見出し画像

#21 ウッドデッキの丸太に穴をあけてみた

こんにちは!
OPEN AIR LAB学芸員の松本です。

ブリコラのウッドデッキには薪割り用の丸太を多数置いています。ある時、丸太置き場に数種類の昆虫が来ているのを見て、丸太に穴をあけたら穴に営巣するハチ類が利用しに来るか試してみたくなり、何か所かドリルで穴をあけてみました。今回は穴をあけた丸太がどうなったのかご紹介します。

どんなハチが営巣する?

ハチの仲間には、竹筒など細長い穴に営巣する種が多数知られています。多くの場合はカミキリムシなどがあけた自然孔を利用し、餌を運び込み産卵をして穴にフタをします。種類によって巣穴の大きさや餌の種類、フタの素材などが変わってきます。今回は、複数の丸太の中から2本に直径10㎜、深さ80㎜程の穴を計13個つくって設置してみました。

穴をあけた丸太は手前の2本。他の丸太も自然に穴が開いている物もある

放置して5日後…………

さっそく左下の穴が泥でフタされています!
何かしらのハチに利用されたようです。やったぁ!
どんなハチが利用しているのか、丸太の前で待ってみました。

待つこと数分……

来ました!オオフタオビドロバチです。
彼らは木の穴等にガ類の幼虫(餌)を運び込み産卵をした後、泥でフタをします。卵から産まれた幼虫は巣穴内の餌を食べ成長し、サナギを経て成虫となり穴から出てきます。丸太の前で待っていると、捕獲した餌を運び入れ泥でフタをする様子が観察で、フタ完成後は次に利用する穴を選定するように丸太を歩き回る様子も見られました。

穴を泥でフタする様子の動画も撮影できました。
動画後半を見ていただけると分かりますが、非常に丁寧にフタを作っています。

また、オオフタオビドロバチを観察していると、周囲に小さな緑色のハチが飛び回っていることに気づきました。それがこちらです。

このハチはムツバセイボウです。本種は先ほど紹介したオオフタオビドロバチに寄生する寄生バチの一種です。宿主の巣がないか探し回るように丸太を飛び回っていました。

※セイボウ(青蜂):「飛ぶ宝石」とも呼ばれる青く美しいハチ類。セイボウ類は種により宿主は様々ですがいずれも寄生する

このように、丸太に穴をあけただけですが、ハチが利用しまたのハチを狙うハチまでやってくる場所になりました。今回はオオフタオビドロバチとムツバセイボウを紹介しましたが、他にも複数のハチ類の利用が確認できています(主に寄生バチ)。

おわりに

今回は丸太の穴にやってきたハチについて紹介しました。ブリコラのウッドデッキの一部は木造建築で利用された木材を再利用しているため、元々古い穴などが開いていたりします。そのため、今回の丸太以外にもウッドデッキでは多数のハチ類が穴を巣として利用しています。

ウッドデッキのオオハキリバチの巣

ぜひ、ブリコラに来られた際にはこれらを探してみてください。9月中までは様々なハチ類が飛び回る様子が観察できると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?