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前口上 オプトのスイッチ主筆、すずきともゆきの自己紹介。
この場でやろうとしていること、その説明と自己紹介を兼ねてまずは、主筆として僕の、企業経営やマーケティングに関する認識を書いておこうと思う。
Wikipediaによると学問としての経営やマーケティングの歴史はたかだか100年ちょっと(らしい)。
少なくとも、哲学や数学、物理学などと比べればその歴史は浅く、学問としてまだまだ発展途上であることは確かだろう。
それでも、企業活動をよりよくしていく上で経営学やマーケティングの学問上の発展は重要である。
これが僕の大きな関心ごと。
そして、現実社会において企業の舵をどう切っていくのか、日々判断を求められる立場にある経営者は今、デジタルというものをいかに企業活動に組み込んでいくのか、に関心が強い。
僕が所属するオプトは、ダイレクトマーケティングにおけるデジタル活用を強みとして成長してきた企業なので、デジタルに対する経営者の関心の高まりは追い風である。
結果、ダイレクトマーケティングだけではなく、マーケティング全般や経営に関わる相談も多く、それに応えるべく事業範囲を拡大していっている。
もともと、広告畑を歩んできた僕は、広告を通じて人の気持ちや行動に影響を与えることができることを知っている。どうすれば人の気持ち(認識)を変えることができるか、これまでしなかった行動を新たに起こしてもらうためにはどうすればいいか。広告会社にいながら扱う対象は広告にとどまらず企業活動全般へと広がって行き、試行錯誤した経験は、やがて知恵へと昇華していく。そしていまオプトに所属しながら、改めてマーケティングや経営学を学び直すと、そこで得た知識は知恵と合わさり明確な信念へとカタチを変えていく。
よりよく生きるために僕がしていること。
学び、試し、成功したり失敗したりと経験を積んでいく。経験は学びとなり、新たな試みへと繋がっていく。疑問を持ち、調べ、解決するとまた新たな疑問が浮かんでくる。
そういった日々の営みは、すべての企業にも当てはまることではないか。
僕がどう生きていくかを考えることと、企業が社会にどのように存在し活動していくのかを考えることは、極論すれば、同じようなことである。
そんな僕だから、経営者のデジタルに対する関心の高まりのおかげで受ける相談にも、デジタルありきで考えることはしない。
当然、今の世の中で企業活動をどうしていくかを考えるには、デジタルのことを無視するわけにはいかない、だから結果として扱うけれども。
そもそも企業がどう生きていくのかを決めるのが経営の役割で、現実社会の中で企業がどのような振る舞いをするかを定め実際に行動することがマーケティングの役割と認識しているので、デジタルが主語になることはあり得ない。
そして、どう生きるべきかを定めることはできても、どう生きていけばいいのか、の問いには正解はないように、企業がどうしていくべきかを定めることはできても、どうしていくべきかの問いに正解はない。
あるのは、意志と、意志に基づく活動と、それによって生まれた結果のみ。
だから正解を求められても答えられない。でも、よりよくしていくためにどうすべきかには答えられる。
冒頭に学問は重要と書いた。重要ではあるが、それだけでは充分ではない。
現実社会で生きていくには、理論だけでは対応できないことは山のようにある。
わからないことが、まだまだたくさんある。
だからこそ学問は重要だと言える。
わからないことのうち、学問が数パーセントでもわかっていることを与えてくれさえすれば、うまくいったのか、いかなかったのか、その結果がどうであれ、次にどうすればいいのかの糸口を、その数パーセントが教えてくれるから。
経営学者の楠木健さんが著書『ストーリーとしての競争戦略』で書いた様に、「理屈じゃないから理屈が大事。」なのである。
そんな実務家の立場から見た、経営やマーケティングに関して、今気になっていること、課題意識そのものや、それを受けての取り組みの紹介などを、僕や僕の仲間たちが、ここに記載していく。
これがオプトのスイッチの目的。
そして企みはいくつかある。
ここに書かれていくことが、読んでくれる方たちの心や脳に蓄積していき、やがて企業経営やマーケティングに対する認識が変わっていく(スイッチする)ことを企んで。
そんなことを書いていく僕らの存在が、オプトという企業の認識を(いい意味で)変えていく(スイッチする)ことも企んで。
何より、ここに僕らが書いていく行為そのものが、より良い企業活動のあり方、経営学やマーケティングに関する新たな理屈を生み出すこと(自己開発のスイッチ)を企んで。
カエサルは一つのことを、ひとつの目的のためにはやらなかったのである。
天才が天才と言われる由縁はここにあり、そんな天才にあやかれることも目論んで。
オプトのスイッチ、はじめます。
すずきともゆき