フリーでできる光学顕微鏡の画像解析方法
*最終更新 2023/03/13
※このページには、今後も随時さまざまな内容を追加予定です。
トップの画像はフリーの写真提供サイト、ぱくたその、「PCに手が届かないノマドトイプードル」の写真素材です。
現在は,さまざまな画像解析手法が提案されている。
もちろん有償のソフトウエアでは、優れた解析結果が取得できたり、マニュアルも整備されていると思われるが、一方で世界の多くの研究者がImageJの解析用プラグインを自作して公開している。これらはフリーで利用できるため、直ちにさまざまな解析を試すことが可能である。
ここでは、その一例をまとめておく。
cellpose: 細胞の輪郭抽出
細胞の輪郭を、機械学習でトレースする。
trackmate: トラッキングを行う。
imageJのプラグインで、トラッキングを行うことができる。
「一定時間以上、追従が行えたものを対象とする」なども可能らしい。
なおtrackmateについては、基礎生物学研究所の定量生物学研究部門(の旧ページ)でも、操作方法などを日本語でまとめているので、非常に参考となる。
SRRF: 時空間蛍光相関解析による超解像化法
”Super-Resolution Radial Fluctuations(SRRF)”は、光学顕微鏡の画像で、「蛍光シグナルの空間的広がり」を検討することから、「本来の蛍光ピーク」の位置を算出する方法。1枚の画像のみではノイズの影響も強いことから、連続画像取得による複数枚から算出することにより、画質を高めることができる。
SRRFの特長として、共焦点顕微鏡、全反射蛍光画像(TIRF)、スピニングディスク型(CSU)、落射蛍光顕微鏡…といった、観察方法を問わずに処理できることが挙げられる。以下リンクでは、画像例も掲載されている。
近年ではSRRFを改良した、enhanced SRRF(eSRRF)についても、プレプリントとしてbioRxiv誌に発表された。eSRRFは更に高画質となるうえ、GPU処理にも対応しているため、格段に高速処理も可能となっている。