俺は変われるのか【舌癌編】13
翌朝ホテルを出て、目と鼻先の病院へ。
泊まったホテルを含めた病院の関連施設は比較的新しいが、私が入院する病院は「本館」と呼ばれていて、やや古い印象であった。
受付で手続きを済ませ、入院する病棟へ。
私は予め一般病床を希望していたが、どうやら一杯のようで初日は個室となった。
荷物を整理したり、妻や同僚などにメールなど色々していたら、若くて背の高い男の先生が部屋に入ってきた。
私は身長が181センチ程あるのだが、その先生も同じ位の背丈で、しかもイケメンである。
(しかも医者とくれば、そりゃモテモテなんだろうなぁ…)
その先生からは、今後のざっくりとした治療計画や、動注化学療法の際に使用する、抗がん剤解毒用カテーテルを腕に留置する処置の説明も併せて行われた。
話によると、そのカテーテルは左腕から左鎖骨付近の静脈合流点まで挿入され、更にそのカテーテルは入院予定の2ヶ月間、ずっと血管内に留置するというのだ。
それから数時間後、そのカテーテル留置の処置がイケメン先生(以下、若先生)によって行われた。
初めての事なのと、若先生による処置なのでやや不安だったが、若先生は処置をテキパキこなし、心配は無用であった。
てか、そもそも「覚悟の入院」だったので不安もクソもない。
俎上の鯉、何でもござれだ。
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