揺らぐ足元、支える柱| フリーランス奮闘記 vo.01
気がつけばフリーランスとして開業して一年以上が経っていた。
昨年占いに行ったとき、「なんでもいいから情報発信に力を入れたほうがいい」と助言を受けた。私はわりと占いを信じるほうなので、その言葉がずっと頭の片隅に残っていた。こういうのは流れが大事だと思っているので、2025年からまたnoteを再開してみようと思う。
久しぶりにログインしてみると、8周年のバッジがついていた。そんなに経ったのか、としばし画面を見つめる。時の流れは意識しないとするりと指の間からこぼれ落ちていくものだ。
過去の記事はほとんど下書きに移したが、気に入っていたものと、投げ銭をいただいたもの(ありがとうございます)はそのまま残してある。せっかくいただいたものを勝手に消すのも気が引けるので、興味のある方はよかったら覗いてみてください。
これからのnoteの方向性は、まだ決めていない。決めようと思うと、それが枷になってしまうこともある。だからまずは、今書けるものを、書けるときに。そんな気持ちで、フリーランス奮闘記のようなものを記録していこうと思う。
フリーランスになって、ひとつ心に決めていたことがある。収入の柱を、二本以上持つことだ。
デザイナーという仕事は、手を動かせば動かすほど成果が出る、いわば職人のような世界だ。ただ、その多くは「作ったら終わり」の単発仕事である。仕事を受けるたびに新しい出会いがあり、刺激的ではあるものの、安定した生活を支えるには少し心許ない。
単発の仕事ばかりだと、どうしても浮き沈みがある。収入が安定しないと、気持ちまで不安定になるのが人の常で、それが家庭に影響しないわけがない。
女手一つで子どもたちを育てている以上、毎日の食卓を整え、学校の支度を手伝い、眠る前に少しでも安心してほしいと思えばこそ、仕事の先行きが見えないというのは、なかなかに心細いものだった。
そこで、まずは継続案件を取ることを目標にした。たとえ少額でも、定期的な収入があるのは心強い。生活の基盤が少しでも整えば、単発の仕事にも落ち着いて取り組める。そう思って動いた結果、半年ほどで小さな継続案件を獲得できた。目標にはまだ届かないけれど、「来月はどうなるか」と悩まずに済む安心感は何にも代えがたい。足りない分は単発の仕事で補おうと、気持ちを新たにした。
ところが、世の中はそう甘くはない。契約先の会社が大手と業務提携し、あれよあれよという間に買収された。私と直接契約の話を進めていた代表は、ある日突然退任し、その後を継いだのは外部から来た経営コンサルタント。彼は私の仕事を知らぬまま、ただ合理化の一環として契約を打ち切った。
ぽっかりと穴が空いたような気持ちになったが、いつまでも座り込んでいるわけにはいかない。これまで子育てを優先し、人とのつながりを広げる場にはなかなか足を運べずにいた。だが、今こそ少し世界を広げてみる時かもしれない。そう思い、思い切って交流会に行くことにした。どんな人に出会い、どんな話ができるのか。それが吉と出るか凶と出るかは、まだわからない。
次回は、その交流会での出来事についてお話ししたいと思います。