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東京オリンピック ボランティアドライバー体験記4

選手村フリートオフィスの一階には、待機しているボランティアドライバーが大勢いた。待機ドライバーには2通りあって、運転をアサインされてステークホルダー(乗せる大会関係者)を待っている人と、私のように、乗る予定もないのに、単に当日空きが出るのを待っている人だ。

私は受付で言われた通り、待機者のリストの末尾に自分の名前を記入し、あとは席に座って他のボランティアに話を聞いてみることにした。

驚いたのは、まだ開会式当日だと言うのに、もう何度もボランティアに来ている人が少なくなかったことだ。そういう人たちは、当然私より事情がわかっている。その人たちによれば、以前は今より暇だったし、ボランティアにくる人も少なかったので、何人かが一組になって、ナビの操作や車の運転の練習をしたりしたそうだ。私は気付くのが遅すぎたせいで参加していないのだが、6月には実車研修もあった。そこに参加した人たちが言うには、研修の時は、トヨタがオリンピック用に開原したT-TOSSというシステムが使えることが前提になっていて、何やらそれを使えば、貸与されたスマートフォンが鍵の機能も備えていれば、ナビにも連動していて、行き先なども自動的に入力されるようになっていたそうだ。ところがどういうわけか、本番ではそのT-TOSSが使えないので、行き先などは自分でナビに入力しないといけないらしい。

私は実車研修に参加していないし、トヨタの車は以前、レンタカーでよく利用していたので、ナビに入力するのは抵抗がない。e-LearningでよくわからなかったのがT-TOSSの部分だったので、別にそれはなくても構わないんじゃないかと思った。

そんな話を周りの人としていると、英語ができる人はいないか、と受付のほうから声がかかる。英語ができる人は、車の運転ではないのだが、A駐車場に移動して、受付業務を手伝ってほしい、と言う。私は別に帰国子女でもないし、特別英語ができるわけでもないのだが、車の運転以外の仕事もあるんだ、と気になったので、そのオファーを受けることにした。フリートオフィスがあるのは C駐車場の脇だ。B駐車場もすぐそばだが、A駐車場はフリートオフィスから徒歩だと15分くらい離れたところにあるらしい。シャトル便が出ていて、それに乗って移動するのだと言う。私はシャトルに乗り込んだ。

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