空飛ぶいちご

エッセイ&言葉のカケラ【いちご通信】を毎週月曜日にお届けします。翼は心に付けるのです。

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最近の記事

【いちご通信#19】         忘れられない日

人生にはいろんな日があるね 今日も忘れられない日になったよ 嬉しい日も 悲しい日も 自分の中にある ありったけの「ありがとう」を かき集めて贈る 今日は急に気温が下がって 冬らしい寒さがやってきた だからね 春のように温かい 「ありがとう」を贈るんだ 桜の花束にして・・

    • 【いちご通信#18】 再びの

      自分の正直な気持ちに 蓋をして 見ないふりをした なかったことにした 忘れたことにした そんな風に過ごしたことは 善いことでもなく 悪いことでもなく いつの時代も ただそうしなければ 悲しすぎて 寂しすぎて 辛すぎて 生きてはこれなかった 自分で自分の扉を閉めた ただそんな季節があっただけ 「もういいかな」と 「もう大丈夫かな」と 再びの扉を開けると 以前と変わらぬ 温かくて 大きな ぬくもりがあった 今すぐにでも飛んで行きたいと 色とりどりの感情たちが騒ぎ始める さて、

      • 【いちご通信#17】         カニ的成長

         数日前の朝のこと、目覚めるタイミングでふと思った。 「カニが脱皮して成長するような感覚で、パカッ!と朝の目覚めを迎えたら新鮮な気分だろうか」(なんじゃそりゃ・・)  次男が小学生の頃、校外学習に出かけたときに1匹のサワガニを連れ帰ったことがあった。「自然の中で暮らしていたのに、にすまないのぉ」そんな気持ちもありながら、興味深々な二男と生き物好きな母は水槽を準備して暫く観察することにした。ある朝異変は起きた。1匹しかいなはずのカニが2匹になっているではないか!サワガニにとっ

        • 【いちご通信#16】         心音(こころね)に耳を澄ませて 

           最近、YouTubeでストリートピアノを弾いている方の動画を視聴した。海外在住のピアニストの方がウイーンの街中でビートルズの『Let It Be』を弾いていると、どこからともなくサックスのお兄さんが現れてセッションが始まった。演奏が終わると二人はとても嬉しそうで、もう一曲セッションが始まった。『Hey Jude』を聴かせてもらった。「音楽っていいな」とほっこりしてコメント欄を見ると素敵な言葉を発見した。「日本語を話せば1億2000万人と繋がれるけど、音楽で70億人と繋がれる

          【いちご通信#15】 かけっこ!

           目覚めると「ぐえ~今日の自分10%~」みたいな朝もある。ギコギコ、ギコギコとネジを巻いて身体は動かしたけど、何だか頭はついていけなくてサッパリな一日だった・・なんて日もある。人間だものヨロシイんじゃないですかね。  今日はやることはやったけど「もっとこうすればよかったな・・」と思うことが幾つかあった。それを「次からはこうしよう!」に書き換えることに成功した。「おぉ、何と前向きな!」 そうなれた理由は他愛もないことだった。  少し気難しい方々とのお出かけが自分の配慮不足の

          【いちご通信#15】 かけっこ!

          【いちご通信♯14】         親愛なるもう一人の私へ

           10月から専業主婦になり時間に余裕ができた。頂いた栗の皮をコツコツ剥いて栗ご飯を炊いたり、採れたての大根菜としらすで自家製ふりかけを作ったり、涼しくなったので手作りコロッケを揚げたり、3時には美味しい緑茶を入れて和菓子を頂くなどして、食欲の秋を満喫している。ストレスやご褒美で食べるのではなく、日々の食生活で「う~ん、美味しい!」と感じられることはとても健康的で大切なことなのだと思う。  「ゆとりのある生活はいいな」そう感じながらも、何と!同時進行で求職活動も始めてしまった

          【いちご通信♯14】         親愛なるもう一人の私へ

          【いちご通信♯13】  制限の中でも自由はあるよ

           7月29日投稿の【いちご通信#3】で「専業主婦に私はなる!」と宣言してしまったので、私はこの10月1日から専業主婦になってしまった。もう少し先と思っていたのだが、あれよあれよと言う間に流れがきたのだった。この1週間は退職した会社や役所などをまわり、苦手な書類作成に追われ、調べたり確認したり書いたりと忙しく過ごしていた。  書類を作成する中で数字や文字を記入しながら、社会にある制限の多さに気づかされ「ほぉ」となっていた。この中で暮らしているんだなと・・ 命は時間だと言われる

          【いちご通信♯13】  制限の中でも自由はあるよ

          【いちご通信♯12】  魂のブループリント

           多分私は忘れっぽい。それは今に始まったことではなくて若い頃からなのだ。すっかり忘れてしまうのである。昔はこんなこともあった。兄の結納の日に義姉の実家に行った時のことだ。いよいよ儀式が始まるというのに私の姿がどこにも見当たらなくて両家がザワザワしたことがあった。暫くすると「すみませーん・・」とトイレから聞こえる小さな声で私は発見された。そのトイレは古風な造りで鍵をかけてしまうと、内側から開錠する場所が隠れてしまう特殊な扉だった。うら若き乙女の私はトイレから出られなくなったこと

          【いちご通信♯12】  魂のブループリント

          【いちご通信#11】           ロック(岩)な狛犬

           今暮らしているアパートにはかれこれ12年ほど暮らしている。昭和の終わり頃に建てられた古い公営住宅だが、住めば都でいつの間にか住み慣れた我が家になっていた。地方あるあるで移動には車が必要な生活ではあるが、歩いて10分もかからずに海まで行けるし、大きな公園も近くよい散歩コースになっている。スーパーやドラッグストア、コンビニも傍にありなかなか便利な場所だと改めて思っている。  そして、このアパートのすぐ傍にお稲荷様を祭る小さな祠があって、私はいつの間にか気持ちが向くとお参りする

          【いちご通信#11】           ロック(岩)な狛犬

          【いちご通信#10】        流れの中で

           最近の私はと言えば、前髪を「ぱかっ!」っと分けて、「ぺかー!」っと額を出している。額を出した顔を鏡で見るとちょっと怖くて(笑)実はあまり好きではなかった。長年前髪のある暮らしをしていたが、今年の夏の暑さにやられ潔く顔を出すようになった。好きではなかったデコ出しの顔も「まあ、いいじゃないか」と思えるようになった。顔のことに限らず気づいたら「まあ、いいじゃないか」と許容できることが増えていた。そんな風に感じられるようになったことは財産だと思う。齢を重ねて失うものもあれば得るもの

          【いちご通信#10】        流れの中で

          【いちご通信#9】   夢の話         

          今朝方、何とも不思議な夢を見たので今日は書き残しておこうと思う。 夢の中で曲がった牙のような形の包みを誰かに渡された。これを次の場所に届けなければならないと言う。 「化石かな・・」 「あ、これはナウマンゾウの牙だ!」 夢の中でそう思った。 (*ナウマンゾウとは日本を代表する氷河期時代のゾウで、およそ36万年前から生息していておよそ2万8千年前に衰滅しまったという。一番の特徴は頭の形で、おでこのところが大きく張り出していて、ベレー帽を被ったように隆起している) 私は次の場所へ

          【いちご通信#9】   夢の話         

          【いちご通信#8】           笑みがこぼれる桜

           暑さが厳しいまま台風の時期になった。今年の台風は風というより雨の印象が強い。大きな被害にならないように祈るばかりだ。ゆっくりと進んでいた台風10号(サンサン)の進路予想図を見ながらふと思い出したことがあった。私自身の子育ての頃の思い出だ。今でも思い出すと「ふっ」と笑みがこぼれる。  私には二人の息子がいるのだが(今は二人とも成人している) 幼い頃、長男は自分ひとりでブランコが漕げなかった。公園に遊びに行くと練習することもあったが、身体のバランスというかタイミングがうまく掴

          【いちご通信#8】           笑みがこぼれる桜

          【いちご通信#7】          『竹取の翁の物語』

           数年前から本棚にしまっておいた文庫本を読んでみた。角川文庫のビギナーズ・クラッシックス 竹取物語(全)だ。『竹取物語』の原文・通釈文・解説が楽しく読み進められるように編集してある。まえがきには読者のみなさんが、日常の言葉で、かぐや姫・帝・じいさん夫婦たちと対話できるように配慮をほどこしたと記されてある。私が知っているかぐや姫の物語は幼い頃に絵本で読んだか、図書館に置いてあった小学生用に編集されたものだ。物語を知っているので再読だと思ったが、原文に触れるのは初めてだということ

          【いちご通信#7】          『竹取の翁の物語』

          【いちご通信#6】秋の気配           

          朝晩の気温がほんの少し涼しくなった。 稲穂が実って垂れてきた。 赤とんぼを見かけた。 夜になると美しい虫の声が聞えてくるようになった。 瑞々しい梨をいただいた。 本が読みたくなった。 近年、夏は厳しい暑さが続いているが お盆を過ぎたあたりから 少しずつ秋の気配を感じている。 植物や生き物は人間よりも ちゃんと知っている ちゃんとわかって生きている と子どもの頃から思っていた。 「自然を感じるゆとりを取り戻して」 秋の気配が耳元で囁いた。

          【いちご通信#6】秋の気配           

          【いちご通信#5】 祈り

          ガチガチになって どうしてもより ふんわりがいい 胸の中にある雲を そっと両手てくるんで やさしく空に放つ そんなイメージでいい 大難が小難に 小難が無難に なりますように ちっぽけな私の声が 天まで届きますように そして明日もまた 当り前のようで 当り前じゃない一日を 生きよう  

          【いちご通信#5】 祈り

          【いちご通信#4】          笑顔の奇跡

          笑顔でいた。 ただただ、相手の話に耳を傾けて 「そう、今のあなたはそうなんだね」って あるがままの相手を受け止めた。 大切な人が辛いとき 自分の心も痛くなって 苦しくなったけど この人の未来を信じようって 笑顔でいた。 ずっと今のままのあなたじゃない 大丈夫だから あなたは大丈夫だから 本当にそんな気持ちで 笑顔でいた。 そしたら不安と心配で がんじがらめになっていた人の 心がフワって緩んだ。 奇跡だと思った。 チャップリンの「SMILE」 その歌詞の意味がようや

          【いちご通信#4】          笑顔の奇跡