見出し画像

#21 築き上げてきたサッカー楽しんで

さぁ、大一番です。臆することなく、気負いすぎることもなく、アルベルト監督の下でこれまで築き上げた来たサッカーを存分に楽しんでほしい。チームが一丸となって挑めば、結果はついてくる。そう信じています。

アルビレックス新潟はJ2第34節の16日、敵地で長崎と戦います。相手は勝ち点1差で一つ上の3位です。まさに昇格戦線の生き残りをかけた一戦といえるかもしれません。この試合に勝てば、2位と勝ち点差7の3位に浮上する可能性があります。しかし逆に、もし敗れるようなことがあると昇格圏との勝ち点差が13に開いてしまいす。絶対に勝利しましょう。

この試合はDF千葉和彦選手が累積警告で出場停止です。さらに悲しいことに、MF本間至恩選手が全治6週間の右太もも裏の肉離れで、MFロメロ・フランク選手が筋肉系のけがで出場できない見込みといいます。至恩選手、フランク選手とも焦ることなく、きっちりと直してほしいと思います。一日でも早くピッチに戻って来れるよう祈っています。

大事な時期に試合に出られないのは、本人が一番悔しい思いをしていることでしょう。他の選手たちも、それは分かっているはずです。前節の山口戦では、至恩選手の負傷で前半43分に急きょ入った三戸舜介選手が、貴重な決勝点をアシストするなど活躍しました。Jリーグ公式サイトによると、三戸選手は「これまで三戸選手が本間選手に助けてもらった試合があった。今回は逆に助けることができたか」という問いに、「ゴールという形ではできなかったんですけど、ちょっと助けることはできたのかなって思います」と答えたといいます。

頼もしいですね。

長崎戦の後はホーム秋田戦、アウェー岡山戦と続き、11月3日にはホームで現在首位の磐田との天王山を迎えます。元サッカーマガジン編集長の平澤大輔さんは、大中祐二さんのニイガタフットボールプレス(【頼もう、感想戦!feat.平澤大輔】~明治安田生命J2リーグ第33節vsレノファ山口 vol.5~)で、次のようにおっしゃっています。

「残り9試合はしびれる試合ばかり。まずは次の長崎戦ですが、そこから秋田、岡山とインテンシティの高いチームとの試合が続きます。その先に待ち受ける磐田をたたくところから逆算して、チームがどう戦っていくのか。大いに気になります」

それに続けて「いずれにしても楽しみな試合ばかりであることに、変わりはありません」「そこを越えて初めて昇格の可能性をたぐり寄せられるわけで。選手たちは目の前の1試合に全力を注ぎ、勝ち続けるのみですね」とも語っています。

試合に出続けている選手、そしてこれまで出場機会に恵まれなかった選手たちも2選手の思いを受けとめ、一丸となって総力戦で戦い抜いてくれることでしょう。今後、DF遠藤凌選手やDF長谷川巧選手、MF大本祐槻選手、MFシマブクカズヨシ選手、FW小見洋太選手らの出番はあるのでしょうか。

大中さんは、山口戦を振り返る中で、「それだけアルベルト監督がやり続けていることが、深く、しっかりとチームに根付いていることの証明でもありますよね」と語っています。出場機会に恵まれなくても、共に練習し成長し続けている選手たちにも、しっかりと根付いているに違いありません。きっと誰が出ても、きっちりと役割を果たしてくれることでしょう。

それにしても、山口戦のゴールは素晴らしかったですね。動画を何度も何度も見てしまいます。始まりは相手GKのフリーキックからでした。DF舞行龍ジャームズ選手がヘディングで前につなぐと、FW鈴木孝司選手が相手と競り合いながらMF高木善朗選手の前へと落とします。高木選手はそれをワンタッチで右前方へと送りました。

高木選手のパスは右足のアウトサイドで蹴っていますから、真っ直ぐではなく野球でいうシュートのようにGKから逃げるように少し右方向に向かって転がっていきます。それに追いついた三戸選手が、飛び出してきた相手GKをワンタッチでかわしてゴールライン近くまで行くと、走り込んできた鈴木選手を確認しながらマイナスのクロスを送り、鈴木選手が右足で合わせゴールネットに突き刺しました。

新潟日報は、鈴木選手のサイド記事を「苦しみから解放され、歓喜の雄たけびを上げた。後半17分、FW鈴木が決勝点を右足でたたき込んだ。ビッグスワンでのゴールは約7カ月ぶり。『点が取れない時期が続いて、僕が試合に出ていることを疑問に思う人もいると思うが、力を示せた。すごくうれしい』と白い歯を見せた」と始め、次のように書いています。

「第30節東京V戦まで、半年ほど得点を奪えなかった。要因の一つが4月に起こした右太ももの肉離れ。約1カ月後に先発復帰したが、状態は上がりきっていなかった。『練習も全力でできなかった』状態で試合に出場し、悪循環にはまった。
 復調のきっかけは先発から外れ、迎えた東京五輪による中断期間。『ゴールを決めなきゃ』と考えすぎていたことに気付いた。『サッカーを楽しもう』。気持ちを切り替え、フィジカル面も鍛え直した。状態を再び上げ、リーグ終盤、先発に返り咲いた」

SNS上でも、鈴木選手のゴールを喜ぶコメントを多く見ました。

えのきどいちろうさんは、新潟日報のコラム「新潟レッツゴー!」で、以下のように綴っておられました。

「みんなアルビは地元チームだから応援しているのだけど、それに加え、選手一人一人の個性に自分を重ね合わせている。山口戦の決勝ゴールは鈴木孝司だった。本拠地でなかなかゴールが決められない鈴木の姿は、勝ち点が伸ばせないアルビそのものや、ウイルス禍で不自由を強いられる自分自身に似ていた。その鈴木がゴールを決めたのだ。拍手が鳴りやまない。最高だ。この一体感があるからスタジアム観戦はやめられない」

鈴木選手は、山口戦の得点を「チーム全体で取ったゴール」だといいます。次も、その次も「チーム全体で取ったゴール」を見たいですね。いや、選手たちはサッカーを楽しんで、絶対に多くのゴールを見せてくれるでしょう。楽しみで仕方がありません。

    ◇     ◇

さて、サッカー女子のWEリーグのアルビレックス新潟レディースのホーム戦が17日にあり、バスケットボール女子Wリーグの新潟アルビレックスBBラビッツは16、17日にホームで開幕連戦を迎えます。バスケ男子もアウェーで連戦と、まさにスポーツの秋満開です。

新潟Lは17日、デンカビッグスワンで午後2時から仙台と対戦します。前節は試合がなかったため2週間ぶりのゲームです。直近のアウェー広島戦では1―1で引き分けて連勝はならず、1勝2分け1敗で現在5位です。

広島戦は、前半21分にFWの道上彩花選手のゴールで先制しましたが、前半37分にカウンターから失点して追いつかれてしまいました。悔しい引き分けですが、道上選手のゴールは圧巻でした。

敵陣での相手スローインから、MF茨木美都葉選手がカットしたボールが道上選手に渡ると、相手DF2人の寄せをはね返しながらゴールライン近くに入り込み、ニアサイドの上の方「ニアハイ」をぶち抜きました。DAZNのハイライトで何度も見てしまいます。道上選手はこれで3戦連発です。17日も期待です。

初めてボランチを務めた茨木選手は試合後、「毎試合チームで振り返りをしているので、今回の試合で出た攻守の課題を練習から改善していけるように取り組んでいきたい」とコメントしていました。17日の相手・仙台は2勝3分けと負けがありません。新潟Lはデンカビッグスワンでは今季最後の試合となります。多くの観客が訪れて選手たちを後押しして、ホーム連勝を飾りたいですね。

うれしいことに、DF北川ひかる選手が女子日本代表「なでしこジャパン」の候補合宿のメンバーに選ばれました。合宿は18日からで、北川選手は「もっとやらなきゃな、という気持ちが強くなった。勝って(合宿に)行ければベスト」と仙台戦に向け集中を高めていたということです(新潟日報)。積極的な攻撃参加で得点、アシストと活躍し、合宿でもアピールして代表に定着してほしいと思います。

   ◇     ◇

バスケットボール女子の新潟アルビレックスBBラビッツは、16、17日に阿賀野市ささかみ体育館で新シーズンの開幕連戦を迎えます。ラビッツは昨シーズン、1勝15敗の東地区6位で4季連続の最下位でした。

今季は、名門・北海道の札幌山の手高校から中村華祈選手、札幌山の手高校から専修大に進み、昨季はアーリーエントリーで新潟でリーグデビューした河村美侑選手らが加入しました。平均身長が170センチを割る高さのないチームですが、「全員バスケ」で飛躍を期すといいます(新潟日報)。

中村選手と河村選手は「低迷する新潟への入団に少し迷いもあった」といいますが、河村選手は「出場選手が固定されない『全員バスケ』に新鮮さを感じた。『ポジションの奪い合いでなく、協力し合う気持ちがチーム内に強くある』」(同)と語っています。うれしいですね。頼もしいですね。

新型ウイルスの影響で昨季は県内でのラビッツの公式戦は開催されず、ホームでの試合は昨年2月23日以来とのことです。開幕連戦の相手のアイシンは昨季は3勝17敗で西地区5位でしたが、今季は元日本代表監督の中川文一監督が就任し巻き返しを図るといいます。

新潟日報の開幕特集で、ラビッツの北川直美主将は「ブースター(ファン)と一緒に戦って勝ちたい」と、チームの思いを代弁していました。東京五輪で女子日本代表は銀メダルに輝きました。さらに女子バスケが盛り上がっていくためには、地方に本拠地を置くラビッツのようなクラブチームが活躍していくことが不可欠だと思います。多くの方が会場を訪れ、大きな声援を送っていただくことを願うばかりです。

一方、男子B1リーグの新潟アルビレックスBBは16、17日に敵地で北海道との連戦です。アルビBBは現在2勝2敗で東地区6位です。10月2、3日のアオーレ長岡での京都との開幕連戦は、初日は敗れましたが2日目は残り3秒の劇的な逆転勝利で初白星を挙げました。第2節の敵地での三遠との連戦は、初戦は77―64で快勝しましたが、2戦目は終盤に追い上げたものの届かず3連勝はなりませんでした。

今回の相手の北海道は開幕4連敗中ですが、ホーム開幕戦で初勝利をと士気は高まっていることでしょう。前節の三遠戦の初戦のように、守備からリズムをつくって勢いに乗り、連勝して新潟に戻ってくれればと思います。

それにしても、新加入のコービー・パラス選手すごいですね。華麗かつ切れ味の鋭いカットインに3ポイントシュート、ダンク、そしてシュートブロック…。動画で見られた方も少なくないと思いますが、彼のプレーを見るためにだけでも会場に行く価値がありそうです。

新加入選手ではほかにも、インサイドで奮闘するチリジ・ネパウェ選手や元NBAプレーやのジェフ・エアーズ選手、帝京長岡高OBの遠藤善選手らのプレーも早く生で見たいと思っています。

今回も長くなってしまいました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?