7年付き合った元彼と、付き合うまでの話。

出会ったのは確か2016年の春。京都。
大学の入学式の次の日。

オリエンテーションが終わって学外に出て、
新歓の勧誘で声をかけられた。
声を掛けてきた人が携帯を持っていなくて、
彼と連絡先を交換した。

ボランティアサークルで興味を持って、
彼とやり取りをして新歓イベントに行った。

「あの子が◯◯ちゃんだよ」
ってみんなに伝えてくれていたんだけど、
それが関西訛りで、
人のニックネームまで関西弁になる??
って先輩たちが突っ込んでいた。

私は隣の女子大の人間で、
そういう人は少なかったから少々不安で、
彼がよく面倒を見てくれていた。

無事にそのサークルに入って、
案の定、彼のことを好きになった。

女子高出身の私にとっては、
自分のことをサークルの後輩としてだとしても
気にかけてくれる男の人は新鮮だったし、
話すが上手なところや
周りに気遣いができるところが素敵だった。

バイト選びに失敗して困っていたら、
「こういうところがいいんちゃうか〜」
ってアドバイスしてくれて、
友達が紹介してくれたところでバイトをしてた。


8月、実家で突然父が出て行った。
何の前触れもなく、突然だったので、
衝撃やショックより軽い気持ちで考えていた。

「どうやらもう戻ってこないらしい。」
「母が戻ってこい!って説得しろって煩い。」
っておばーちゃんやお姉ちゃんから連絡がくる。

どうやら深刻そうだ。
これは人には気軽に話せない…。

彼が好きで彼の周りをちょろちょろしてて、
どういうきっかけだったか忘れたけど、
彼の家に泊まるようになって、彼に話をした。
確か10月くらい。

気持ちが少し軽くなった。
受け止めてくれたことが嬉しかった。

それからどんどん彼に依存していった。
実家がぐちゃぐちゃ。頼れる人がいない。

元々人と話すのは苦手じゃないけど、
自分のことを話すのは苦手だったし、
京都の私立の大学で
私には苦労をしてない人も多いように見えた。
だから余計に人には言えなかった。

彼の家に泊まるのも最初は数週間に一回だったのに
気づいたら週1、週2と増えて行った。

最初は一緒のベッドで眠るだけで、
「こんなんしてたら普通の男なら襲ってるよ、
俺でよかったね、そういうことしないから」
なんて言っていた彼だったけど、
何回か寝るうちに身体の関係になった。


でも、付き合うまでは遠かった。


どうやら彼には好きな人がいるらしい。
同じ大学で同じバイトの子。
お花屋さんでバイトもしている子。

紅葉の季節に、
高円寺に夜間ライトアップを見に行ってた。
彼は自転車旅が好きで、
「今から行ってきます」と
箱根で撮った写真を送っていた。
(滅多に更新しないインスタも、
その写真載ってたな、
今もそのままなんだろうな。)

私の好意を知った上で、
酷いこともされていたと思う。

セックスをした後、彼は私に背を向けて寝た。
その背中にくっつくように私は寝てた。
言動に棘があったり、
私を見て露骨に嫌な顔をしてくることもあった。
彼の部屋でタオルで作ったハートを
すごい勢いでぐちゃぐちゃにされた。

でも離れられないから、、、
ちょっとずつ傷付いていって、
傷付いた分彼と身体を重ねて、
彼との距離が近いと錯覚するようにしていた。


錯覚だと気付いて、
また傷付いて身体を重ねる無限ループ。
私の初めてセックスは
セックスは愛を確かめ合うものじゃなくて、
愛と錯覚させる為のものだった。

私はだんだん頭がおかしくなっていった。

家族にも彼にも私のことを受け止めて貰えない。
どこにも居場所がないように感じていた。

タオルを使って自分の首を絞めるようになった。
彼の部屋のベッドで死のうとしていた。
彼の家のベッドの上で夜中に
泣いて叫んで、殺してとかも言っていたような。
彼が寝てたら大量にお酒を飲んで、
大量に嘔吐をしてカーペットを駄目にさせた。

彼も「苦しい思いをさせてごめん」って、
泣いていた。
彼のそばで私が駄目になっていく姿や、
彼も私のことをすきになれなくて、
苦しかったんだと思う。

そんな苦しい、大学1年生の冬を乗り越えて、
気付いたら春が来た。
彼は相変わらず誰かのことが好きで、
彼の携帯を勝手に見て、
知りたくないことを知って、
悲しい気持ちにさせてごめんと謝られた。

何度考えたって、彼が謝るのはおかしい。
プライバシーを侵害したことを怒るべきなのに、
そういう優しさがあるから
私はそこに漬け込んでだらだらと付き合ってしまったんだと思う。

私の誕生日は嵐山に行った。
嵐電に乗って猿山に行って猿を見た。
花柄のブラウスをかわいいねって褒めて貰った。
バッティングセンターに行った。

8月に夏に、付き合った。

厳密には、彼は付き合おうって言ったらしいが、
私は覚えていない。
12月に自分たちは付き合ってるんだと知った。



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