第17話 露腸亭日乗 便の廃棄について ストーマ対応トイレ
便はどうやって捨てる？
日に数回、パウチに溜まった便をトイレに捨てるわけだが、ある程度のテクニックがいる。
着衣を汚さない、便器の外にウンコをぶちまけない、の二点をクリアするためだ。
数回経験すれば、すぐ覚えます。ただし、身体の状態によっては取れない姿勢がある方もいらっしゃると思うので、不便を感じると思う。
パウチの下部は開閉可能になっていて、そこを開けて便をトイレに流す。
YouTubeでは、着衣のまま洋式トイレに反対に座ってやる方法が紹介されている。
試してみたが、着衣に便がついてしまうリスクがあるので、自分は着衣を足元まで下ろして洋式トイレに普通に座って行っている。
便を捨てるとき、前屈みになるので便が
性器に付着する危険があるが、その時はビデで洗うかトイレットペーパーで拭き取ればよろしい。着衣を汚すよりは断然始末がよい。
また、メーカーは剥がれ、脱落の原因になるので推奨していないが、やはりパウチの中をきれいにしたいので水で洗いたい。
ビデの水流をパウチの開口部に当ててゆすぐ。ウォシュレットだと後過ぎる。
さらにボトル等を使って水をジャーっと入れてすすぐとほとんどクリアになる。
食器用洗剤のフタがないタイプを愛用してます。逆さまにしても、押さない限り水は出てこない。量もコントロールしやすい。
これ、介護士の方から教えてもらったオムツ交換時の、お尻清拭のテクニックの応用。
最後に臭気防止のため排出部をペーパーで拭くのだが、ペーパーを濡らしておくと、時間とペーパーの節約になる。
水で洗った場合は、拭き取りは一回で済んでしまう。留意しなければならないのは水と便が混じっているものなので飛び散りやすい。トイレの女神様に愛されるよう、また山の神様から厳しい指導を喰らわぬよう、小まめに清掃しなければならない。この時、前述の洗剤ボトルが活躍する。
多目的トイレのストーマ用トイレ
外出時には和式やウォシュレットはおろか水洗でないトイレを使用する場合もある。
体型や身体の稼働域は個人差があるので、洋式トイレを使うにしろ、かなり前傾した姿勢でかつ開脚することになるので、姿勢を取りづらい方もいると思う。
和式の場合は基本立って処理するのだが、いわゆる「お釣り」を注意しなければならない。
また、下を覗き込むので骨盤が後傾して背中が丸まり、膝が前に出てしまうため、着衣を汚すリスクが高くなる。
対策としては胸を張って背中を極力伸ばし、かつ膝を曲げずに伸ばしたまま前傾する。スタンスは広めにとる。
極端にアゴを引かない様に目線は前方を注視してパウチは視界の隅に留めておく。
体重が後ろに掛かった前傾が深めのゴルフのアドレスを想像してもらうとイメージできるだろう。
（こんなアドレスしたら絶対スライスだわ）
ほかに「中腰」の姿勢をとる場合もある。
下半身の柔軟性と大腿、背中の筋力が要求される。
一度やってみたがかなり不安定なので、和式の時は立位か、下記の蹲踞の姿勢のどちらかである。
しゃがんで行う場合は「蹲踞」の姿勢となる。
爪先立ちで座り、踵の上に座骨を乗せる。
お相撲さんが仕切りの時にやる姿勢ですね。
「お釣り」の危険性は減るが、下半身の筋力が必要。膝痛のある方にとってはかなりキツイ姿勢だろう。また、バランスを崩して後ろに転倒する危険がある。
この姿勢を取れない方は結構多いかもしれない。これも着衣に付着のリスクあり。
以上のことから着衣のまま立位で便を廃棄できる、90㎝くらいの高さにある小さな流し台のようなストーマ用トイレが、多目的トイレに設置されている。
勿論水洗である。レバー、ボタンなどで流せます。
また、パウチを洗う目的でシャワーが付いているのだが、片手でパウチの開口部を保持しながら逆の手でシャワーを操作するのは結構難しいと感じる。
パウチの中を洗うのならカップかボトルを持参した方が良い。
排出時の姿勢は非常に楽です。
しかも着衣を汚すリスクもほとんど無い。
ただ、自分はパウチを洗いたいので、あっても使わない。また、座って作業する方が楽。
オストメイト対応トイレとして、ほかに洋式トイレの前部を広めにして、廃棄し安くしてあるものに洗浄用シャワーや背もたれが付属してあるタイプもある。
自分はこちらの方が好みである。
目印はこれ↓
温水シャワー 手前に引き出せます
ストーマ対応トイレの設置場所はネットで検索出来ます。
公共施設、駅、ショッピングモールや高速道のサービス・パーキングエリアの多目的トイレには概ね設置の模様。
オストメイトJP
https://www.ostomate.jp/
近所のスーパーにいったら多目的トイレにオストメイト対応トイレが設置されているのを見つけた。上記HPに登録なかったので、情報提供しておいた。設備をつけるのには費用がかかる訳で、このスーパーに対する好感度が非常に上がった。
企業としては一銭の利益にならないので、立派な社会貢献である。
女房に、買い物する時はここにするよう、言っておきました。
とりせん蔵の街店に敬意を表したい。
自分で色々試して、ベストな方法を見つけるのがストレスフリーになると思います。
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