見出し画像

東京オリンピック ボランティアドライバー体験記20

明治記念館を左折して赤坂御所を右に見ながら直進すると、今度は鋭角的に左折する道をナビに案内される。しかし上手く左折できず通り過ぎる。幸い、道が空いていたので、バックしてナビの指示どおり左折するが、通行するのは住宅地みたいな細い道。ナビの指示どおりとはいえ不安になる。そして私が路上でバックしたりしているので、キューバ人が動揺しているのがわかる。そんな困難を抱えながら通行しつつ、たどり着いたのは信濃町駅前。そこまで行くとナビは、目的地周辺に到着と判断し、再び案内を終了する。

そんなバカなことがあるだろうか。ここはあくまで信濃町駅であって国立競技場ではない。国立競技場なんてどこにも見えやしないし、ここが目的地周辺?? 私はひたすら困惑する。

仕方ないので私は最初からやり直す。外苑東通りを左折をして明治記念館、実はそこで対抗車線にUターンすればよかったのだが、ナビの指示どおり再び左折。でも結果はぐるっと回ってまた信濃町駅。私は途方にくれた。

今度はナビを無視して明治記念館を左折せず、勇気を持って直進し、適当なところで対抗車線への道へUターンする。その結果、路上には大会専用車両のみが通行可能なことを示す、ピンクの直線が表示されている。正解に一歩近づいたようだ。そしたら今度は駐車場の案内が見えてきて、心底安心した。

ところがそこの誘導員に、私の車ではそこには入れないと言われる。車両の分類ごとに、停車可能箇所が異なっているのだ。私の車はこのまま直進して、信濃町駅のすぐ手前を左折したところが停車位置だと言う。私は言われた通りに直進し、信濃町駅手前で、今度はようやく左折を許可される。その先も分岐があり、迷いながらも、ようやく私の停車位置である、絵画館の正面に到着する。ここに来るまで、高速を降りてからいったい何分かかったことだろう。途中、後ろからキューバ人のため息が聞こえたが、嘆かれてみたところで、どうしようもないものはどうしようもない。

ようやくキューバ人を降ろし、ピックアップの予定時刻は12時半であると告げられる。もし変更があれば、携帯に連絡するとのこと。キューバ人と別れると、私は誘導に従って、絵画館の裏に車を駐車する。こんなことならナビにはじめから、絵画館と入れれば済んだ話ではないか、と私は憤慨する。

とはいえ、国立競技場での待機時間は1時間半程度が見込まれたので、私は気を取り直してちょっと散策してみることにする。国立競技場はどこにあるのだろうか。聖火もこの近くなのだろうか。

いいなと思ったら応援しよう!