第40話 露腸亭日乗 大腸内視鏡検査
2024年10月31日
明日、大腸内視鏡検査をする。
オストメイトの方が内視鏡検査をする場合の参考になるかと思い、レポートする。
もちろん一般の方も参考になると思います。
翌日内視鏡検査のため、本日は三食検査食になる。
ダルムスペース リッチⅢ
朝 おかゆ(具入り)、味噌汁
昼 中華かゆ(具入り)、すまし汁
夕 コーンポタージュ
総カロリー数は1500ほど。
砂糖を入れたコーヒー、紅茶はOKなので、ある程度の糖分補給は可能。ただしミルクはNG。
この辺は通常人と変わらず、ですね。
午前中はワールドシリーズを観て気を紛らわす。
2100 下剤服用 ピコスルファート センノシド2錠
2310 パウチクリア 水溶便 下剤効き始める
一般の方だと、まず腹痛が起こり便意を覚える段階があるわけだが、ストーマの場合その過程がすっ飛ばされて、いきなりパウチの中に排便となる。予兆的な感覚はほとんどない。
2024年11月1日
0000 クリア 水溶便
0400 クリア 水溶便
0800 ガスコン(泡消剤)
0830 モビプレップ開始
3時間で薬剤を2リットル、プラス水かお茶を1リットル飲まなければならない。
モビプレップの味は少し苦味がある梅風味のスポーツ飲料?個人の感想です。
0915 排便開始
最初からかなり水分の多い水溶便である。
すぐに水にカス状の便が混じったものになった。検査食の威力だろう。
1030以降はほぼ5分おきにパウチをクリア
1045 便?が透明になったので服用は終了する
1300 取り敢えず便廃棄も終了
一般人と違い便意が全くないので、数分おきにパウチを確認して半分ほど溜まったタイミングで廃棄している。廃棄を忘れてパウチが破裂したり、剥がれることを警戒している訳だ。
パウチの中身は後半は水なので、廃棄時には床に溢したり、着衣を汚さないように。
注意点としては、これくらいだろうか。
モビプレップをコップ半分ほど飲んでトイレに行く、の繰り返しが2時間ほど続いた。
※3リットルの水分を摂っているが、殆ど排出されるので、検査までの間に水を多めに飲んだ方がいいかもしれない。
↓以下モビプレップの記録
内視鏡検査
指示された時間より10分ほど早めに着く。
受付をして検査着に着替える。先生が来るまでしばらく待つように言われる。
前回4月に行った時は消化器内科の先生だった。主治医の先生でも立ち会うのだろうか。
ソファに座ってリラックスしてるのだが、前回はここで何か麻酔的なものを注射しなかったっけ?
胃カメラとごっちゃになってるかもしれない。
今回は内視鏡プラス造影剤入れて画像診断もする。
前回4月に行ったのとは違う室でベッドの上にX線撮影機材があったり、モニタが幾つもある。
ベッドに仰向けに寝てX線装置をぼんやり眺めていると、ポンポンと肩を叩かれる。主治医の先生登場。
今日は主治医が内視鏡の操作をするとのことである。ちなみに性別は女性。容貌はハラスメントになるので云々しません。
主治医の先生のほかに初見の先生もいる。
それに看護師2人に撮影技師の計5人、ずいぶん大所帯である。
主治医の先生が何やら番号を言う。内視鏡の太さなのだろうか?
先生が内視鏡を構えて始まりである。直径は1センチはありそうである。先端はライトが虹色に光っている。明らかに人工肛門の開口部より太そうに見える。
最初は人工肛門から内視鏡を入れる。パウチは剥がさず、廃棄口から挿入する。透明だし、パウチなど腸に比べると余裕なのだろう。
苦もなくストーマに到達してすぐ腸内に侵入。
痛み無し。
事前には穴が小さいから痛いんじゃないかと思っていたが、杞憂に終わった。
内視鏡挿入のタイミングで肩に腸の動きを抑制する薬を注射する。
ある程度進んだ所で造影剤を何本か注入して撮影する。
頭を捻じってモニタを見ると腸の中の映像と上からの透視画像(白黒)が同時に見える。
もう1人の新顔の先生は画像を見ながら、撮影場所の指示をしたりしている。
一度ストーマから内視鏡を抜いて、今度は肛門から挿入。
挿入前に肛門にゼリーを塗るのだが、その段階でケツの穴が小さくなっている気がした。すなわち、ゼリーを付けた指だか器具か分からないが少し挿入された時点で結構痛かったのだ。
半年何も通過していないからね。
内視鏡を挿入されると直腸からS字結腸の近辺が痛く、圧迫されて苦しい。
腸の他の部位と違いこの辺りは神経が集中していて敏感なところだ。
複雑な動きをする排泄とエッチに関連する筋肉を統括している神経ですね。
内視鏡を扱うテクニックなのか、進退するときや方向を変えるときに
手で肛門付近の内視鏡を小刻みに揺すって振動を与えている。
後ろ側から前立腺を刺激される訳で少々妙な気分になったことを白状しておく。
開発済みの男性だといっちゃうんじゃないか。
ただしS字結腸の痛さですぐ忘れますが。
最初横向きから始まって、仰向け、斜めと体勢変えで撮影する。
特に説明は無かったが、瘻の存在とか、あれば方向、また憩室の有無と形状を観ていたのではないか?来週説明があるのだろう。
前回4月に検査した時は膀胱との癒着部分を中心に炎症があったのでとにかく痛みの方が強かった。内視鏡もその部位を通過するのに手間取った。
今回は痛みはそれほどでもないが、口を開けて深呼吸繰り返して我慢出来るレベルだが、苦しくツライのは間違いない。
麻酔、痛み止め等は一切無し。
もう一度人工肛門側に挿入して上行結腸を確認して終了。
この時下降結腸に入っていた空気と水が肛門からかなり出てきた気がする。水は看護師さんがバキュームで吸い取ってくれるのだが、検査着がかなり濡れてしまった。
それが気持ち悪いので、モニタ見て何やら話し合っているDr.2人に挨拶してから検査室を退室してトイレに行く。
濡れたところをペーパータオルで拭こうと思ったのだが、便意を覚えて便器にすわる。
半年ぶりに肛門から何か出てきた。内視鏡を入れた時の空気と水だ。
久々の感覚である。
感動まではしないが、なかなか快感だ。
その後、ピンクの粘膜の塊のようなものを排出。半年使ってなくて乾涸びた粘膜のカスらしい。
排出時に直腸、肛門付近の痛みは一切なく、腸を切断することなく剥離だけなら排泄障害は起こらないのではないかと淡い期待を抱く。
ストーマパウチの方は若干の血液が散見。
内視鏡検査受診者の注意点のペーパーを渡されて本日は終了。食事は2時間置く。ちょうど早めの晩飯の時間である。
支払い額は約8500円。撮影オプションが無ければもっと安かっただろう。
夜、排尿したら尿に空気が混じっていた。結腸膀胱瘻はまだあるようである。