ヨーロッパ3都市をめぐる旅(1) ガウディ建築から見るバルセロナ (Barcelona, 2015.7)
新婚旅行のテーマはすぐに決まった。問題は、訪問先だ。"建築を見て回る”といっても見たい建築は世界中に無限にある。
オットーワーグナーやクリムトをはじめとした世紀末芸術が魅力の街ウィーンと、水没の危機に晒された水都ヴェネチアの訪問はスムーズに決まったものの、ガウディのバルセロナかはたまたオランダ・アムステルダムかで意見が分かれた。最終的にバルセロナを訪れることに。
“ゆっくり”とは無縁の8泊9日、公共交通機関やレンタサイクル、徒歩等様々な手段を駆使して体力のある限り周り尽くした、思い出深い旅となった。
バルセロナ到着
オーストリア空港でウィーンを経由してバルセロナへ。
バルセロナ国際空港の第一ターミナルは2009年に完成したもので、広く新しくて清潔な空港だった。
空港からシャトルバスで中心地へ向かい、その後地下鉄に数駅乗って海沿いのホテルをめざす。
バスから見えた夕焼けが美しかった。
ホテル最寄りの地下鉄Selva de Mar駅の出口を出てホテルを目指すも、方角がわからずオロオロする我々に明るく話しかけてくれる現地の中年夫婦。「スペインは万引きが多い」「治安には気をつけろ」というイメージが強すぎて厳戒態勢だったが、その夫婦は地図を見て方角を教えてくれて「チャオ!」と笑顔で去っていく良い人たちだった。疑ってごめん。
日も落ちた頃にホテル着。中心部からほど近い、海沿いの良いロケーション。
今回も奥のほうの部屋。
HOTEL FRONT MARITIM
https://goo.gl/maps/oiSrRKoFJUAzAsop6
起床。朝食ビュッフェは生野菜がたくさんとれて嬉しい。
グエル公園
この日はガウディ建築を見て回ろうと決めていた。
朝、Selva de Mar駅からAlfons X駅まで地下鉄で移動し、20分ほど歩いてグエル公園を目指す。
この公園は以前は入場無料だったのだが、詐欺やスリ行為が横行してしまい、結果、入園料を取ることでそうした治安の悪さを払拭できたそう。今は比較的安全らしい。
トカゲ?のような形のモザイクが可愛かった。
三姉妹の記念撮影シーンを遠くからこっそり撮影。
公園から見える幼稚園での体操風景がとてもよかった。
街中に溢れる住所を表す数字がタイルだったり金属だったり・・と色々で、観察のしがいがあった。
グエル公園からカサ・ビセンスへ向かう。ゆるやかなカーブを描く道を、街の雰囲気を見ながら南下していく。次のカサ・ミラの予約時間があるので、小走りで歩いた。
途中見かけたゴミ収集車とゴミ箱が巨大で、スケール感にびっくりした。吊り上げてゴミ収集車にいれる流れが大胆で、そんなにゴミがあるのか??と思ってしまった。写真には残っていないが、たしかゴミ収集車は黄色かった気がする。
公園から長いこと歩いた、街の雰囲気を見ながら
大通りで南下する道がゆるやかなカーブ。小走りで歩く
夫曰く、車道と歩道の段差や道路の乾いた感じにヨーロッパを感じたとのこと。たしかに日本とは趣が異なる。
道中、多くのオシャレな建物を見た。
カサ・ビセンス(Casa Vicens)
公園から30分弱歩いてようやく到着。少し先からでもすぐにわかる個性的な建築。ガウディ初期の作品。
ツアーとみられる御一行のガイドさんが素敵な格好をしていた。暑そうだけど。
バルセロナで有名な彫刻家の作品らしい。キリン・・?
カサ・ミラ(Casa Mila - La Pedrera)
20分弱歩いて、予約しておいたカサ・ミラへ。とにかく混んでいたので、予約していて大正解だった。並ばずに入館できた。
屋上からは街中が一望できて気持ちよかった。屋上から室内に入ってすぐのところに模型があり、そこから階段で降りながら展示を見ていった。
伊東豊雄の建築も見かけた。
カサ・バトリョ(Casa Batllo)
カサ・ミラから5分。最も楽しみにしていた場所、カサ・バトリョへ。
見てのとおり、パステルカラーで覆われた外観とカラフルなステンドグラス、白い壁とブルーのタイルをベースとした有機的デザインが特徴的だ。
本当に美しい場所だった。
海の中にいるような青いタイル。魚の鱗のような…、独創的なアイディアでとにかく凄い。これは一度現地で見るべき。その価値は確実にある。
貸出されているオーディオガイドのヘッドフォンが青くてなんだか可愛かった。
窓から顔を出して写真を撮影してくれる(有料)というものを初めてやってみた。いい思い出になった。
屋上では観光客が楽しそうにしていて、子供たちが遊んでいたのが印象的だった。
お腹が空いたので、近くのCONSENTIDAというレストランでパエリアを食す。場所を調べようとしたらすでに閉店しているのか情報が出てこなかった・・。
ピザがなかなか出てこず、注文を忘れられているのでは?と思ったほどだったがやがて出てきた。そうか、この国ではすべてがスローなんだ・・。
この後、ネットで見つけた素敵なアートイベントをみたくてロエベ本店に行ったのだけど、やっていなかった。おそらくもう一店舗のほうでやっていて、我々は違うほうのお店にいってしまったらしい。それに気づいたのはずっと後だった。
サグラダ・ファミリア(Basilica of the Sagrada Familia)
バルセロナの街は、旧市街地区を除き、美しく区画整理されている。
サグラダファミリアは赤でピンを立てた場所だ。
有機的で美しい。どうしてこんなものを造れるんだろう・・。
夫は「3D CADがない時代に、面の処理が三次局面の扱い方が凄すぎる。どうやって図面化したり高度な定義をして実際の形にしたんだろう・・」と彼ならではの表現で感動していた。
地下の展示も面白かった。3Dプリンターがあって模型がたくさん置いてある。中には入れず、通路から見える形だった。
実は私はサグラダ・ファミリア到着前くらいから軽い熱中症でフラフラしており見学ができるか危ぶまれていたのだが、内部に入った瞬間あまりの美しさに心を奪われて気力が回復し(?)、体調がすぐれないながらも一時間ほどかけて見学することができた。その後、水をとってしばらくベンチで休憩したら元どおりになった。よかった。
とはいえとにかく疲れたので、タクシーでホテルまで帰ることにした。
タクシーから見るバルセロナの街のデザインは興味深かった。こうした駅の屋根もおしゃれだし、建物のデザインもグッとくるものが多かった。集合住宅も面白い形のものが数多くあった。