彼はいつも挨拶に成り得るか【MODE MOOD MODE SENTENCE】
MODE MOOD MODE SENTENCE NO.2
Own Civilization(nano-mile met)
この記事は、
ナツ氏主催のリレー記事企画「MODE MOOD MODE SENTENCE」の2番目の記事となります。
是非1番目の記事から繋げてお読み下さい。
また筆者は普段、
動画を作ってベラベラ喋る
事でユニゾン熱を発散しているため、
今回の記事も、
「お話口調」の文になってしまう
ことを予めご了承下さい。
あけましておめでとうございます。
早速ですがMODE MOOD MODEの1曲目である
Own Civilization(nano-mile met)は
何といってもMMMのご挨拶ナンバーでしょう。
そうですよね?
新年の挨拶としてこの曲を自分の音楽アプリで聴いた人も沢山いることでしょう。
いますよね?
曲名の和訳は「自分の文化」。
「我々UNISON SQUARE GARDENはこんな文化で音楽を楽しみます」
という、ある意味所信表明のような歌詞が続きます。
なんか、市長の挨拶みたいでしょう?
(Civilizationの語源は市民を意味するcivil)
ファンクラブもUNICITYなのでなんかちょうどいいですね。
意識してんのかな?
なので、長いこと曲を聴いているユニゾンファンならインタビュー等で話をしている内容ががそのまま歌詞になっていることを、とっくに読み解いていることでしょう。
ファンとなれ合うつもりはない。
こっちはこっちで楽しむから、そっちはそっちで楽しんで。
ねじを巻いたのは僕の仕業
永劫他人の僕の仕業
・・・
差し出された手は嚙み千切るけど
シュガーソングとビターステップで得た栄光だけど、それを得るために音楽をしているわけじゃない。
メダル、トロフィー、邪魔邪魔じゃあまあ 適当に品定め
ライブではMC少なくしたい。MCでのコミュニケーション無しで音楽を楽しめるライブを作れるのが理想。
I shout understand anti communication!
その中でも、所謂、所信表明味を感じる、その最たるものが我々聴者にけしかけている3つの提案
1.ここらでぐらつかせてやろう
2.有体たる流れを変えてやろう
3.僕と君とで遊んでやろう
この提案、MODE MOOD MODE以外の曲にも
その魂が見え隠れしています。
ずっと変わらない意志で音楽を楽しんでいる彼ららしいですね。
で、あれば
他のアルバムの1曲目がOwn Civilizationになったとしても、アルバムとして成立するのではないか
という仮説が立ちました。
ということで、
全アルバムの1曲目にOwn Civilizationを組み込んでみたら、アルバムの完成度はどうなるのだろうか。
という仮説を検証する贅沢な暇つぶしに興じたアホの独り言をお楽しみください。
とはいえ、ですよ。
全アルバムとOwn Civilizationの気持ちいい繋がりをここに全部書いても冗長になるだけです。MMMを抜いても7枚あるわけですから。
なので今回は、
これを読んでる方々に聴いてみてほしい
『Own Civilization 1stトラック アルバム』
を2枚ご紹介します。
Ownを組み込むルールを確認しておきます。
基本的に下の2個のルールのどちらかで組み込んでいきます。
①1曲目にぶち込み、ほかの曲は全く変えない
②既存の1曲目のみ、Own Civilizationに差し替える
アルバムによってはもっといいルールがあるかもしれませんが、今回はこれで。
オススメ1:UNISON SQUARE GARDEN
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1.Own Civilization(nano-mile met)
2.カラクリカルカレ
3.センチメンタルピリオド
4.サンポサキマイライフ
5.デイライ協奏楽団
6.等身大の地球
7.MR.アンディ -party style-
8.WINDOW開ける
9.マスターボリューム
10.いつかの少年
11.箱庭ロック・ショー
12.クローバー
今回はルール①に倣いました。
カラクリ=カルカレ (2010~) さんには今回はド頭ではなく2番目を担ってほしい旨を伝えました。
「古参がいつまでもふんぞり返っちゃいけんわな」
と快諾していただきました。
Own Civilization (2018~) さんにはしっかりとアルバムの挨拶の役に従事してもらいましょう。
このアルバムにおけるOwn Civilizationが、
挨拶として完璧な理由は
1つ目と2つ目の提案
『ここらでぐらつかせてやろう』
『有体たる流れを変えてやろう』
にあります。
なんていったって1stアルバムですから、
カラクリカルカレ~クローバーには、
自分たちの音楽への自信や、若さゆえの世界への挑戦心がありありと注がれているわけです。
2018年
結成14年目。
前作Dr.Izzyでは、シュガソンで釣れた物好き達に目にものを見せた。
そんな中できるだけ発売まで情報を隠し、「分からずやには見えない魔法をもう一度」のキャッチコピーで夜に放たれた7枚目のアルバム。
そのド頭に聴く
『ここらでぐらつかせてやろう・有体たる流れをかえてやろう』
2009年
結成5年目。
インディーズでのミニアルバム2枚、メジャーデビューからシングル2枚。
着々とファンを増やしつつあり、人気も出てきた頃だが、まだまだ世間の認知は薄い。
そんな中でもやりたいことは自分たちの音楽を楽しむことだと、満を持して自分たちのバンド名を冠したアルバムを世に放った。これが俺たちだ。
そのド頭に聴く
『ここらでぐらつかせてやろう・有体たる流れをかえてやろう』
聞こえ方が全く違いますね。
でもかっこいい。
(ホントの1曲目はカラクリカルカレだけどね)
OwnがUSGに組み込まれると、若さゆえの尖りとイキりが図らずも混ざってしまう感すごいけどそれもまた良し。
差し出された手は噛みちぎるけど
そりゃそうだ14年目の田淵が書いてるんだもの。こんなこと5年目では言えない。
でも言っててもおかしくないんですよね。
前を向け弾道ランナー 金メダルはいらない
愚かなこの世の不条理に
言わせたい、ぎゃふんと言わせたい
昨日食べようとして水浸しの
お米は炊かないまま捨てた
嫌いなんだよ 媚びんの
全てのストーリーを流線形にしたいくらい
溢れ出す風景をステージ そこに見たいくらい
1stアルバムの時点でOwnで語られるような、
強いながらも余裕のある信念が既に見え隠れしています。
ずっとこの信念で曲を作り、ライブをしてきたのでしょう。
まあ、デイライで炊かないお米は捨てるんですけどね。
Ownで語られる新米と備蓄米は、今から炊くお米ですから、ユニゾンを楽しむファンたちは捨てられないと信じましょう(信じましょう)
少し目線を変えると、
また違う繋がりを感じられるラストトラック『クローバー』
君がここにいないことで
あなたがここにいないことで
回ってしまう地球なら 別に要らないんだけどな
この曲は、3つ目の提案
『僕と君とで遊んでやろう』
に通ずるものがあると感じます。
君がいないと遊べない。楽しくない。
君を「音楽を楽しむ聴き手」と捉えても良いですし、
君を「音楽そのもの」と捉えても気持ち良いかもしれませんね。
オススメ2:Populus Populus
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1.Own Civilization(nano-mile-met)
2.kid, I like quartet
3.プロトラクト・カウントダウン
4.きみのもとへ
5.僕らのその先
6.スカースデイル
7.ワールドワイド・スーパーガール
8.CAPACITY超える
9.場違いハミングバード
10.カウンターアイデンティティ
11.未完成デイジー
12.オリオンをなぞる
13.シュプレヒコール 〜世界が終わる前に〜
今回はルール②に倣いました。
Populus Populusの挨拶役でいつもお世話になっている3 minutes replay (2011~) さん には今回、お休みをとってもらっています。
なにせ挨拶が長くなってしまうと、アルバム全体の完成度を損ねる可能性があります。
3 minutes replay さんに、今回はOwn Civilization (2018~) さんに挨拶を任せたいという旨を伝えたところ、
「このアルバムで挨拶が長いのは無いですね、いいですよ。」
と快諾して下さいました。
この場でお礼を申し上げます。
さて、このアルバムにおけるOwn Civilizationが、
挨拶として完璧な理由は3つ目の提案『僕と君とで遊んでやろう』にあります。
What I tell you is just "that is it, as you like."
止まらない君の涙が悔しくて 僕は走り出す
…
走るよ、君の涙が止まるまで(we met)
突き刺さる君のぬくもりが 嘘つかず僕の心臓を打つ
君がいない世界ではきっと 明日も明後日も泣いているよ
夕方5時のベルは遥か昔話
子供の頃の僕 みたいだよなあ
君が通り過ぎた 踏み出した僕 思い切って
なんだかフラッシュバック
握りしめた君の手を
僕は離さない
このまま消えない地図を
二人歩いていこう
ああ 僕はまたつまらないことで
君を泣かせたりしてるの
いつか僕も死んじゃうけど それまで君を守るよ
…
君が先に死んじゃっても それでも僕が守るよ
僕・君の物語がこんなにもたくさん。
歌詞に少し出てくるくらいならよくありそうなのですが、曲名にも使われるほど強く漂う『僕と君』のテーマ性。
君と僕をどんな風に読み取っても良いんですよね。
僕と君とで遊ぶことができるじゃあないですか。
私はこんな感じで聴いてますよ。
この僕と君の物語を。
君=悩める音楽を聴く者
喜怒哀楽の感情と音楽で人生楽しんだ方がいいよと笑い飛ばす「kid, I like quartet」
泣いている者の味方になる…ようなふりして自分(僕)の世界への思いを吐き出す「プロトラクト・カウントダウン」
ハミングする鳥と謙遜しながらも良い音楽を約束する「場違いハミングバード」
君=目指す音楽
・心臓に弾丸を打たれたような衝撃の音楽に追いつきたい「きみのもとへ」
・絶対に違うけど、小さい頃に聴いた音楽への思いを歌っている…と考えるとなかなか良い感じの「僕らのその先」「スカースデイル」
あ、全部私の読み取りなので悪しからず。
その日によって読み取り方が変わる程度の気持ちで聴いています。色んな聞こえ方した方が楽しいので。
これ以外の「君と僕」を考えるのも「君と僕とで遊ぶ」ことになりますからね。いいねえ。
ちなみに、未完成デイジーは、田淵が「最後に作ったJPOP」と自負している曲と言われていますので、単純に人生を共に歩む二人の物語なのでしょう。
このアルバムは「僕とあなた」が印象的に聴こえるアルバムでもあります。
注目はラストトラックの『シュプレヒコール~世界が終わる前に~』
古いレコードを聴いていた 不器用に自由を歌うロックンローラー
そんなものに憧れながら でも今世紀には今世紀のやり方がある
…
あなたの名前を呼ばなくちゃ
世界が終わる前に
この曲は、1つ目・2つ目の提案
ここらでぐらつかせてやろう
有体たる流れを変えてやろう
に通ずるものがあると感じます。
言葉ではなく雰囲気で。
少し後ろ向きな、感傷的な歌詞ですが…、根底には「自分たちの音楽を楽しんで、世界に目に物見せる」という信念が垣間見えます。
このOwn入りアルバムをループすると、シュプレヒコールの次にOwnを聴くことになります。
シュプレヒコール時に感じていた今世紀のやり方を、ついに見つけてOwn Civilizationで所信表明という流れ、なかなか綺麗ではないでしょうか?綺麗ですねぇ。
1.ここらでぐらつかせてやろう
2.有体たる流れを変えてやろう
3.僕と君とで遊んでやろう
この3つの提案に対する3人なりの答えは、
後ろに続くMODE MOOD MODEの曲達にちりばめられています。
もちのろん。言うまでもないですが。
どう考えてもMODE MOOD MODEでのOwn Civilizationが一番輝いていることは明らかです。
だからこれは暇つぶしです。かなり贅沢な。
思いもよらない曲同士のつながりを見つけるという趣味、最高です。
何がいいって自分一人で完結してるのが良い。
誰に話したところで所詮自己満なのがとても良い。
これが私だけの文化です。
こんな独りよがりな文化ですが、誰かがそれに触れることで、少しでも触れた人の文化が広がっていったらとても良いですよね。歌詞読み取り、楽しいっすよ。
あと褒められると嬉しい、陰キャなんで。
主催のナツさんにこの場で感謝を。
いつもありがとうございます。今後もよろしくお願いします。
今回の文章リレー企画「MODE MOOD MODE SENTENCE」
ナツさんの企画力には脱帽です。
この企画はいわゆる一瞬の盛り上がりでとどまるものではないです。
今後新たにユニゾンを知る者たちが、
より遠くへ、より深くへ進む道標となるでしょう。
1.夢が覚めたら(at that river)
2.Own Civilization
3.
次回、どのように記事が繋がるのか、楽しみです。
それではっ。
おまけ
以下、ほかのアルバムを聴きながら書いたメモから抜粋です。参考までに。
2nd
メッセンジャーとバッチリ最高
大さじと小さじの間のきもちいいところ 良い
civilizationはJET.COと激合う
civilizationの挨拶からJETの頃の尖りが見えるのホントに良い。
この音楽が俺たちの文明だと言わんばかりのスタート良い
4th
to the cider roadが強すぎる。チェンジせざるを得ないか。
というかサイダロは他の曲入れる余地がねえな、もう少し本腰入れて読み取らんと無理や
5th
シューゲイザースピーカーとの繋がりはかなり良い。
サイレンインザスパイはアルバム名言ってるのもあってかなり挨拶感強いから流石にチェンジか。
instant EGOISTとOwn超強いな…。
ここら辺からはライブでも共演あり得るのか、聴きてえ。
6th
エアリアルくんごめんぬ…。
アトラクションが始まるはかなりアツイ。
「ぼくときみとで遊んでやろう」がバッチリ。
cheap cheapで突き放すのもかっけえなおい。
8th
Hatch強いな…。
ん~~~MMMとは意識して雰囲気変えてるからなあ…。この2曲つなぎめっさかっこいいけど歌詞は繋がりづらい。ごちゃっとしてるが故の…だなぁ。
全部聴いてみて
案外全てのアルバムで合うわけでは無かった。序盤のアルバムの方が合ってた。
え?Ownって2018年の曲ですよね?古い曲と合うってどゆことだよすげえな。
かっこよ〜。ライブで聴きて〜。kaleido円盤見てえ。終わり。