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遠野を走る。①

最初に結論から述べておく。

【結論】遠野、超きつかったよ~(泣

なにゆえ、きついのか。

遠野はかつて山々に囲まれた湖だった。

川ができて水が流れたことで盆地となり、村が誕生した。

遠野市の中心を流れる猿ヶ石川
花巻市で本流の北上川に合流する
河童が棲む川でもある

自転車で市街地を移動するぶんには平坦で走りやすいものの、山に近づくにつれて峠道の高低差が旅人の体力を削りとるのだ。

めざす神社や寺院とは、得てしてそういう高い場所に建てられているのだから厄介なことこのうえない。

遠野には9月8日(日)から11日(水)の3泊4日で行ってきた。

まずは3日間の全旅程を記しておこう。

※()内は自転車での走行距離。徒歩での移動は含めず。

9月8日(初日)

鱒沢駅→山谷観音(5.2km)→巖龍神社(2.1km)→鞍迫観音(7.2km)→光明寺(3.2km)→続石(2.0km)→宮守観音(5.4km)→綾織駅(8.4km)→石上神社(4.3km)→羽黒堂と羽黒岩(4.3km)→卯子酉神社と五百羅漢(1.8km)→遠野駅(1.9km)

[12スポット 合計走行距離45.8km]

9月9日(2日目)

岩手上郷駅→伊豆神社(4.5km)→平倉観音(3.6km)→熊野神社と六角牛権現(3.1km)→六神石神社(2.5km)→荒神神社(2.4km)→六角牛神社(3.8km)→山口の水車(5.6km)→[河童淵→山口孫左衛門の屋敷跡→佐々木喜善の墓→ダンノハナ→デンデラノ]→田尻の石碑群(1.0km)→[大洞家→田尻の怪異]→不動明王尊(2.9km)→栃内観音(1.2km)→山崎金勢様(1.3km)→伝承園(4.6km)→常堅寺(0.5km)→倭文神社(2.1km)→遠野市立博物館(3.8km)→遠野駅(0.6km)

[23スポット 合計走行距離43.7km]

9月10日(3日目)

遠野駅→遠野郷八幡宮(2.2km)→サムトの婆(2.9km)→村浜稲荷神社(1.7km)→太郎淵(0.5km)→清心尼公の碑(0.5km)→遠野諏訪神社(0.1km)→遠野駅前からバス利用(1.9km)→坂の下(バス停)→笹谷観音(0.5km)→神遣神社(5.0km)→早池峰神社(3.6km)→山神社(3.4km)→重湍渓(0.9km)→元駒形神社(7.8km)→荒川駒形神社(0.4km)→遠野ふるさと村(4.1km)→妻の神の石碑群(3.1km)→母也明神と巫女塚(1.2km)→松崎観音(2.4km)→飢饉の碑(0.7km)→とおの物語の館(3.9km)→遠野駅(0.4km)

[19スポット 合計走行距離47.2km]

3日間で訪問したのは合計54スポット、総走行距離は136.7kmとなった。

もうね、バカなの? それは否定しない(笑)。

当初の予定では2泊3日だったが、前記事(やることリスト)を書いたことで旅程を再検討し、1泊増やすことにした。

遠野七観音は全てまわると100km強の道のり

『遠野七観音案内』より

単純に100kmを2泊で走破した場合、1日の走行距離は50kmがノルマとなる。

3泊にすれば33kmとなり、身体の負担は軽減されると考えたのだ。

実際には1日で50km近く走っているわけだから、2泊3日では踏破することなど到底かなわなかっただろう。

まるで修行のような3日間だったが、遠野七観音めぐりを果たしたことで5項目あげた「やることリスト」はなんとかクリアできた。

今回、写真が少ないな。

実は5000枚以上撮りまくったのに整理が全然できてないんよ。

せめて「やることリストその壱 企画展のパンフレットを買う」だけでも。

展示資料123点を網羅した図録(全68ページ)
異界だけでなく魔除けの習俗などについても解説
完売のアナウンスがあった昨年の企画展パンフが販売されていたので即ゲット
魔除けに関して今年度と重複するところもあるが、呪詛返しの秘法や岩手の俗信(雷のとき「クワバラ、クワバラ」というと止む)などが紹介されていて興味深い
昭和62年度の遠野市内仏像調査から遠野七観音に関する報告をまとめた冊子
なんと全148ページにも及ぶ
心して読まなければなるまい(笑)

手に入らないと思っていた昨年の企画展パンフや苦労してめぐった遠野七観音の調査報告書まで入手できるとは現場に赴いた甲斐がありまくりですよ。

ちなみに3冊まとめた重さは1kgをゆうに超える。

ザックがずしりと重くなったことはいうまでもない。

遠野物語異聞「三冊の教へ」

昔遠野に薄い冊子あり。旅人軽んじてこれを持ちたるを古老来りて三冊まとめよと云へり。三冊まとめて持ちたるや岩のやうに重く旅人を苦しめたり。旅人大いに驚嘆しこれを三冊の教へとして郷里に持ち帰り村人に伝へたり。毛利元就に三矢の訓の逸話などあれどいづれもこれと大同小異なり。(第二六話)

[まずは博物館的なものから紹介 ②につづく]

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