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琵琶の音色に誘われて、琵琶湖に行ってきました!
現在、放送中の大河ドラマ「光る君へ」の中では、主人公まひろ(紫式部)が、月夜に琵琶を弾くシーンが何度か出てきます。
今まであまり意識したことがなかったけれど、琵琶の音色って、独特な響きで、忘れがたい切なさや悲しみとともに月へと誘ってくれそう。
そんなことを考えていたら、琵琶湖に行きたくなってしまいました。琵琶の形に似ているからと名づけられた日本最大で、最古の湖。山々に囲まれた、あの静かな湖面は、琵琶の音色と響き合っていて、心が落ち着きそう!
琵琶湖といえば、近江八幡。私の好きな白洲正子さんが、著書『近江山河抄』の中で、「近江中でどこが一番美しいかと聞かれたら、私は長命寺あたりと答えるであろう」と書いていて。
最近モヤモヤが続く私は、思いつきのローカル電車の旅で、一路、近江八幡へと向かいました。
ここで、おススメなのが、東海圏のかなり広範囲を乗り降り自由にできる土日限定の「青空フリーパス」。1日乗り放題で2,650円。
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近江八幡へは米原まで、このきっぷを利用して、3,670円で、日帰り琵琶湖の旅が楽しめました!
7時に名古屋駅を乗車し、東海道線から琵琶湖線に乗り換え 、8時37分に近江八幡駅着!
意外や、滋賀県近し!
ちなみに、普通の乗車券往復でも、3,980円で来られますが、路線図内ならどこでも途中下車が可能なので、関ヶ原や大垣で降り、戦国時代ツアーも楽しめるのです。近江八幡は、信長の安土城があった場所であり、長浜城は秀吉が建てた初めての城もあり、次回は、そんな城めぐりもしてみたい!
これが、ローカル線の旅の良いところ。テーマに合わせて、気分次第で、いろいろなタイムトラベルも楽しめます!
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さて、近江八幡からは、路線バスで長命寺へ。路線バスの旅も、地元民しか知らない町を車窓から眺められて。
近江八幡といえば、布教のため英語教師として来日したヴォーリーズの建てた建築が、随所に楽しめるのですが、このバスからも、ヴォーリーズ学園やヴォーリーズ記念病院を外観だけ眺めることができました。
30分ほど揺られ、乗客は私一人となり、ようやく長命寺に到着。眼前に琵琶湖を眺めながら、いざ808段の階段へと挑みます!
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西国三十三カ所第31番札所で、長命寺山の中腹に立つ、聖徳太子の創建とされる長命寺。本堂や護摩堂、三重塔などの重要文化財が並び、歴史の重みに圧倒されます。
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そして、境内から一望できる琵琶湖が美しい。
図らずも紫陽花が咲き誇り、なんだか夢の中にいるような気分に。
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修行のような階段を降り、しばし、琵琶湖の静かな湖面を眺めていました。静かすぎるほど、静かな風景。たまたまなのか、観光客も少なく、このまま湖畔で昼寝したい気分になりました。早起きしたせいか、うつらうつら。
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どこからか琵琶の音が聞こえてきそうなほど、緩やかな時間。しばし、遠い古の時代に思いを馳せる旅となりました。