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ディプティックの感想3

すまんが今日は9割キャンドルの話だ。香水の話しか聞きたくない乙女たちは目次から適当に飛ばしてくれ。まあ香りのレビューなんか何も書いてないからどれ読んでも参考にならないけど。ここは俺の日記帳!

オードトワレ イリオ

2021年に香水沼につま先をチョンと浸してから、今ではサムズアップした親指の先しか見えない沈みようだが、そんな私にとって、毎年のイリオ発売のニュースは夏の風物詩になっていた。

今年も上がりまくる季節が来た、ヤバくなれるのは誰~~~~🌞🌞🌞🌞(クレカの引き落とし的な意味で)
イリオが最初に発売されたのは2021年で、以後去年・今年とパッケージを変えて夏に限定販売されている。diptyqueは基本すべてのボトルラベルが白黒で統一されているが、そこに突然の色彩! 生まれたばかりの赤ん坊が初めて目にした世界の鮮やかさに驚いて泣くのと同じように、私もまたパッケージのあまりの可愛さに感動し滂沱の涙を流した。

2021年おもて
2021年うら
2022年
2023年!!!!!
裏はネットに画像がないから自分で撮りました

いやホントもう……可愛すぎる、毎年可愛いけど特に今年は!!!! 月見団子とナンみたいな雲がいいですね。

この最高の絵を手掛けたErik Winkowski(エリック・ウィンコウスキ)というアーティストは、グッチなどのハイブラとコラボしたり、スケボーのデザインをしたりしているらしい。確かに普段のアートはもう少しストリート味が強め。いや今回はこんな癒し系で本当ありがとうございます……イリオがギリシャテーマだからってゴツい全裸の神々とか描かれたら買ってなかった(それはそれで買う)

香水は光で劣化するので、普段は箱に入れて保管派だが、イリオに関しては一生ボトルを眺めていたいのでこのまま机に置いている。というか最初は箱から出し入れしていたんだけれども、3時間くらいで香りが飛んでオーデコロン的にバシャバシャ使うので箱開閉がおっくうに。

そんなイリオはどんな香りがするのかというと、店員さん曰く「オプンティア(ウチワサボテン)🌵の香りです」。??? この日本にウチワサボテンの香りを知っている人間がどれほどいるというのか……? 説明するより嗅いだほうが早えと言わんばかりにサッとムエットが差し出される。

トップの弾けるシトラスの雲が晴れると、スイカのように瑞々しい甘さが夏のハッピーオーラを連れてくる。この甘さには潮っぽい深みがあり、太陽と風と海を同時に感じる爽やかさ。ジャスミンも入っているということで、遠くからはパッと見フローラルの印象。パウダリーフルーティーフローラル・ハッピーハードコアな香りが好きなら。

ところで、6月1日現在ではLINEのお友達特典でステッカーがもらえる。発売日に3秒で仕事を終わらせ汗だくで店舗に駆け込み「ステッカーってまだありますか…!?」と聞くオタクに、店員さんが「はい!実は3種類あって~~」とすごいしっかりした厚紙の贅沢シートを見せてくれた(裏がポストカードになっている)。いや~~どれも欲しい!!!!

透ける封筒に入ってる

って3種類セットなんですか!??!? 超・豪華特典。オタクはシールが大好きだからね。旦那(いない)の乳首に貼ります(なおクリア素材)。
ん? よく見ると……

いやカットずれすぎ笑笑笑笑笑
最初「こういうデザインなのかな?」と思ったけどオーバルの文字切れとるやんけ! 元印刷所勤務の身からするとこんなん検品で弾けよって感じなんですが、どうせ可愛すぎて使えないのでヨシとします。

キャンドル シトロネル

壺から草が吹き出しとる! こちらもサマーコレクションのひとつ。「税込15,400円以上ご購入のお客様へキャンドルシトロネル 35gをプレゼント」ということで、なんとイリオを買うと自動的にキャンドルがついてくる。

手のひらサイズ

35gキャンドルはお買い物特典でよく貰えるが、とにかくサイズが可愛い。でもこんな箱ごと可愛いのは初めて。もし平安時代にこれが存在したら、枕草子の「うつくしきもの」の段に、瓜に描いた赤ん坊の顔と並んで「diptyqueのキャンドルシトロネル35g」と書かれていてもおかしくない。

サイズが小さいせいか、とってもささやかなレモンの香り。ネロリやオレンジブロッサムの仕事か、キャンドルを直嗅ぎしてもキツくないまろやかさ。
同じキャンドルでもローズやベなんかは、箱を開ける前から「ここにいるよ」と酸味がガンガン主張してくるので「こわ…開かんとこ」となりがちだが、シトロネルは狭い部屋で炊いても優しく香ってくれる。ロクシタンのバーベナが好きな人はたぶん好き。私も好き。

キャンドル NEW YORK

こちらの「シティキャンドル コレクション」は、普段は世界の各都市でしか買えないが、たまに全種類買える瞬間が訪れるという、要はルラボのシティエクスクルーシブと一緒のアレ。今年は4月の1週間だけ日本に全種来ており、ちょうど夏サロパと時期が1日だけ被っていたので運良く購入することができた。

っていうか夏サロパはさあ…
正式名称「サロンド パルファン イン サマー」でググっても公式サイトが引っかからず、出展情報や特典などがまとまっているページにたどり着けないというお粗末さ(今は検索結果の一番上に出てくる)。仕方ないから出店ブランドのインスタ等から断片的情報を拾って判断するしかない。会期中も伊勢丹ビューティーのツイッター&インスタすら公式サイトのURLを貼ってくれないし、お前ら本当に来させる気あるの? 普段のサロパでは情報解禁から当日までに詳細ページを100回近くみて、どの店で何を買うか・どの順番で特典を回収するか綿密に計画を立ててるんですけど……オタクの気持ちわかって😠😠😠
まあそんなことするほどのイベント規模じゃないですよ~ってことなのかもしれないけど。香水なんか買う前の気分をMAX最高潮に盛り上げてナンボの商売でしょうが。えっそんなコミケみたいな買い方してるやついないって? そうかな(そうかも)

ニューヨークの香りは公式によると「シダーウッド、ベチバー、パチュリなどを組み合わせ、夜のニューヨークの街を思わせる“隠れ酒場”の香りを表現」とのことなんだけど、私は朝の香りだと思います。
ウッディがとにかく明るく清潔で、5つ星ホテルのウッドデッキで朝の風を浴びながら深呼吸するときのよう。基盤みたいにエレクトリカルな見た目もかっこよく、火を灯すとガラスが薄紫に発光するのが素敵。

キャンドル PARIS

モナムール……これは愛の香り。なぜなら子供の頭皮の匂いがするからです。晴れた日の昼下がり、ご飯をたらふく食ってスヤンピする3歳児の小さな頭に薄っすらと光る汗。柔らかく熱を帯びた髪をかき分け鼻を埋めると、命の輝きを感じるフレッシュな酸味。シャンプーのフローラルと、シーツのムスク。清潔感と人間の体臭が混在する空間。パリには行ったことがないけれど、きっとこんな人間の美しさを讃えるような香りがするに違いない。

パリ生まれの調香師マリーサラマーニュも「子供の頭皮の匂い最高」って言ってるしね。ちなみにノートの正解は「ベルガモット、ラベンダー、パチョリ」だそうです。

キャンドル TOKYO

これは都内のディプティックなら1年中買えたはず。何の予備知識もない状態で香ったとき「あっこれ代々木公園の匂いじゃん……」と思ったら、公式に「パインオイルやシダーリーフが織りなす香りが時を超えた東京へ(略)代々木公園や新宿御苑を想起させるデザインに仕上がっています。」とあり、ブランドが提示するテーマをストレートに受け取れたことに感動。

10年前、新卒で就職した会社はサービス残業が毎月80時間発生するクソカンパニーだったため、8ヶ月で退職。その後転職した会社では、なぜか営業に配属された。
その頃の私といえばノーメイクで髪型は三つ編みおさげ、スーツを着てても東進予備校のパンフを渡されるレベルで見た目がたまちゃんだったが、そんな芋ひよっこに上司(吉川晃司似)は一から営業の仕事を教えてくれた。

営業所がある飯田橋から、迎賓館、国立競技場の脇を抜けて原宿駅、代々木公園通りへと車を走らせる。この通りから富ヶ谷まではひたすらまっすぐな並木道だ。両脇には、午後の日差しを浴びてこんもりと膨らむけやきの木々が道に濃い影を落としている。少し開いた窓から気持ちのいい風が滑り込む。

「ちょっと窓から手出してみ」と上司が言った。私はわけもわからず外に拳を突き出した。「パーにして」
手を開くと、緊張で滲んた手汗に冷たい風が当たった。次第に強い風圧を感じて慌てて手を引っ込める。
「掴めたか?」上司は聞いた。「何をですか??」障害物競走のように道にアンパンでも下がっていたのだろうか……? それともハテナブロックか? 様々な可能性に思いを巡らせるも、上司の言わんとすることがわからない。

「時速60kmで外の風をつかむと、おっぱいと同じ感触になるらしい」
「……!!」
再度、手を窓の外へ。その重みを確かめる。

キャンドルTOKYOを灯すと、あの日手のひらに掴んだ風のことを思い出す。時速60kmの並木道の香り。

minä perhonen × diptyque キャンドル CIEL

まず見てほしいのが値段ね。なんとミナのサイトでは8,250円 (税込)です。
現在のディプティック190gキャンドルの定価が9,790円であることを考えると、めちゃくちゃお安くないですか?(これでも発売当初の7,875円から値上げしてる)通販ではJOIEしか在庫ないけど、表参道CallではCIELがまだ買えました(2023年4月現在)。

ミナのデザイナー皆川さんの詩をもとに作られた香りということで、確かに通常ラインナップのキャンドルよりも物語性を感じる複雑さ。
CIELは、生米のようなひんやり感がベースで、鮮やかなローズの酸味が差し色になっている。ローズがチクチク尖っているものの、この鋭さをアイリスの優しさがまとめあげて、すりガラス越しに閉じ込めた小さな赤いバラのよう。ミナのテキスタイルでいうとsand roseっぽい。この柄のワンピは5年前くらいは定価超えの11万とかで転売されるくらい人気だったけど、今は流石に相場が落ち着きましたね(何の話?)。

オードトワレ ローパピエ

来たぜ! 俺たちのローパピエ! もちろん発売日に買いました。イリオといい完全にdiptyqueに踊らされている。なんとローパピエのボトルを買うと、先着でローパピエのボトル(5ml)がついてくるぞ! なんで??

前回のdiptyque感想で、「これが似合う人になりたい💕発売楽しみ💕」みたいなことを書いたが、実際つけてみるとびっくりするほどテンションが上がらない。いくらテーマが良くても嗅覚は正直。
やっぱり第一印象から苦手だな~と思っていたチクチクムスクが無理。ミモザもライスも主張が弱すぎて苦手要素を打ち消すに足りず……
自分はミモザの香りが好きだと思っていが、ローパピエのように薄あま~いパウダリーなミモザは苦手であることに気づいた。

どうしても紙の香りを求めるなら、個人的にはフレデリックマルのローズ&キュイールが良いなと思います。全然紙をテーマに作られた作品ではないけれど、とてもシャープでフレッシュな新刊書籍の香りがします。
タイトルにローズって書いてあるのにノートにローズが入ってない面白さ。ゼラニウムがコート紙、ベースのレザーがインキの雰囲気を担当して、マニッシュで知的な印象に。エレナ作品特有の美しい透明感もあり。

キャンドル  ミモザ

ローパピエと一緒にお買い上げ。家にあるキャンドルが190gばかりなので、一つだけ70gなの気持ち悪いな…と思いつつ、ここで190いくほどの財力を見せつけられないのがヘタレ。強くなりたい(レ)
ローパピエのミモザと違い、こちらはほのかな酸味が生花らしいフレッシュ感を生み出して心躍る。ふわりふわりと漂うハニー的な甘さは、ブーケを包む柔らかなレースのよう。この香水出してほしいな……ルームスプレー浴びて香水がわりにしてる人一定数いるんじゃないかな? 私にはエレナのミモザがあるので浴びませんが✋
キャンドルが可憐なブーケだとすると、エレナのミモザは芝生の丘でシャボン玉を吹くときの香り。
いずれも、ミモザにパウダリースイート感よりもさわやかさを求める人におすすめ。

まとめ:今すぐイリオを買って特典ステッカーをもらってください。

あんまり考えたくなかったけど、今年になってからdiptyqueに10万以上貢いでおり、同じくらい好きなのになかなか購買に至らないJo Maloneとの差は一体なんだろう……とふと思った。

JMが劣るのはまず接客。他ブランドみたいに香りのストーリーがないから(素材の名前=香水の名前)、商品説明自体が難しいというのはあると思うんだけど、店員のボキャが「使いやすい」「人気」「甘い(甘くない)」しかないのはどうかと思う。コロナが本格化する前は、ハンドマッサージとかコンバイニングの魔法を目の前で実践してくれて体験型の感動があったんだけど……あと大体混んでて接客自体を受けられないことが多い。

次に特典の付け方がヘタクソ。
ディプティックは新商品の発売日から「◯円買ったら●●プレゼント」をやってくれるが、JMは発売日にはやらず1週間とか半月経ってからおもむろに特典を告知してくる。しかもプレゼントが大体イングリッシュペアーの9mlとかピオニーのボディクリームとか。特典貰えるレベルで買う層はみんな持ってるんじゃないかな……しかも指定金額が新作1つ買うだけは届かない微妙な設定。もらってほしいの? もらってほしくないの? どっち?

あとゲストイラストの使い方が謎。
ディプティックと同様、JMは普段が白黒基調なのでゲストイラストがめちゃくちゃ映えるのだが、わっ素敵な花柄!と思っても、印刷してあるのが「特典巾着だけ」「キャンドル1種だけ」とか。ボトルかせめてボックスに入れてくれよ……

サボテンかわいい

ディプティックは期間限定イラストの世界観を、立体物も用意してディスプレイ全体で伝えようとしてくれるけど、JMは店頭ディスプレイでゲストのイラスト全然使わないよね。特別イラストの商品があることを知るのは必ずWEB。

まあJMはそんなことをしなくても新店舗を増やしまくれる程度には売れているということなので、単純に自分がJMの想定するターゲットから外れているというだけなのですが……ディプティックの感想なのにどうしてJMの悪口を書いているんだろう?? 完全に4時20分のテンションで書いてるから起きて読んだら後悔するやつ。江戸っ子が回す欲の渦👺👺👺

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たなか麦
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