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大阪視察❶-2——2024年7月5日(金)


視察の目的

業務で展示空間のデザインを手掛ける機会があるため、展示方法の工夫やサイン計画に関する知見を深めるため。

視察の背景

せっかくの大阪建築を視察する機会。大阪を活動拠点とし、数多くの建築を手掛けてきた安藤忠雄氏の代表作の中でメンバーが訪れたことのない場所を選定しました。

視察先 大阪府立近つ飛鳥博物館

外観

竣工:1994年/設計:安藤忠雄
1日本でも有数の古墳群が存在するエリアに位置する、古墳文化についての博物館。階段状広場は周辺環境と一体化したようなランドスケープとなり、階段下には建物全体がおさめられている。シンボリックな「黄泉の塔」が存在感を放つ。

周辺環境と一体化した階段広場

階段広場は周囲の自然を見渡す展望広場でもあり、時に野外劇場として演劇祭や音楽祭の舞台にもなるそう。広場でメンバーの一人が学生の頃に流行っていたという「けんちく体操」をやってみた(画像右上)。「けんちく体操」は建物の形を身体でマネするもので、黄泉の塔を表現(とても楽しいのでおすすめです)。

階段広場を貫く2枚の壁とその先にある開けた空間。そびえ立つ壁が入り口までのアプローチのアクセントになっている。

前方後円墳を模した展示空間

内部を進むと3層吹き抜けの開放的な展示室が現れる。上部から見下ろすと前方後円墳を模したユニークな空間が目に入り、円の中央には象徴的に仁徳天皇陵古墳の1/50模型が配置されている。上階から下りながら展示を見進める動線計画となっている。

(左)「円」部分はスロープになっている (中)「黄泉の塔」の内部は空洞 (右)地下空間に降り注ぐトップライト

視察全体を通して

レトロ建築から始まり現代建築、トレンドの最先端を追った若者向けの商業空間と、大阪建築の幅広い側面を見て時代の流れを感じることができた視察でした。内装設計だけをやっているとつい視野が狭くなってしまうタイミングがあるのですが、建築の外部環境との関係を考えた設計手法やダイナミックな空間構成など、忘れかけてしまっていたことを改めて思い出すことができました。今後も定期的に刺激を受けながら普段の業務にも活かしていきたいと思います。[北野]

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