俺は変われるのか【舌癌編】11
新主治医の診察から一週間後、入院が決まった私は再び東北の病院へ赴くのだった。
今回の東北路は私一人。
久々の新幹線で向かうのだった。
妻は上野駅のホームまで来てくれた。
新幹線が到着して私は乗り込む。
閉まったドア越しに妻は泣いていた。
もしかしたら今生の別れになるかも…
もしかしたら妻はそんな思いを持っていたのかもしれない。
新幹線が出発し、暫くしたら大宮駅に到着。
電車の速度は大して出ていないようにみえたが、思ったより早く到着した。
新幹線の搭乗前、私は上野駅の書店で本を買った。
「がん外科医の本音」
何故か書店の見やすい場所に置いてあったこの本を私は自然と購入していた。
郡山駅に到着する直前まで、この本の半分を軽快に読んだ。
郡山駅到着のアナウンスと同時に、作者欄を見て私はビックリした。
作者は、私が入院する病院の外科医だったのだ。
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