第10回IVR認定放射線技師試験問題 Ⅰ臨床概論
IVR認定放射線技師の過去問はありますが、答えと解説が掲載されていないため作成しました。あくまでも自分で調べ答えや解説を導きだしたものなので自己責任でお願いします。
問題 1. 心臓の正常構造として正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 肺動脈弁は 2 尖弁である。
2. 肺静脈は左心房に4本還流している。
3. 左心室の心筋は右心室の心筋より薄い。
4. 三尖弁の構成は前尖、中隔尖、後尖である。
5. 大動脈弁は左心室と乳頭筋で繋がっている。
解答 2、4
1&4僧帽弁は前尖、後尖。大動脈弁は左半月弁、右半月弁、後半月弁。肺動脈弁は左半月弁、右半月弁、前半月弁。2尖弁なのは僧帽弁
3.LV圧のほうがRVより高い為心筋も厚くなる。
5.僧帽弁と三尖弁は乳頭筋と繋がりがあり、心室から心房の逆流を防ぐ。大動脈弁と肺動脈弁は3枚の弁で逆流を防ぐ。
問題 2. 心電図所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 心房細動 – 異常 Q 波
2. 房室ブロック – ST 低下
3. 急性心筋梗塞 – ST 上昇
4. 労作性狭心症 – PQ 時間延長
5. 亜急性心筋梗塞 – 陰性 T 波
解答 3、5
1. 心房細動 – p波消失、f波が認められ、PR間隔が不整
3. 急性心筋梗塞 – 発生数時間から12時間以内にST 上昇
4. 労作性狭心症 – 主にST変化が出現する。PQ 時間延長は房室ブロック等
5. 亜急性心筋梗塞 – 半日から数日の間に陰性 T 波出現
問題 3. 刺激伝導系で正しいのはどれか。
1. 房室結節→洞結節→左脚/右脚→ヒス束→プルキンエ繊維
2. 洞結節→房室結節→ヒス束→左脚/右脚→プルキンエ繊維
3. 洞結節→ヒス束→房室結節→プルキンエ繊維→左脚/右脚
4. 洞結節→房室結節→左脚/右脚→ヒス束→プルキンエ繊維
5. 洞結節→プルキンエ繊維→房室結節→ヒス束→左脚/右脚
解答 2
洞結節で生じた電気的興奮が心房筋に伝わり、心房を収縮させる。また、心房からの電気的興奮は房室結節に伝えられ、ヒス束、プルキンエ線維など心筋を通って、心室筋に伝わり、心室が収縮する。
問題 4. Forrester 分類について正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. Forrester 分類は 5 つに分類される。
2. 正常な心係数は 2.2 L/min/m2以下である。
3. 縦軸に肺動脈楔入圧、横軸に心係数を表す。
4. 正常な肺動脈楔入圧は 18 mmHg 以下である。
5. 肺動脈楔入圧と心係数の関係より心不全の重症度がわかる。
解答 4、5
肺うっ血の指標として平均肺動脈楔入圧18mmHg、末梢循環不全の指標として心係数2.2L/min/㎡を基準とし、4群に分類する。心係数の正常範囲は3.5±0.7[L/min/m2] 、正常な肺動脈楔入圧は4~12[mmHg]。
問題 5. 心疾患に対するカテーテル治療の組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 僧帽弁狭窄 − PTMC
2. 大動脈弁狭窄 − TAVI
3. 拡張型心筋症 − PTSMA
4. 心室中隔欠損症 − ASO
5. 腹部大動脈瘤 − TEVAR
解答 1、2
3. 拡張型心筋症はCRT、心臓移植。PTSMAは閉塞性肥大型心筋症
4. 心室中隔欠損症(VSD)は保存療法。ASOは心房中隔欠損の治療
5. 腹部大動脈瘤はEVAR。TEVARは胸部大動脈瘤
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