#12 ギアが「グッと上がった」
相模原戦、やりましたね。とても重みのある、意味ある勝利でした。ここから連勝街道を突っ走りましょう。前回から1か月以上たってしまいました。まず、そこで書いた栃木戦を含め、後半戦を少し振り返ってみます。
〇3―0栃木(22節・7月11日ホーム)
シュート数15―9
得点 高木(12分、31分)、谷口(65分)
先発 小島、藤原、舞行龍、千葉、堀米、高、福田、ロメロ、高木、星、谷口
サブ 阿部、早川、田上、本間、島田、鈴木、矢村
交代 舞行龍→早川、ロメロ→矢村(70分)、星→島田(76分)
谷口→鈴木、高木→本間(81分)
△1―1京都(23節・7月17日アウェー)
シュート数6―9
得点 荻原(京都・34分)、高木(75分)
先発 小島、藤原、舞行龍、千葉、堀米、高、福田、ロメロ、高木、星、谷口
サブ 阿部、早川、田上、本間、島田、鈴木、矢村
交代 ロメロ→島田(45分) 星→本間(60分)谷口→鈴木(77分) 高木→矢村(86分)
△2―2大宮(24節・8月9日ホーム)
シュート数16―5
得点 島田(33分)、中野(大宮・72分)、谷口(94分)、西村(大宮・95分)
先発 小島、藤原、千葉、舞行龍、堀米、福田、島田、ロメロ、高木、本間、谷口
サブ 藤田、早川、田上、高、星、鈴木、髙澤
交代 ロメロ→高、島田→鈴木(64分) 本間→ 髙澤(75分) 藤原→星(80分)
△0―0千葉(25節・8月14日アウェー)
シュート数6―6
先発 小島、藤原、千葉、舞行龍、堀米、福田、島田、ロメロ、高木、谷口、鈴木
サブ 藤田、早川、田上、高、本間、星、髙澤
交代 小島→藤田(55分)、ロメロ→本間(63分)、
鈴木→髙澤、高木→星、谷口→高(78分)
〇2―1相模原(26節・8月22日ホーム)
シュート数14―5
得点 藤本(相模原・29分)、福田(32分)、 谷口(51分)
先発 藤田、藤原、千葉、舞行龍、堀米、高、福田、星、高木、谷口、髙澤
サブ 阿部、早川、本間、ゴンサロ、ロメロ、大本、三戸
交代 髙澤→ロメロ(64分)、高木→本間、高→ゴンサロ(76分)、星→早川(93分)
後半戦に入って5試合、2勝3引き分けで勝ち点は9しか積み上げられていません。残留争いでは、残留を争うチームも負けたり引き分けたりしてくれましたが、昇格争いは違います。ライバルたちは勝ち点3を着実に積み上げてきます。現在3位のアルビは、暫定2位の京都との勝ち点差は4です。しかし京都は1試合少ないですから、昇格圏の2位との差は、現在暫定1位の磐田との勝ち点差=5と考えておくべきでしょう。これ以上離されるわけにはいきません。
さて、後半の5試合のうち、オリンピックの中断が明けてからを見ると、被シュート数を5本、6本、5本と抑えていることが目につきます。平均で5・3本ですが、これは前半21試合の平均6・5より少なくなっています。一方でシュート数は3試合で36本です。1試合平均12本ですが、これは前半21試合の平均8・9本を3本以上も上回っています。
その一方で、3試合で得点4(平均1・3)、失点3(平均1・0)でしたが、前半戦21試合の平均は得点が1・9、失点は0・9でした。まあ、3試合だけをみてそれを傾向というのは乱暴すぎますが、好機を多く作っていながら決めきれず、逆に相手には少ないチャンスを決められているといえるかもしれません。まるで大宮戦そのものですね。
その大宮戦を受け、元週刊サッカーマガジン編集長の平澤大輔さんは、「『強く、うまく』から『もっと強く、もっとうまく』への距離」と題した新潟日報スポーツモアのコラム「Orange Soul」(8月10日)を、次のように締めくくっています。「でも、このままでは「スペイン」にはなれないのだ。勝つためにはもっとうまく、もっと強くなければいけないという、大宮からの強烈なメッセージ」。
平澤さんは大宮戦について、「個々の技術の面はもちろんだし、連係面もそう。選手間の距離がちょうどよくて、中断期間に思考のしこりをうまく解消し、ビルドアップを整理して大事にしてきただろうということがよく分かる関係性だった。試合運びもこちらの思うがままで、勝ち点3が与えられて然るべき内容だった」ほどのうまさに加え強さもあるのに「それでも勝てないのだ。」と書いています。だから「『強く、うまく』から『もっと強く、もっとうまく』」なろうよと。
後半戦も残り16試合となり、昇格争い、残留争いとも一段と激しさを増していきます。中でも今年は下位4チームが降格してしまうため、残留争いはし烈となりそうです。下位チームは死に物狂いで向かってくる。それを大宮が示してくれた。まさに「大宮からの強烈なメッセージ」なのです。
ある意味で、25節で引き分けた千葉も、「安心していたら残留争いに巻き込まれる」という危機感があったかもしれません。そして26節は、大宮と同じく降格圏内にいる相模原との対戦でしたが、先制されながらも、そして逆転してからもヒヤヒヤしながらも、勝利することができました。
◇ ◇
今回#12のタイトルは「ギアが『グッと上がった』」としました。前回の#11は「ギアが一つ上がった」でした。22節の栃木戦で、その前節に大けがから8か月ぶりに復帰した福田晃斗選手が先発出場し、攻守の圧倒的な存在感を示しました。さらにロメロ・フランク選手のけがからの完全復活を示すような働きをみせ、星雄次選手が気の利いたプレーで輝きを増し続けていることから、「ギアが一つ上がった」としたのです。
そして相模原戦を受けた今回は、新潟日報でのフリーライター・大中祐二さんのコラム「昇格原稿を書きたいんじゃ」の8月25日付の回のタイトルと、ほぼ同じにさせていただきました。
相模原戦では前半29分に相模原に先制されましたが、その3分後に福田晃斗選手のゴールで追いつくと、後半早々の51分には谷口海斗選手の得点で逆転に成功しました。この2得点はともに、右サイドのクロスから、ニアサイドで 髙澤優也選手が「つぶれる」形となって生まれた得点でした。髙澤選手は181センチの長身FWで、ヘディング武器です。中断期間中にJ1大分から期限付きで加入しました。大分では星選手と一緒にプレーしていましたし、ムードメーカー的なところもあるみたいですし、今後も期待ですね。
大中さんは「昇格原稿が買いたいんじゃ」で、「アルベルト監督は相模原がゴール前を固めて守る分、サイドにスペースが生まれると予想。そこからのクロスに対して、初先発となったFW髙澤に加え、左サイドハーフのMF谷口がゴール前に入ってきて「2トップ」になる形を1週間かけてきっちり仕込み、見事、その形から2ゴールを奪ってみせた」と書いています。
そして、その上で「昨年も今年も、アルベルト監督は『シーズン折り返しまでは成長段階』と謙虚な姿勢を求め続けた。後半戦に入り、チームスタイルの徹底から、『この一戦』に勝つため、より細部にこだわる戦い方へのシフトチェンジを感じる。大願成就に向けて、アルベルト監督の采配は、より大胆さを増していくだろう」とコラムを結んでいます。
相模原戦ではスタメン、ベンチメンバーが大きく変わりました。今後も戦う相手によってメンバーが大きく変わっていくのでしょうか。
楽しみです