第72話 Sの字と膀姐さん(1)
「うーん。なんかかったるいな。へんなイボだか袋だかがあちこちに出来ちまって。
年はとりたかぁねーよな」
「S字結腸さん、こんにちはー
下降結腸さんとっからきましたぁ。
雲子でーす。
本日からよろしくお願いします。」
「おう、お疲れさん。水分がしっかり抜けてて、いい感じに仕上がってらぁね。
狭くて悪いが、もうちょい下の方に詰めてくんな。
ここんとこちょっと体調悪くってよ。2、3日待って貰うことなるかも知らねえ。先に着いている姉さん方はみんないい連中だからよ。
気楽に待ってておくれ。」
「はーい。わかりました。」
「あれぇ。痛ててて。
なんだか下の方が痛えぞ。イボみてぇなのが腫れてるじゃあねぇか。いってぇどうしたんだってんだ。
ありゃあ 下の出口も狭くなってやがる。これじゃ雲子たちを直さんとこに送れねえじゃんか。困ったな」
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「ごめん遊ばせ。
腎臓さんから参りました、おしとでございます。よろしくお願いいたします。
あら、膀胱さん、どうしたんですか?
失礼ですがなんだか浮腫んでいるみたい。」
「お疲れ様です。尿管は狭くなかったですか?
ああ、そうですか。道中何事も無く。それはようございました。
いやね、最近裏にいるSの字の野郎が、じゃなかった、S字結腸さんが何がお気に召さないのか、わたくしのことをぐいぐい押してくるのでございます。
お陰で炎症がおきて困っているんですの」
「そうなんですか。確かに言われてみれば思ったより狭いですわね。
あら、ワタクシとしたことが。これはご無礼をいたしました。」
「いいんですよ。ごめんなさいね、本当はもう少し広いのよ。
あ、急がせるわけじゃないけど、あんまり溜めて置けないの。
下の担当の陰茎の準備もできているので、すぐの出発になります。
外はそろそろ桜が咲き始まったそうですから。
道中お気をつけて。
いってらっしゃいませ。」
「おほほほ ごめん遊ばせ」
続く