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鬼と仏と。 秋田→青森①

2024年の目標は、北海道および東北地方の一巡目の旅を果たすこと。

一回行ったからといって、何がわかるわけでもない。

それでも世の中のことは、やるか、やらないかだ。

やって失敗することだって多々ある。だが、それとて経験値。

経験を踏まえて、次は失敗しなければいい。とくにラーメン店選び。←え?

6月中旬の時点で北海道、宮城、福島、岩手には行けた
今回(秋田、青森で)がんばれば後は山形を残すのみ

夏の東北について、少し勘違いしていた。関東より北だから涼しいのかと。

実際には盆地も多く、内陸部は気温30度を超える猛暑日が続く。

炎天下の自転車旅は避けたほうが賢明だ。

しかしながら、油断していると秋がきて雪が降る。

雪が降れば賢明もへったくれもなく自転車での移動は不可能となる。

ならば、6月末のこの段階で少しでも足を運んでおくべきか。

……ええい、ままよっ!

■プランBを用意しておこう■

そんなこんなで釧路→根室旅の1週間後(6月26日~30日)に、今度は秋田→青森をめざしてきたわけですよ。

懸念されるのは梅雨。2週間先の天気情報をみても、軒並み曇りか雨マーク。

6月26日の天気(tenki.jp)
秋田と青森は見事に雨マークである

ちょっとぐらい降られてもかまわないけど、どしゃぶりは困る。楽しくないし。

旅程を組みながら考えたことは、雨に備えて臨機応変に対応しようかと。

・少々の雨降り →雨具着用で自転車旅を続行
・豪雨 →自転車はたたんでバス旅に切り替える

後者がプランBだよ

行ける場所は限られてしまうけど、たどり着くことが目的ではない。

たどり着いてから何を見て、感じ、思いを馳せるのかが重要なんだ。

移動で消耗し、集中力を欠く必要なんて全然ない。

行けなかった場所については、次の機会にまためざせばいい。

4泊5日のすべての日程にプランBを用意するべく、バスの時刻を調べに調べた。

なんだったら全日程バス旅になってもいいようには整えた。

これなら梅雨の旅も悪くないと思うんだけど、どうかな?

■直前での予定変更を怖れるな■

当初の予定では秋田新幹線・田沢湖駅から旅をはじめるつもりだった。

田沢湖には辰子姫にまつわる龍の伝説がある。

仙北市観光ガイドマップより

少し離れた場所にはアラハバキ神や滝夜叉姫(平将門公の息女とされている)ゆかりの神社なんかもある。

東北についての資料を読んでいたときに、いの一番に行きたいと思った場所だ。

湖畔の北側を通って、秋田内陸縦貫鉄道・松葉駅までは約17.5km。

そこから阿仁マタギ駅で下車して打当(うっとう)温泉にあるマタギ資料館に行く。

矢口高雄さんのマタギもののシリーズが大好きで、俺にとっては憧れの地。

山の民の文化に、ぜひ触れたいと思っていた。

『釣りキチ三平』の大らかなストーリー展開と異なり、ひたすらハード

ところが、田沢湖がある仙北市の天気予報は雨。

松葉駅まではバスがつながっていないので自転車で走るしかない。

どうするべきか、本当にギリギリまで悩んだ。

田沢湖駅までの切符は、直前で秋田駅行きに変更した。

出発当日、田沢湖駅を通過したときには天気は曇り空だった。雨ではない。

(しまった。行けばよかったかな……)

一瞬、心がぐらつきはしたが、すぐに切り替えた。

山の天気を舐めてはいけない。

自分の判断を、直感を信じることができない奴に、山の神はほほえんではくれないだろう。

次の機会に行けばいい。いいや、必ず行く。

辰子姫、滝夜叉姫、それにマタギ資料館に置かれたクマの剥製よ。

必ずや馳せ参じますゆえ、今しばらくお待ちを。

[秋田駅で下車して向かった先は? ②につづく]

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