生きているエネルギーを表すのは、


病気がない、とか、障害がない、とかっていう状態を指しているのではない。

変わろう、繋がろう、変えよう、と蠢く、生命のエネルギーを持っていることを、強い。というのだ。健康的、というのだ。

状態ではなく、ベクトルだ。

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この子らを弱者として管理するのか。
強さを支えながら一緒に歩くのか。時には、ひっぱってもらって。

管理するものの、快感や、
管理することの、楽さも知っているけど
変わるものに恐れながらも慄きながらも、進むことこそ生きることと気づいているから。

健康は、誰かに決められる、誰かの物差しで測られるものではなく、

その人の中から湧き上がるもの、なのかもしれない。


なーんてことをグニョグニョ想っている時に。想っていたからこそ。
オランダ発の「ポジティヴヘルスーPositive Health」に出会った。

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