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2019年買ってよかったもの

1.トップバリュのジャスミンティー

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2019年親の顔より見た飲料。会社の最寄りコンビニがミニストップなのでトップバリュを買わざるを得ず、600mlで100円という価格に末端サラリマン向けのバイオ飲料みを感じずにはいられなかったが、これが案外美味しい。伊藤園とかセブンプレミアムのジャスミンティーと比べて花の香が薄すぎずちょうどいい。カロリーもカフェインも気にしなくていいし妖精界の飲み物っぽい。

トップバリュとは趣が違うが、ことし買ってよかったお茶No.2としてCHA YUANの「水鳥」を挙げておきたい。緑茶なんだけど色鮮やかな花びらが入っていて、なんとなく桃っぽいような、冬の終わりの花畑のような香りがする。茶葉の名の通り、異国の山深くにある湖で優雅に飛沫を上げて小魚を食らう白鳥の姿が目に浮かぶよう。今サイト見たら桃じゃなくてマンゴーが入ってるのか…冬の終わりどころか常夏やんけ!


2.歯の時計

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ズッカの歯の形の時計。秋ごろまでカバンドズッカの過去の時計一覧が公式サイトで見れたのに、もう怪しいサイトでしか画像を見れなくなっている…

一昨年までずーっとアップルワッチを使っていたが、離婚するときに指輪と一緒に捨ててきてしまったので、新しい時計が必要になった。時計に関する知識が皆無だったので、「時計 かわいい」という初めてヤフー検索を使うおばあちゃんみたいなワードでたどり着いたのがカバンドズッカの「CARAMEL」という時計。文字盤が1.2cmくらいの大きさで非常に小ぶりだがキャラメルのように厚みがあり、口に入れたくなる物質的魅力がある。

だがカバンドズッカの可愛い時計はだいたい廃盤で新品が手に入らないので、ここで初めてフリマアプリ界の西成を利用することになる。ズッカの時計の新着を常に監視し、この1年間で7個購入してしまった。どれも可愛いがそれぞれのアイテムについて語るのは別の機会にする。

さて歯の時計の話に戻ると、この「CAVITY」という時計は中古相場が4000円くらいで、自分くらいの低所得者だと決済ページに行っては商品詳細に戻る行為を100回繰り返すくらいのなんとも難しい価格帯である。4000円…時計としては高くはないが…。

また、出品者のコメントが「CAVITYという歯の形の時計です。とても気に入っていましたがつける機会がないので出品します。他のCAVITYは虫歯の色ですが白は健康なので好きです(※この時計は黒・茶・白・ピンクの4色展開)。歯医者に行くときにいかがでしょうか」という、このアイテムへの愛を感じさせる可愛らしい文章でなんとなく目が離せない。あーどうしようと迷いながら3週間くらい経ってしまったある日、とうとう「購入希望ですが、3500円に値下げ可能ですか?」というコメントが付いた。いやいやこんな可愛らしい説明文の可愛らしい商品に値下げ交渉とかそこに愛はあるのかよ?とチャラ男に口説かれる意中の女をどうしても放っておけない大学1年生のごとき精神状態になってしまい、謎の焦燥に駆られたまま横から購入ボタンを押下した。

その後、同じ時計は自分が買った価格以下で何度も出品されたが、それでもこの時このタイミングでこの時計を買っておいて良かったと思っている。持ち主に大事にされていたものを受け継ぐというのは、なんとなく特別な気持ちになるものである。もちろん、新品で購入して製作者に還元するのが一番なのだが…


3.ルートブリュック展図録

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メルカリの話に行を割きすぎやんけ!

2019年の春頃、人に勧められて東京ステーションギャラリーのルートブリュック展を見に行った。厚みのあるタイルに蝶や洋梨が描かれていて、油絵と宝石の中間のような美しさがあった。撮影可だったので、北欧大好き的風貌の女性達が時間をかけてじっくり丹念にスマホで撮影しており、お前はその写真を家に帰って1枚1枚見るんか?目の前に実物があるのによ?お??と思った。

図録の装丁はグリーンの無地のクロスに作家の写真が貼られたシンプルなもので、これがかえって、中に収められた色とりどりの作品を見たい気持ちにさせるシャワーカーテン的役割を果たしていると思う。図録は買って読まないことも多いけれど、この本だけは何でもないときに開いてしまう。

4.スヌーピー全集

高い。全部買うと7万円する。ハードカバーの大型本で300ページもあるので、読んでいるだけで腕が海軍のようにモリモリになってしまう。それでも既存の全集系は作品が発表順になっていなかったり網羅されていなかったりで1から集める気にならなかったので、このタイミングでちゃんとした全集に出会えてよかったなあと思う。ファンなら。

5.ヘルツの財布

長財布は金持ちが持つものだと思っていたので、今までは慎ましく二つ折りのコンパクトなものばかり使っていた。子供ができて診察券等のカード系が増えたので、これを機に大人の財布に買い換えることにした。

革製品の中でもヘルツはとくに革が厚くてゴツくかっこいいのだが、茶色だとテキサスから牛の死体を担いで来日した女のような強さが出てしまうので、緑をセレクトして無害な雰囲気を演出することを期待。小銭もひと目で確認できるし何より通帳が入るのがいいですね。これで、記帳を数ページ貯めた挙句、急いでいるタイミングで通帳繰越が必要になったりということも無くなるわけですね。

6.ナスのぬいぐるみ

twitterでふわふわのカニがバズったメーカーjellycatの、ナスのぬいぐるみ。手触りがしっとりモチモチしていて、ヘタの造形も細かく、ナスのふっくらとした可愛さを完璧に表現しており、世界で最も完成度の高いナスのぬいぐるみと言える。なんと、底に気付くか気付かないかレベルの絶妙な重しが入っており自立する。「ナスを立たせたい」という気持ちがなければ、子供向けのぬいぐるみでここまで手間とコストのかかる仕様にはならないはずである。このぬいぐるみのデザイナーのナス愛に心から拍手を贈りたい。

jellycatは日本の通販サイトもあるが、イギリス本家の通販のほうがラインナップが豊富なうえ送料が300円くらいで済むので、個人的にはこっちをおすすめする。ぬいぐるみを収納するための可愛い巾着もついてくる。この値段でどうしてそこまでできるの?

7.石油ストーブ

この冬、部屋に暖房器具がないことに気づき、エアコンと石油ストーブの二択を迫られた。当然、安全かつスイッチひとつで自由自在なエアコンでしょと思い価格表を見たら、月給より高かったので少し冷静になった(自分の収入に対して)。お掃除機能付きでも何故かフィルター掃除が必要なことや、最新機種ほど寿命が短いこと、古い家では暖房効率が悪いこともあり、昔ながらの石油ストーブを買うことにした。

上にヤカンを置いて加湿器にしているが、それでも乾燥するのでダイソンの加湿器と併用しており、ハイテクとローテクが隣り合って仲良くしている。芋も焼ける。一度サンドイッチを焼いたところ、火力が高すぎて一瞬で炭になった。

灯油が1ケース1850円くらいなので、たぶん暖房よりは安い。築40年のスキマハウスですら一瞬で室温26度になるうえ、灯油の匂いもあるので、マンションとか築浅に住んでる人はエアコンのほうがいいと思う。

8.麦畑のシャワーカーテン 

今年、春のほんの短い間だけ西荻窪に住んでいた。駅から徒歩6分で家賃45000円という事故物件としか思えないお得ハウスだったが、当然ユニットバスだった。寒くて狭い風呂で少しでも明るい気持ちになれるように、シャワーカーテンはゴッホの絵「糸杉のある麦畑」にした。

12月にゴッホ展に行き、改めて糸杉の絵を見たが(シャワーカーテンと同じ絵は無かった)、精神療養院で描いた絵だとか墓場に植えられた糸杉は死の象徴とかいう説明がされていてええ…となった。それでも3ヶ月間、糸杉とぐるぐるした変な空と麦畑が明るい気持ちにしてくれたことは確かなんだよな。

9.布団カバー

今まで布団カバーは無印のリネンのやつを愛用していたのだが、久々に買い換えようと思ってレビューを見たら、生地が安っぽくなってるとか、ファスナーが廃止されて布団からすぐ取れるしブチギレですといったコメで阿鼻叫喚になっていたので、別のやつを探すことにした。

そこでたどり着いたのがこれ。布団とつなぐのが紐じゃなくてマジックテープだけど今の所問題はない。綿だとすぐ穴が空くけど、リネンは丈夫だしひんやりしてるし気持ちがいいよね。

10.ヌトグランさんの原画

5月にヌトグランさんの個展をやっていたので見に行った。全部デジタルだと思っていたので、原画が存在して驚いた。この幾何学っぽい模様とか均一なグラデを絵の具で描いているのか…

これまで別の作家のドローイングとかは何度か買ったことがあるけれど、キャンバスに描かれた原画を買うのは初めてだったので緊張した。ギャラリーの人に「原画を買いたいんですけど…」と言った時、「どの子にしますか?」と言ってたのが可愛くてよかった。当時おなかに子供がいたので、子供がこの絵を見ながら大人になったら素敵だな~と思った。まあ生まれたときから家に飾ってある絵って、風景と同化しすぎてほとんど意識しないまま大人になるんだけど…それはそれで。

2019年はあっという間だったけど、2020年も素敵なものに出会えるといいですね。

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