ヴィナッチャ制作のマンドローネに関する調査と妄想
本エントリは マンドローネ Advent Calendar 2020 の25日目の記事です。
本企画の言い出しっぺの石川です。
最終日なので余韻の残りそうなネタで行きます。
実は今年のアドベントカレンダーには隠れテーマがありました。
察しの良い方はお気付きかもしれませんが「国内にあるヴィナッチャ制作のマンドローネを全て紹介する(したかった)」というものです。
今回は、これまで紹介できていない楽器を2本紹介いたします。
フラテッリ・ヴィナッチャ 1928(石村隆行氏所有)
マンドリニスト石村隆行氏が所有する楽器です。
自分もフィロドリーノ在籍中に数年間お借りしましたが、素直にまろやかな音の出る素晴らしい楽器でした。ネックは細身、指板は軽くアールの付いたカマボコ型、ヘッドはローマ型。全体的にシンプルな造形です。
なお糸巻きはオリジナルを模した特注品に換装済みです。
この楽器に憧れて、自分の楽器を作るときにはいろいろ注文したのを思い出します。
フラテッリ・ヴィナッチャ 1927(SMD所有)
実は同志社大学マンドリンクラブ(SMD)には秘蔵のヴィナッチャがあります。同志社大学マンドリンクラブ百年誌によると…
この文章はいつのどなたの記憶で書かれたものなのでしょうか。
どことは言いませんが誤解が多いです。
ラベルは… 撮り損ないました。すみません。半分だけどうぞ。
自分が現役の頃には部室の隅にひっそりと立てかけられていました。近年、サイド楽器の大野が大修理に出払っている間に現役生が弾いていましたが、全力でトレモロしたときにサウンドホールの奥からヴィナッチャの片鱗を微かに感じるような… 控えめで奥ゆかしい楽器でした。
誰ですか ヘナッチャとか 枯レッチャ って呼んだのは。
それにしてもボーン製のマンドローネが気になりますね。
幻のヴィナッチャ
今年紹介できた楽器を製作年順に並べてみます。
ガエタノ・ヴィナッチャ 1907(エルマノ)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1922 ライオンヘッド(近藤氏)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1924 ライオンヘッド(OST)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1925(加藤氏)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1925(OST)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1927(加藤氏)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1927(同志社大学マンドリンクラブ)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1928(石村氏)
フラテッリ・ヴィナッチャ 1931(神戸大学マンドリンクラブ)
実はこれ以外にあと2本のヴィナッチャの存在が確認されています。
(密かに今年のカレンダーに…? いったいどこにあるんだ…)
というわけで、日本国内で少なくとも11本のヴィナッチャ制作のマンドローネが観測されていますが、11本ってちょっと半端ですよね。
どこかに12本目、隠れていませんか?
12本揃ったら、どんな願いでも1つだけ叶ったりしませんか?
情報求む。
追記:情報いただきました。
https://note.com/oqzl/n/na309d90e5556
まとめ
昨年より企画しましたマンドローネ Advent Calendar、今年も無事に完走することができました。
無茶振りに快く答えていただいた同志の皆様、ありがとうございました。「マンドローネの集い」 もよろしくお願いいたします。
それでは、良いお年を。