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オペラ「フォスター物語」2011年上演

サンプラザオペラ2011 Vol.4 札幌室内歌劇場公演

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日時:2011年4月22日(金) 19:00開演
会場:札幌サンプラザホ-ル
料金:一般 4,000円、学生3,500円
   支持会員3,500円、学生3,000円
   障がい者席 500円(4席限定)

主催:サンプラザオペラ実行委員会
主管:NPO法人札幌室内歌劇場
後援:札幌市、札幌市教育委員会
  

 「フォスター物語」について

 「フォスター物語」は、フォスターの生涯を忠実になぞったものではありません。彼の清くうかがえる彼の思いを、周囲の人物との関わりを通して描いたものです。
 この物語を作り上げるに当たって、注目したい言葉があります。それは、フォスターが死んだとき、彼のポケットに入れられていた小さなメモ「Dear friends and Gentle Hearts」(親しき友と、心のやさしい人たち)という言葉です。これは、作曲を準備していた新曲のタイトルと考えられているのですが、フォスターの音楽の本質や、その人となりを見事にイメ-ジさせる、美しい言葉です。
 白人であれ、黒人であれ、かかわりあった人々へのフォスターの暖かい思い。多くの美しい旋律を生み出したフォスターの豊かな心。このオペラを通して味わっていただけたら幸いです。

出演
作曲家フォスター/則竹正人(Bar)

白人たち
 ジェニー/萩原のり子(Sop)
 ケティ/成田潤子(Sop)
 ドルシー/川越吾弥子(Sop)
 メアリー/松田久美(Mezz)

黒人たち
 スザンナ/渡辺ちか(Sop)
 レミュエル/浅里慎也(Ten)
 ネリー/遊佐悦子(Mezz)
 ジョー/石鍋多加史(Bar)

室内楽
 フルート・ピッコロ/蠣崎路子
 ヴァイオリン/富岡雅美
 チェロ/川崎昌子
 ピアノ/浅井智子
 

フォスターの作品と黒人霊歌、アメリカ民謡など20曲あまりを組み合わせて、新たに歌物語として構成編曲し、フォスターの人となりを描きます。則竹正人が演じるフォスターを始め、金髪のジェニー、黒人のジョー、黒人娘スザンナなどフォスターの作品に登場するキャラクターが大勢活躍します。室内楽の伴奏でアメリカの名旋律をたっぷりとお楽しみください。

◆ あらすじ 
 ある人はため息ばかり、又ある人は喧嘩をする (「ある人は」)
‥‥ 世の中には幸せな人もいれば、不幸な人も大勢いる。人々の思いを音で書きとめ、歌を作っていこう‥‥ 若き日のフォスターはそう決心します。
 白人の娘達は当時の流行歌を無邪気に歌っています (「黄色いリボン」) 。その中にはフォスターが密かに思いを寄せている金髪のジェニーもいます。
 そこへ、全く違った調子の物悲しいメロディーが流れてきます (「誰も知らぬ悩み」) 。黒人達が毎日の暮らしの辛さに耐えかね、天国を夢見て祈っているのです。
 フォスターはじっと耳を傾け考えます。「僕は今まで白人にしか目を向けていなかったのではないか。僕はすべての人達のために歌を作ろうと決心したのではなかったか。僕は黒人達のために歌を作ろう。」
 フォスターは黒人のメイドのネリーに「ネリー・ブライ」という歌を、それから大男のレミュエルには「おお、レミュエル」と言う楽しい歌を、それからかわいい黒人娘スザンナにも一曲歌をプレゼントします (「おお、スザンナ」) 。ジェニーの家の黒人の召使いのジョー爺やにも歌を書いてやる約束をします。
 フォスターの作った楽しい曲に、白人も黒人も時を忘れて一緒に仲良く歌い踊ります (「草競馬」) 。フォスターは最後に美しいメロディをジェニーに捧げ、二人は結ばれます (「金髪のジェニー」) 。美しい間奏曲が流れます (「君眠る彼の地に」) 。
 しかし、その幸せも長くは続きませんでした。フォスターは音楽家にありがちな、家庭生活に不向きな人間でした。妻ジェニーと愛娘の待つ幸せな家庭を捨て、フォスターは単身ニューヨークに移り住みます。しかし、その生活は恵まれたものとはいえず、仕事も残念ながらうまく行きませんでした。故郷に思いを馳せる孤独なフォスター (「スワニー川」) 。
 年月は流れ、故郷ではあの黒人メイドのネリーが死に (「やさしきネリー」) 、曲を書いてやる約束を果せないまま、ジョー爺やも死んでいきます (「オールド・ブラック・ジョー」) 。黒人達のお弔いの音楽が流れます (「羊の声を聴け」) 。
 フォスターは人生の終わりが近づいたことを感じ、永遠の眠りの準備をします (「夢路」絶筆 ) 。
 フォスターは孤独のうちに死にました。しかし、フォスターの音楽は、白人と黒人の心の掛け橋として、今なお世界中の人々の心に生き続けていているのです。



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