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自転車を始めて4週間後に178km①
今回は、ふと前日に思い立って翌朝から往復178kmかけて自転車で帰省したお話です。
クロスバイクMISTRAL購入から4週間が経過した10月半ばの金曜夜、
夕飯の食器を洗っている最中に翌日の帰省のことを考えていたときのことです。
静岡県浜松市暮らしの私の実家は、同じ県内の静岡市にありました。
ふたつの家の距離は最短で約80km。
これってもしかして自転車で行けるんじゃない?
自転車乗りであれば一度は思い浮かべることのあるお馴染みのこの言葉。
ついにこの私の元にも舞い降りてきました。
もし自転車で行けば、通常車で行くとかかる
高速代往復 約3,000円 + ガソリン代往復 約2,000円 = 約5,000円
が浮く!!
そんな下世話な計算も後押しし、自転車で行く以外の選択肢は消えさったのでした。
迎えた翌朝。
自転車用のリュックを持っていなかった当時の私は、サドルバッグに思いつく限りの荷物を詰め込みました。
2RUN(足攣り対策)
モバイルバッテリー
パンク修理の道具一式
小さいサドルバッグだったため、入ったのはこのくらい。
今振り返ると、よくこの荷物だけでどうにかなると思ったな…。
と恐ろしいくらい必要最低限にギリ満たない装備でスタートしました。
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朝の8時にスタートし、お昼過ぎには着けるかな。
そんな予想でまずはひたすら東に向かって前進あるのみ。
見慣れた風景の浜松市内を順調に抜け、浜松市と磐田市の境にあたる天竜川の橋を超えたあたりから、未知の風景が広がり始めました。
いよいよロングライドが始まったという高揚感が込み上げてきたものです。
浜松市と同様、チェーン店が点在する大通りが続く磐田市。
小中高でサッカーをかじっていた私には、ここがジュビロ磐田の街か〜と、静岡市で成長した私がやや贔屓目に見てしまう清水エスパルスのライバルチームの拠点であることに関心を持ちました。
そんな磐田市を抜け、袋井市。
ここから掛川市の序盤にかけては、やや田畑や低山の風景が目に留まるようになってきます。
普段、車で下道を使う時もこの辺りはバイパスでほとんど高架を一直線ですから、市街を通っていくことがなかったんですよね。
なので、同じ袋井市でも見え方が異なることに新鮮さを覚えました。
それは掛川市から静岡市に至るまでの道も同じで、
ここの又一庵てお店、会社の人がおすすめしてたな!
こんなところに、さわやか(静岡のハンバーグチェーン店)あったんだ!
POLAの工場あるじゃん!!(化粧品使ったことないけど)
などなど、いちいち驚きと発見の連続。
心躍らずにはいられませんでした。
そんな市街の中間、スタートから40kmを過ぎた頃に、最初の難関が訪れます。掛川市と島田市を結ぶ、通称”金谷峠”と呼ばれる距離5.6km、獲得標高148mの登り坂です。
当時は長くてもせいぜい距離1km強、獲得標高80mほどの登り坂しか登ったことのなかった私にとって、紛れもなく難所でした。
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普段とかけ離れた景色や道路状況に、このまま進んで大丈夫かなと、地図に沿って走っているのに現実世界から遠ざかっていくような、心理的にも不安な気持ちを抱えながらどうにか登り切りました。
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登りきった頂上には、田舎特有の休憩スポットがそびえていたことに妙な安心感を覚えてしまったことを鮮明に覚えております。(休憩はしていません。)
こうして登りきった過去最長の登り坂の先には最長の下り坂が控えているもので、勢いよく風を体に受けながら早くも達成感を味わったのでした。
島田市街に降り立つと、ここからはまた一直線で静岡市に向かいます。
島田市とその先の藤枝市は、磐田市と同様、大手チェーン店が点在する大通りを抜けていきます。
淡々と進むこと1時間。
時刻は11時に近づいてくると、スタートから3時間何も食べていなかったことを空腹を通じて思い出しました。
実家まではまだ20kmくらいあるしなぁ
チェーン店ならそこら中にあるけど、せっかくここまで来たからにはローカルの美味しいもの食べたいなぁ
とマップを開くと、地図の端に光り輝く”焼津”の文字があるではないか。
焼津といえば、県内では新鮮なお魚が食べられる有数のスポットです。
距離は10km弱。30分もあれば辿り着けるとあって、道を逸れて焼津で以前からチェックしていた海岸沿いのお店へと向かいました。
30分とはいえ、一度空腹を感じるとそこから勢いを増していく一方で、どんどんお腹の中が空っぽになっていく感覚を味わいながらお店に辿り着きました。
やっとついた…。
達成感よりも空腹感が先に入店し、入り口の壁一面に貼られたメニューからとびきり美味しそうなカツオの海鮮丼を選び食券機の前に立つと、あることに気づきました。
財布が、、、ない。
②に続く…