【絶妙なクズ彼氏がリアル】ずっと独身でいるつもり?をみました
みました。言いたいこと、書き留めておきたいこと、刺さった部分がたくさんすぎたので、書いておこうと思って。以下めっちゃネタバレを含みます。みていない人は、アマゾンプライムでみてからまたきてね。みる予定なかった人は、このまま読んでみてね。
いやあ。見る前から、"田中みな実さんをはじめ美しい人たちを拝めるキラキラ映画で、独身女性のあるあるが描かれてているんだろうな~"ってくらいには思ってたんですけど、想像よりだいぶ強いパンチで殴られました。
まず配役が神がかっている。
この役が田中みな実さんで本当によかった!「今の」田中みな実さんでさらによかった。
まずこの映画の田中みな実さん、ちょっと気怠い感じのお芝居で始まるんですよね。仕事もしっかりしてる、彼氏もいる、美も保っている、だけどきゃんきゃんしてないし、30代後半らしい人生への虚無感が隠しきれない感じ。
冒頭、自分に対するアンチコメント見て、スマホに冷めた目して「ヒマですね〜。」って言ったシーン、あれたまらんかったわ。身なり綺麗にしてたってみんなこういう闇持ってんだよ、という。あるよね。そういう時なんか自分でもびっくりするくらい野太い低〜い声出ちゃう。田中みな実さんがそのお芝居をする事に震える。そこがリアル。
あと、個人的にずっと大好きな山口紗弥加さんの役柄もね。主人公と同じく独身女性なんだけど、もうあちらは振り切ってるんだよね〜。言動やファッションや立ち振る舞いから、独身であることや、仕事に生きること、今後も一人かもしれないっていうことを受け入れて、日々を心から楽しんでる。そんでしっかり美しい。ああいう人いるんだよな。あの人がいるからこそ、まだそこまで振り切れていない"本田まみさん"の葛藤が活きてくるわけで。あの対比すごくよかったなあ。
余談ですが山口紗耶香さんにデキる女の役させたら、最高なんですよ。(だけど今、普通の主婦が年下くんと不倫に走りそうなドラマやってる。こっちは幸薄めの"普通の主婦"やってて、男慣れしていなくて、自己肯定感の低そうな女性を演じてる。高低差)つまりこれからもついていきます大好きです。
話が逸れましたが。
あの彼氏が、絶妙〜に"結婚したら苦労する男"でして。この人の存在がリアルなんですよ。
あんなに綺麗でかわいくてお洒落で空気も読める本田まみさんに、”ああいう”彼氏がいることで、つまりこれまでもまともな恋愛していなさそうな空気を読み取らせる。よく見るとその理由がわかるシーンがちょこちょこ挟まっていて、元恋愛依存尽くし体質人間のわたしは心が苦しかったです。笑
何気ないシーンだけど、本田まみさん、彼氏の部屋にいるとき、いつも自然とその辺にある彼氏の洋服たたんじゃうんですよ。(おかんになってる)会話しながらもせっせと片付けようとしたり。ほんで、料理とか「今日は俺がやるよ」って言われてもすぐ「いやいや手伝うよ」って言っちゃう。(ありがとう〜!って言って甘えていいんだよ)3時間もかかる彼氏の料理に対して何も言わずに待ってあげちゃう。(なんかちょっと不味くても貼り付き笑顔でおいしいよって言う)
尽くし体質のオンパレード!
この彼女にしてこの彼氏!という感じだった。この脚本家さん、絶対過去に彼氏沼ハマって尽くしまくったことあるでしょ!握手しようぜ!
絶妙なクズ加減の彼氏。
いるわこれーーーー!って叫んだわ。
あの感じの男って、ちゃんと彼女のことは好きなんだけど、その「好き」の解像度が微妙に低くて。それって実は「彼女を愛でてる自分のことが好き」なんだよね。「プロポーズする自分が好き」「ちゃんと彼女の親に挨拶にいく自分かっこいい」、でも目の前の彼女のことがちゃんと見えていない。寄り添えてない。
「笑顔でいてね」「笑顔の君が好きだよ」「その服老けて見える」っていう、彼が見てるのはいつも、彼女の外側だけ、なんですね~~(いるわ〜〜)絶妙なクズ。でも別れるほどではない。みたいなね。
いやあ、こういう人に違和感をちゃんと持てるような人間でいたいです。その絶妙なクズ感を演じた稲葉友さん、ドンピシャでした、ありがとうございます(?)
だからね、プロポーズ後からだんだんと「この人といたら"結婚"自体はできるけど、既婚者にはなれるけど、それでいいのか?」って考えるようになってくる、田中みな実さんのお芝居、表情、彼氏にだんだん嫌悪感が出てくる感じ、すばらしかったです。あ〜捨ててやったときはスカッとした!
この映画、見てる人の現状や立場によって視点が別れるんだろな。結婚も頭の隅にありながら一人でも生きていける独身女性、「男なんて」って思いながらツイッターで愚痴を書く女性、結婚して子供もいて順風満帆に見えるけど悩んでる女性、パパ活女子。
なりたい自分、なりたくない自分、それぞれみんな違うよね。今のわたしが、一番不憫に見えたのが、旦那も子供もいるけど孤独で、美容院も行けないって笑ってる主婦さんだった。一番、「こうなったらキツイな」って思えて、こんな風になるなら結婚しなくていいって心から思ってしまった。
でも、家でひとりでツイッターにアンチコメントするくらいなら、絶対的味方である家族がほしいって思った人もいるんだろうし、本当に人それぞれ。誰かに賛成したり反対するものじゃなくて、自分の考えを見つけていくんだろうな、何事も。映画の中でもそうだったね。
いろんな媒体で「幸せにはいろんな形があるよ」て言われると、「いや、みんなが幸せ感じてる前提で言わないでくれる?」って思うときあるじゃないですか。今ちょっと自分キツイ時とか、特に。
でもこの映画、「どんな立場でも幸せなんだよ」じゃなくて「どんな立場にも孤独はあるよ」って言っているようで。最後の田中みな実さんの晴れやかな「私は、幸せです」がたくさんの意味を含んでいるようで、泣けた。
田中みな実さん演じる本田まみさんの、やっと言えた"本音"に痺れたので書き残します。
結婚してないと人として欠けてるって見られたり、自分が知らない仕事はバカにしていいって風潮、こっちが苗字を変えて当たり前、子供ができることも当たり前?久しぶりに会った人にいきなり「結婚は?」ってプライベート聞かれたり、趣味を語ったら「そういうことやってるから結婚できない」って言われたり。着ている服や住んでる家、メイクへのこだわりを見て「そういうのは結婚を遠ざける」っていうありがたいアドバイス。一人でいるのはかわいそうとか、ありがとうございます けど うるせえよ そんなこと、私が一番考えてます ー引用「ずっと独身でいるつもり?」ー
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ああみてよかったな~
アマゾンプライムで、ぜひ。