【前口上】はじめまして、「オペラのまど」です!
(誰もいない、とある小さな劇場。舞台には真紅のカーテン)
(突如、舞台の真ん中にスポットライトが当たる。
カーテンの隙間から、シルクハットを被った人物が登場する)
みなさんはじめまして! 「オペラのまど」の中の人です!
(誰もいない客席に向かってにっこりと笑いながら、
シルクハットを取って挨拶)
突然ですが、「オペラ」を観たこと・聞いたことのある人〜!!!
(「はーい!!! はいはい!!!」と飛び上がって主張する。
...ふと我に帰り、寂しそうに、誰もいない客席を見渡す)
…多分、ほとんどいませんよね。
(シルクハットを深く被り、うつむきながら舞台をうろうろと歩く)
学校の音楽の授業で、なんとなく聞いたことあるかも...?
なんだかよくわからない言葉で、大きい人がめっちゃ歌うやつ...?? とか、
「オペラ」ってわたしたちの日常には馴染まない、なんだか遠いもの、というイメージをもつ人が、きっと多いですよね。
(舞台の真ん中で立ち止まり、力強く、まっすぐに客席を見つめる)
でも、だからこそ、わたしたち「オペラのまど」は、オペラの面白さ、楽しさ、そしてなによりも、芸術としての素晴らしさを広めたいのです!!
わたしたちは、心の底からオペラを愛しています。だからこそ、
オペラを観たことのない子どもたちや、
大人になった、でもまだ、子どものような好奇心を燻らせている「かつての子どもたち」に向けて、
そんな「なんだかよくわからない」オペラの世界への窓を開きたいと、活動しているのです。
(にっこりと微笑み、両手を広げる)
わたしたちが上演するオペラは、「なんだかよくわからない外国語」ではなく、なんと日本語。
題材にするのは、なんとなく親近感の湧く身近な童話や物語。
2018年には、宮沢賢治原作の『注文の多い料理店』を、
2021年には、同じく宮沢賢治原作の『どんぐりと山猫』を、
作曲家の前田佳世子先生を迎え、新作オペラとして上演しました。
(ますます活き活きと、熱をもって)
そして今年、2022年12月28日、
東京 JR中央線「武蔵小金井」駅南口の「小金井 宮地楽器ホール」にて、
わたしたちは再び、前田佳世子先生に作曲を依頼し、新作のオペラを上演します!
これからご紹介する、才能溢れる歌手の皆さん、作曲や指揮、練習を導いてくださる立派な先輩方とともに、きっと皆さんに楽しんでいただける、素晴らしい公演を実現いたします!!!
(紅潮した頰。大きな身振り
ーーふと我に帰り、恥ずかしげに咳払いをし、にっこりと微笑む)
こうしてお目にかかることができたのも、何かのご縁!
どうかどうか、まだまだ絶賛成長中のわたしたちを、
これからよろしくお願いいたします!!!
(シルクハットを取り、深々と一礼。スポットライトが消える
いつの間にか、オーケストラピットには指揮者と団員たち。
タクトが上がり、最初の一音のために一同構える)