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市民オペラに参加するということ 2

私が最後に舞台に乗った「カルメン」をやった市民オペラ団体は、毎年定期的に公演を行っていた。「カルメン」をやりたくてその団体に加入したものの、私としてはオペラに毎年参加することは避けたい。とはいえ、「カルメン」の練習や本番はあまりにも楽しかったので、翌年も続けてやろうかな、と一瞬は思った。しかし、結論としては続けなかった。

この団体は、練習が週に1回だった。私は女声合唱に参加したことはないが、女声合唱だと練習が平日昼間だったりするという。それに対して混声合唱だと、たいてい練習は夜か週末だ。この団体は活動場所が職場の近くなので、私にとってはとっては練習が夜のほうが、会社のついでに通えるのでありがたかった。しかし実際には、この団体の練習は土曜日だった。土曜日にわざわざ、職場近くにまで「通勤」してくるなんて、それだけでも億劫だ。

そして毎週土曜日、オペラ活動に拘束されるのは、いくらオペラが楽しくて歌が好きでも、負担が大きかった。まずそもそも、肉体的に疲れる。おまけに、私は貧乏性で、習い事を休むのが嫌いなのだ。そうなると、私の自由になる時間は日曜だけになってしまう。日曜一日あれば十分ではないか、という意見があるかもしれないが、私にとっては十分ではなかった。なにせ自由時間が半減してしまうのだから、全然十分ではない。

おまけに私は旅行ずきだった。それこそ旅行も行き過ぎると肉体的にも疲れるのだが、月1回程度なら私にとっては適正範囲だ。それなのにオペラの練習が毎週末あって、しかもそれを休まないなら、旅行に行くのが極めて難しくなる。それも私にとっては厳しかった。だから、オペラを継続してやり続けるのは物理的に難しかった。そういう人もむろん居るらしく、その団体では公演が終わると、翌年も継続するかどうか意思を確認される。

「カルメン」の翌年の演目は、興味がない作品ではなかったものの、「カルメン」の時のように、どうしても参加したい演目でもなかった。そこで私は、翌年の公演をパスすることにした。当時、私は歌の個人レッスンを受けていたこともあり、オペラをやめたからといって、歌から完全に遠ざかってしまうわけではなかった。やっぱりオペラはたまにでいいや。毎年やるものではないな、というのが結論だった。


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