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第73話 Sの字と膀姐さん(2) 悪化
「S字結腸さ〜ん
出発まだですか?下のお姉さんたちから文句がでてますよう。水分抜け過ぎてカチカチになっちゃうって。
あんまり固くなると肛門さまから怒られるんだって」
「すまねえ。もう少し待ってくれ。
言い訳する気はねえけど、なんとも力がはいらねえんだ。」
「ごめんなすって。Sの字の兄い。
今日は意見をしにめぇりやした。
最近ちょーしこいてんじゃねえんですかい?
なんでも膀胱姐さんにコナかけてるそうじゃねえですか。
おまけに仕事もサボりがちでしょうよ。雲子ここ何日か来てねえっす」
「直さん、そいつぁ誤解ってもんだ。
情けねえけど、イボみてえな野郎のせいで、チカラがでねえ。それにそいつが腫れ上がって勝手に膀胱姐さんを押してやがるのよ。
ちくしょうめ、直さんに告げ口したのはあの前立腺の野郎だな。ただじゃおかねえ。」
*****
「あいたたた。Sの字のボケが。炎症が酷くなっちゃってるよ。
オマケにおしとさん達にも変な色を着けちゃうし。困ったな。」
「もしもーし。膀胱さんですかー?」
「はいはーい。下の珍くんじゃないの。
相変わらず元気そうね。まだ現役バリバリなんでしょ。
最近の若い子は××××なんだから妙な病気もらって来ないでよ。」
「ちょっとお。変なこと言わないでください。他人が聞いたら本気にするじゃないですか。
もちろんスクランブル発進はいつでも
じゃなくって。本日は改まってお話があります。」
「あらやだ。
ふふふ、こんなおばあちゃんでいいの?いつから老け専になったのよ?
もっとも珍くんと年おんなじだけど。」
「いや、だからぁー
あのですね、最近おしとさん達の中に雑菌が多くなって来ているんです。
これ以上増えると尿道炎の危険があるのでなんとかしてもらえませんか?
自分は膀胱姐さんからのおしとさん以外にも、あの白いネバネバしたやつも通さなくっちゃならないんで。
あれは粘度があるんで、尿道炎になったら痛いんですよー。
タマタマ親分と前立腺の兄貴も心配してるんです」
「おうおうおう。黙って聞いてりゃつけあがりやがって。
やい珍坊、テメエはな、黙って妾が落とすおしとさんを放出してりゃあいいんだよ。
あんた知ってんのかい?前立腺はヘンタイだよ。裏で直腸のアホとコソコソなんかやってるんだよ。
ドライオーガスムがどうだらこうだら、とか」
「えーん そんなあ」
「ま、タマタマ親分が心配なすってるんじゃ、なんとかしなきゃね。
あたしら内臓の中でお一人だけ外で頑張っているお方だ。
妾も困っているのさ。Sの字にきっちり話を着けるからタマタマ親分には、珍くんからよろしく言っておいておくれな」
続く