見出し画像

オープンプラットホーム通信 第189号(2022.11.15発行分)

オープンプラットホーム通信とは、福岡を拠点に活動していうNPO法人ウェルビーイングが毎月発行しているメールマガジンです。noteではバックナンバーを公開していきます。

定期的な購読を希望される方はまぐまぐでご登録ください。

メールマガジンのコンセプト


オープンプラットホームとは、人、団体、組織が自由に集まり、交流し、知恵や
勇気、パワーを充電し、また、旅立っていくことができる「みんなが集える場」
のことです。

初めての方へ
はじめまして。
NPO法人ウェルビーイングは、人々のwell-beingの実現するために自ら活動するこ
とを目指し、全国各地で活動している人たちを結び、集まり、分かち合い、元気
になるオープンプラットホームの実現を目指しています。well-beingとは、「良好
な状態、安寧、幸福」という意味です。
このメルマガでは、ウェルビーイングに集う理事や会員のそれぞれのウェルビー
イングな日々やアンウェルビーイングな日々を綴ったエッセーをお届けします。


喫茶去 第88回 よいということ(7)


よいということとそれを体現した聖人の道をコトバ化して、それまでにない記録を残したのが孔子でした。その前の堯・舜・禹・湯・文王・武王・周公の事績は行為として伝えられてはいても、かれら自身が自らコトバを遺したものではありません。かれらの事績として伝えられているのも、孔子を介して後世に遺されたのだから、孔子とその遺著『論語』の大切さがこのことだけでもよくわかります。問題はそれがいまから2500年近くまえの「古代」の産物であること、「中国」という限られた土地の記録であることでした。

この時間と空間のへだたりにどう対処するかは、すべての古典とのつきあいにかならず登場する要の問題でした。古典と云っても、ギリシア哲学やユダヤ神学のような、はるかかなたの異世界の昔々のコトバ群とのつきあいではありません。相手はすでに文化的な交渉の分厚い歴史のある、それなくして今の日本がないような、隣大国の古典です。この場合、宙空の古典ではなく、大地の古典と云うか、日本の先祖たちが憧れながら格闘してきた文化交渉の歴史がじかにかかわります。聖徳太子(574-622)の時代から菅原道真(845-903)の時代にいたる遣隋使・遣唐使の古代史には、命がけで往還した人々の記録が残されており、いっぱんに留学生(るがくしょう)の彼国20年の滞在義務が目をひきます。なかには阿倍仲麻呂(698-770)のように破船して帰国に失敗し、そのまま唐に仕えた文人もおりました。かれの歌は百人一首でも知られています。これが失敗した渡航にあたっての彼国での歌と知れば、その望郷の念と帰国に寄せる思いの行方はまた格別の感慨をよびおこすでしょう。

天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも(古今集)

さてこうした日中交渉史では、古典のおおもとの伝承と書字がどのような仕組みで日本に伝えられてきたか、という媒体の歴史が大切な役目をはたします。その歴史は、ひとつに文字のない地域(日本)が文字をもつ地域(中国)の文字(漢字)を輸入し、これを変形してあらたな文字にする、という日本文字(カタカナとひらがな)の創出の歴史であると同時に、もうひとつに語順の異なる中国文を日本語文に変換する独特の操作(漢文として読むこと)の歴史でもありました。もっとも、仮名(かな)の発生のおおもとには日本語の音に漢字をあてる万葉仮名があり、漢文訓読のための訓点(くんてん)の便宜がとくにカタカナの発達をうながしたというから、いずれにしても中国文をいかに日本化するか、の努力上の産物といえます。訓点というのは、句読点・返り点・送り仮名・振り仮名のことですね。これらが8-9世紀ころ。

近世江戸期の儒学者たちが直面したのは、さらに鎌倉・室町・戦国時代の重層的な文化史をへた目からの中国古代の古典でした。すでに文字媒体を漢文として読むという日本的作法は確立していて、シ ノタマワクなどと日本語として読み下して行くわけですね。これは今でも古文・漢文の授業でやっています。ところが、これがまず間違いのもとだと考えた儒学者がおりました。伊藤仁斎(いとうじんさい 1627-1705)と荻生徂徠(おぎうそらい1666-1728)です。漢文という中国語でも日本語でもない第三の(というべきか)の文字媒体をはなれて、中国語を中国語として読むこと。仁斎はこの構えを古学とよび、徂徠はさらにそれを徹底させて古文辞学(こぶんじがく)を主張しました。つまり、孔子の時代の古代中国語を古代中国語として読むこと、漢文訓読という夾雑物を排することです。この立場は江戸期の儒学の中枢を占めていた林羅山(はやしらざん1583-1657)らの朱子学への根本的な批判を含んでいました。古典の読み方のみならず、宋代の朱熹(しゅき1130-1200)による朱子学そのものをも否定して、孔子に直接回帰しようという運動です。コトバにおいても、思想においても、間にはさまった夾雑物をなくしてしまおうというのです。徂徠にいたっては孔孟のうちの孟子をも要らぬ解説者として排除して、孔子までの聖人の系譜に限定した徹底ぶりでした。

中国語を中国語として理解するという、ごくあたりまえながら最も難しいことを
中国研究者のつとめだと自覚した吉川幸次郎(1904-80)は、この徂徠の古文辞
学を称揚して、「パイプを通す」と評しました。古代・中国/現在・日本という
へだたりの条件を克服することですね。ところでその徂徠の排した孟子には、
「性善説」の主張がありました。孟子の「性善説」の不足(ことばたらず)を補
うべく苦心惨憺した朱熹の工夫については、前回述べました。もともとが善であ
る「本然の性」を個々の「気質の性」が曇らせているから、それをぬぐい去ろう
というのでした。この朱熹をも否定し去った徂徠は、ならばこの世の「善」をど
うとらえて、われわれは現実問題としてどのように身を処するべきだというので
しょうか。

☆☆筆者のプロフィール☆☆
関 一敏
勤務先:NPO法人ウェルビーイング・ラボ


感じ考え組み立てる


今月は、休載します。

☆☆筆者のプロフィール☆☆
守山正樹
勤務先:NPO法人ウェルビーイング・ラボ


ドクター・マコ At Home! (アット・ホーム) 第138回 仏の顔は何度でも


「輝け! お寺の掲示板大賞」(主催・交易財団法人仏教伝道協会)が、某日、発表されました。ツイッターやインスタグラムに一定期間投稿された寺院の掲示板の写真、2千点余りから選ばれました。

大賞に選ばれたのは、真宗大谷派・超覚寺(広島市)の、
『仏の顔は何度でも』
→講評によると「仏の顔も三度まで」ということわざがあるが、仏はその程度で腹を立てるような方ではないという話です。確かに! 我々、凡人は、三度ほどで腹を立ててしまいますが、仏様は、少なくとも三度以上は我慢してくれそうな感じがしますよね。これは、ひょっとしたらキリスト様もそうなのかも知れませんね?西本先生?

その他の、主な受賞作も挙げてありましたので、下にご紹介します。

『置かれた場所で咲けないときは 逃げてもいいよ 咲けるところへ』
(広島市・清岸寺)
『本当のものがわからないと 本当でないものを 本当にする』
(福岡県行橋市・万福寺)
→うーん、何のことやら少し意味不明

『届いてます! 南無阿弥陀仏の摂取券 予約は不要 心配も無用』
(北九州市永明寺)
→これは、コロナ禍の昨今、少し面白いかも・・・

ところで、川上も今年めでたく満70歳となり、いよいよ人生のソフトランディングかと思っていた矢先、今秋の健康診断で、心房細動=不整脈が見つかり、保存療法としては非凝固薬を服用し続ける手段がありますが、根本治療としては、カテーテル・アブレージョンを勧められましたので、それを選択し、もうすぐ入院のはこびです。

「不整脈」と言えば、その昔、シルバー川柳の優秀作品で。<恋かなと 思っていたら不整脈>というのがありましったけ。その時は自分には関係ないなあ、と見過ごしていましたが、自分に降りかかって来るとは思いませんでした。

とにかく、血栓が出来やすく、脳梗塞とか心筋梗塞になりやすいのですから、頑張って治療しなければなりません。不整脈を起こさせるような、美女のナースが日赤にはいるだろうか?
 

☆☆筆者のプロフィール☆☆
川上 誠
勤務先:川上歯科医院

編集者後記


今月もメルマガをお読みいただきありがとうございました。
8月号で実家で落花生を初めて植えた話を書きましたが、その後の報告です。落花生は無事すくすくと育っているのですが、初めてなので、まずいつ収穫していいのかが分からない。ネットで調べると種まきから135日と書いてあったので、母に確認するといつ植えたか覚えてないとのこと。掘ってみて、落花生の実の網目模様がしっかり出ていれば収穫時とあったので、試し掘りから始めました。
葉が枯れているところから試し掘りをしてみると、土の中から網目模様がしっかり出ている落花生が出てきました。これは大丈夫だということで、茎から下に向けて白い根が出ている部分をスコップでちょっとずつ掘っていくと、どんどん落花生が出てきました。最終的には小さいバケツ2つがいっぱいになるくらいの落花生が採れました。収穫後は、天日干しをしています。自家製の落花生を食べるのが楽しみです。

(いわい こずえ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
ご意見、ご要望などお待ちしています。
編集:NPO法人ウェルビーイングいわい こずえ jimukyoku@well-being.or.jp
NPO法人ウェルビーイングホームページ http://www.well-being.or.jp/

<NPO法人ウェルビーイングのface book>
http://www.facebook.com/wellbeing.fukuoka

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?