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オプションっていつでも行使できるの?

図9

オプションには期限がある

物を所有している所有権には期限はありません。時間たったら所有権が消滅するということはありません、永遠にその人のものです。

一方で例えばお金の貸し借りを考えてみてください。通常は金銭消費貸借契約を結びます。そこに書かれていることは「誰と誰が」「いくらを」「いつまでに返す」ということが記載されています。オプションも同様に「いつまで」ということが決まっています。コールオプション=買う権利、プットオプション=売る権利ですが、いつまでも買う権利や売る権利が有効というわけではありません。

前回、「日経平均を29,000円で買う権利」を「29,000円のコールオプション」という説明をしました。実はこのコールオプションもいつでも好きな時に買える権利ではありません、その権利には有効期間があるのです。ここで「限月」という用語を覚えてください。普段使わない用語ですね。「限界の月?」「何月かわかんないけど月のこと言ってるのかな?」と思う人が多いと思います。限月とは

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のことを指します。例えば「29,000円コール、限月は2021年8月」というのは「2021年8月期限で29,000円で日経先物を購入できる権利」ということを意味します。ちょっと長い言い方になってしまうので、通常はもうちょっと省略して「2021年8月限、29,000円コール」といいう言い方をします。もっと短い言い方をすると「8月限290コール」ということがあります。また上の例の29,000円のことを「権利行使価格」といいます、併せて覚えておいてください。

期限って具体的にいつなの?

2021年8月限というのは「2021年8月期限」と書きましたが、ずいぶんと幅広いですよね。8月期限といいますが具体的にいつなのでしょうか。「8月末日まで」「8月中いつでも」「8月1日」etcいろんな意見があると思いますが、実は規則で決まっています。

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例えば2021年8月限の具体的な期限ですが、2021年8月の第二金曜日は2021年8月13日になりますので有効期限は2021年8月13日となります。ただし実務的には2021年8月13日はオプションの売り買いはできません。売り買いができるのは有効期限日の前営業日までと決まっています。

いつ権利を行使できるのか?

この前から「コールオプション=買う権利」「プットオプション=売る権利」と説明をしていますが、例えばコールオプションを持っている場合、買う権利を持っているわけです。期限は決まっているという話はしましたが、期限内いつでも買う権利を行使できるのでしょうか。

いつ権利行使できるのかという点について、実はオプションには2種類にわけることができます。

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例えばお金を貸した場合、返済期日を2021年8月13日とした場合、その日までならいつでも返してもいいのか、それとも2021年8月13日ぴったりの日に返済する必要があるのか、という違いでしょうか。それでは日経平均オプションはどちらかというと、日経平均オプションはヨーロピアンタイプです。例えば2021年8月限29,000円コールを持っている場合、2021年8月13日までのいつでも日経平均を29,000円で購入できるわけではなく、有効期限の最終日にしか権利を行使することはできません。

トレードの方法はどうするの?

「それじゃあ権利持っていても無意味じゃん。権利を行使できないなら、期日までどうすりゃいいの?」っていう疑問があるかと思います。トレードの方法としてはおおまかにいって以下の2つの方法があります

図8

1.のやり方は通常の株式トレードと同じですね。買っていたら売って決済、信用取引のように売りから入っていたら買い戻して決済ということになります。

2.のやり方ですがオプションはヨーロピアンタイプですので、有効期限最終日に権利行使が行われます。この処理については複雑な点もありますので、後日もう少し具体的に説明いたします。今はオプションの決済の方法は大まかにこの2つの方法があるとだけ覚えておいてください。

ちなみに、精算が行われる有効期限最終日のことをSQ日といいます。SQとは(Special Quotation特別精算)の略です。株式投資を行っていると、「今日はSQ日だから相場が荒れるかも」という話をきいたことがあるかもしれません。SQ日はオプションや先物の決済日となり、思惑もあって相場が動きやすいといわれています。これについても後日ご説明いたします。

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次回は実際のオプショントレードの内容について説明できればと思います。

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