colaboの「タイヤ購入費」は「タイヤ交換費」だったのか?
「タイヤ購入費」が「タイヤ交換費」だったとのcolabo弁護団の説明に関して、都への報告時期を明らかにするための開示請求を行った。先日「当該文書なし」との回答を得たので、タイヤ購入費についてこれまでの経緯を振り返ってみる。
Ⅰ タイヤ購入に関する不正疑惑の経緯
令和4年10月29日にタイヤ購入に関するcolaboの不正疑惑が表面化した。その根拠はcolaboが東京都に提出した事業計画書及び実施状況報告書であった。疑惑表面化後から現在までの議論等の推移を整理する。
(1)時系列での整理
タイヤに関する情報・イベントを時系列で整理すると以下のとおりである。
colaboが都に提出した事業計画書及び実施状況報告書の情報(=タイヤ不正疑惑提起時点の情報)からは、タイヤ購入を計画して支払いを受けたとしか読み取れない。
(2)都が「タイヤ購入はない」と認識した時期
契約上、colaboは提出した事業計画書に則って事業を実施しなければならない。また、計画に変更がある場合は都との協議が必要な契約と解される。このため、「タイヤ購入費でなく交換費として使用した」を東京都が認識したのが履行期間中なのか否かが重要なことから、弁護団資料補足2が示す東京都報告について開示請求を行った。その結果、colaboから実施状況報告書の訂正に関する報告はなかったことが判明した。なお、「報告は文面による」ことが契約で取り決められている。
2月28日の福祉保健局の再調査ではタイヤ購入の誤記があったと報告されており、都がタイヤ購入がなかったことを正式に認識したのは再調査期間である令和5年1月~2月ということになる。
(3)都と弁護団の認識のズレの原因
12月3日時点で弁護団は説明資料に添付の車両関連費を都に報告し、「都もタイヤ購入はなかったと認識している」としている。このため、公開されている説明資料の添付が都から開示されることを想定していたが、「ない」との回答であった。11月末にcolaboが車両関連費のリストを都に提出したのは事実であろう。しかしながら車両関連のリストの提出のみで「実施状況報告書の訂正」についての報告はなされてなかったのであろう。
(4)令和2年度の「タイヤ購入費」
令和2年度は冬タイヤ購入及び交換費用を計画すると共に「冬タイヤ、交換費用」の支出があったと実施状況報告書に記載している。文書からすれば冬タイヤの購入もあったと解釈するのが普通であろう。しかし、タイヤ購入費は発生していない。平成31年度は全く同じ表記でタイヤ購入及びタイヤ交換の支出がなされている。令和2年度も誤記とするのであろうか。
Ⅱ 東京都・colaboの事後の取り繕い
colabo及び東京都(監査含む)は、事業の履行期間外かつ暇空氏の不正疑惑提起後に示した新情報によって、提出済み資料を否定する論理をとっている。このような事後の取り繕いの問題点等について整理する。
(1)神原・太田両弁護士に対する名誉毀損訴訟
暇空氏が提起した神原・太田の両弁護士に対する名誉毀損の訴訟においてタイヤ購入費が扱われている。弁護団が主張する「事実」は、このタイヤ購入費の「誤記」のみならず、杜撰なcolabo資料をベースとした疑惑提起後に取り繕われたものが多い。colaboの資料不備や真実相当性を考慮せず、リーガルハラスメント会見で後付の情報を基にした一方的な断罪が許されるのであろうか。
(2)不正会計の住民訴訟(「虚偽」なのか「誤記」なのか)
仕様書に基づきcolaboは自ら提出した事業計画書に沿って事業を履行する義務がある。また、検査を受け経費を精算することも義務付けられている。colaboのみならず、東京都の監査も事業計画書の履行義務や精算を行い事業の完了処理を実施したことに対する検証をしないまま、「後出しじゃんけん」で処理をしている。
「タイヤ購入費」として検査・精算処理をした後に、拘束力のある事業計画書と違えた「タイヤ交換費の誤記でした」で済むのだろうか。「誤記」ではなく「虚偽」ではないのか?これが問題ないとすれば、事業計画、検査、精算といった行為は無意味で効力のないものとなってしまう。
住民訴訟では、後付ロジックの合法性についてどのような判断がなされるか注目したい。
(3)契約関係について不正確で曖昧な弁護団説明書
契約で重要なのは「事業の履行期間中」に東京都への報告や協議等を実施したか否かである。タイヤ購入問題に限らず、弁護団の説明書は主張する事実を東京都に報告したのか、報告したのであれば「いつ」したのかについてほとんど記載がない。そして、開示請求をすると履行期間外、それも暇空氏が疑惑を提起した後に判明したものであることが多い。
主要な修正
3/27 「都と弁護団の認識のズレの原因」を追加
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