見出し画像

第100話 さらばS字結腸④ ケツの穴の狭い男

記念すべき第100話がケツの穴の話になってしまった。誠に無念である。 嘘つけ

今日はS字結腸切除の手術である。
9時ちょい過ぎに歩いて病室を出発。
前室で受付。念入りに本人確認。手術担当のナースに引き継ぎ。
中に入ると手術室の扉が5、6個ある。2番は既に手術中の表示が点灯している。
3番の室に案内される。隣りが4番かどうかは確認しなかった。
主治医に執刀医、麻酔医のDr.3人と看護師2人の5人体制のようだ。
まず硬膜外麻酔。手術台の上で左下の横向きで背中をまるめる。
視界の正面にブルーの布を被せた台らしき物が見える。布の下にはメスとか鉗子とか後よくわからない名前の手術道具がいっぱい乗ってるんだろうなと思う。
見えたらコワイよな。

手術室に入室が9時半、硬膜外麻酔に20分くらい。
仰向けになって全身麻酔開始。
足元方向の壁に時計があるので、意識があったのは9時50分だった。
起こされて時計を見ると4時10分前。手術時間6時間である。

後の説明によると、膀胱を縫ったり腸の吻合に器具が使えず予定より大幅に時間がかかったとのことだ。

自分は朝イチからだったので、Dr.たちこの後も手術あるのだろうか?と一瞬だけ思った。

麻酔醒めても意識混濁というか、その後は途切れ途切れ。数時間後に意識がある時間が増えてきた。

HCUはうるさかった

全身麻酔の長時間の手術後なので、HCU4人部屋に入れられる。
心電計の機械音とか同室者の唸り声、医師看護師が患者さんにかけるデカい声が時々する。
たぶん自分以外の方は後期高齢者とか認知症?なのか、話全然わかってないくて2、3回大っきい声で繰り返されたことにハイハイと返事してるだけ?のようだ。
そんなこんなでかなりうるさくてあまり寝られなかった気がする。

硬膜外麻酔をすると痛くない

4月の人工肛門造設と違い開腹手術なので、術後に硬膜外にカテーテル入れて痛み止めにしている。これが実に効いたと思う。切った範囲は4月より広範囲のはずだが、痛くない。6時間毎に翌々日の朝まで投薬したが、動いてもそれほど痛みを感じなかった。
看護師さんに確認したら普通は使わない強い薬だとのこと。
手術翌日の夜は変な夢とか、幻覚?らしきものを見たような気がする。

当日切ったところより痛みを感じたのは直腸の痛みである。カンチョー(医療行為の浣腸とは別)された時の痛さと言ったらどういう風に痛いのかおわかり頂けると思う。
最初は切って縫ったところが痛いのかと思った。

手術の翌朝様子を見に来た主治医にお尻、直腸の上の辺りが痛いんですけど、と質問したら、
「狭くて吻合器がなかなか入らなくて、直腸が広がって痛いんだと思います。」
だと。あたら名器を拡げられてしまったのだ。

吻合器とは切断した腸を繋ぎ直す筒状の機具のこと。
これを肛門から入れて腸を重ねて?機械的に縫合する。「手縫い」に比べて手術時間の短縮とか、イレウス起こす確率が低いそうである。
ネットで見ても構造とかよくわからないし、使い方はあまり想像したくない。

せっかく直腸を拡げて挿入したのに残ったS字結腸が硬く経が狭くて使えなかったそうである。

拡げられて痛いなら2、3日で痛みは引くだろう。
主治医の言葉を聴いたら痛さが3分の二か半分くらいに減った気がする。人間の感覚の不思議さである。
術後2日目でも何かの拍子や括約筋を動かしてみると痛みが走ったり、物が挟まったような違和感は未だある。

もう一つ不思議なのは切ったり縫ったりしたところよりも、拡げられた直腸の方が痛いということ。(咳をするのは別)
脊柱に刺した針の部位によって痛みを抑制する場所を制御出来る、ということなのだろうか?

痛いと言われていたのでそれなりに覚悟していたのだが、痛みは手術後2日目を無事スルー。
直腸の痛みも大分軽くなってきており、あとは咳した時の腹筋の痛みである。
前回の経験では3日目以降に痛みが急激に引いた経験があるので、あとはイレウスとか結腸の縫合部が化膿しないのを祈るだけ。ま、これに関してはまだ人工肛門なので楽観視している。

最後に
勃ちました。
肛門括約筋動かしているうちにおっきくなっちゃった。
導尿管入れているのをすっかり忘れていたけど、別に何も関係ないのですね。

いいなと思ったら応援しよう!