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じんわり一歩をかみしめた、2022。
「よいお年を」という挨拶、どこかさびしくて、早い時期に聞くのは苦手なんですが、だんだん肌馴染みがよくなり、12/31には心から言えるようになるのが不思議だなあと毎年思っています。最後の忘年会おわりのほろ酔いムードで、今年も振り返り記事、いきます!
体験する物語project
今年はなんと言っても「体験する物語project」を立ち上げ「Aqoursぬまづフェスティバル」と「ALICE IN THE NIGHT MYSTERY CIRCUS」という2つの公演ができたことが自分にとっての前進でした。
もともと2019年頃からあった構想でしたが、さあいくぞ!というタイミングでコロナ直撃。「インサイドシアター」としてオンラインでの物語体験はたくさん作りましたが、やっとリアルにやろう!と踏み切れたのが今年でした。
輝け!Aqoursぬまづフェスティバル
第一弾はラブライブ!サンシャイン!!さんの世界をそのままリアル空間に作らせていただきました。Aqoursと、浦の星女学院の生徒たちと、あなたが一緒に未完成のお祭りを完成させる、体験する物語。自分の頭の中には、この世界が体現されたら絶対に楽しい!というイメージはあったものの、本当に形にできるのか、受け入れて楽しんでもらえるのか、という不安の中での制作でした。
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だけどその不安は、初日来てくださったお客さんである「助っ人さん」たちのおかげで吹き飛びました。このイベントでもらった沢山の感想は今まで経験したことないぐらいの深い熱量で、このprojectを頑張れば新しい可能性が広がっていく、という確信を得させてくれたとても大切なイベントになりました。
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ALICE IN THE NIGHT MYSTERY CIRCUS
第二弾は、真夜中の東京ミステリーサーカスで "なんでもない夜を特別に変える"を体験する物語。絶賛開催中でございます!(来てください!笑)
なぜ「アリスナイト」を作ろうと思ったかは、こちらのインタビューでしっかり拾っていただいているのですが…
なんでもない日でも、夜が楽しければ、特別な日になる。1日に終わりにここに来てよかったなと思える、そんな時間空間を作りたいとずっと思っていました。自由に、心の赴くままに、真夜中にだけ現れる秘密の場所を彷徨いあるく、答えのないナイトエンターテイメントが"思い立った時に行ける""常設"である。
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時間はかかってしまいましたが、今年中にそんな空間を実現できたことを嬉しく思っています。現場にいても、毎回違ったドラマが生まれ、お客さんが独自の楽しみ方を作り出してくださっていて、これからも「体験する物語」を生み出していくモチベーションを沢山もらいました。ありがとうございます!
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「好き」を突きつめる
終わらない東卍抗争からの脱出
かねてから「東京卍リベンジャーズ」にドハマりしていたことが仕事に繋がった年でもありました。実ははじめて作ったコラボでのルーム型リアル脱出ゲーム「終わらない東卍抗争からの脱出」では、自分が体験したかった"実際にタイムリープして仲間を救う"ゲームを。
東京卍會渋谷大抗争からの脱出
来年1/24スタートの聖地・渋谷を舞台にした「東京卍會渋谷大抗争からの脱出」では、タイムリープして出会った相棒と共にガラケーで電話をしながら駆け回るゲームを、それぞれ作らせていただきました。
どちらも、これから遊べるので、是非ヤンキーの熱い魂を持って拳を振り上げにきてください!
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自分を振り返る
セブンルールetc
今年は「自分は何を考えて生きているのか」を考えるきっかけになる取材を
沢山していただいた年でした。他者から見た視点で「自分はこういうことを大事にしているんだな」と思える機会をいただけてありがたかったです!
〈SCRAP 執行役員 きださおり の #セブンルール〉
— 7RULES (セブンルール) (@7rules_ktv) February 1, 2022
1.謎解きのアイテムは自分で配置する
2.積極的に回り道する
3.「精神と時の部屋」を持つ
4.疲れているときこそ美味しいものを作る
5.夫婦のやりとりはタスク管理アプリで
6.誰にも気づかれない謎も仕込む
7.謎解きは「解けた時の気持ち」から考える pic.twitter.com/auobKBKOHs
半年以上密着いただいたセブンルールはじめ
日テレ「Creator's Space」や「FRIXION BALL KNOCK ZONE」などなど。謎解き軸だけではなく「新しい物語体験にトライ」している部分をピックアップしてくださる媒体が多く、色々やってきたことが世界に繋がった感じがして嬉しかったです。
過去を見つめ直す
MIDNIGHT MOTEL’22 ROUGE VELOURS
6月には、昨年作った「泊まれる演劇 MIDNIGHT MOTEL」のパワーアップした再演が開催されました。
普段、過去作ったものを振り返って手入れすることがあまりないので、あの時の自分はこういうことを考えていたんだなと、今の自分との違いを思い返しながら脚本を直していく作業はとても面白いものでした。そして何より、総合芸術的に、空間まるっと全力プロデュースする泊まれる演劇チームと公演を再構築していくのが刺激的で楽しかったです。MOTEL ANEMONEに来てくださった皆様、ありがとうございました!
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焦りと学び
秋にはラスベガスに体験型イベント視察に行きました。ここでは、コロナ禍で停滞していたと思われていた体験型イベントが、そんなことはまったくなく次のフェーズに進んでいたこと。ラスベガスで遊ぶ人たちが当たり前のように尖った体験の中に飛び込んでいっていたこと、その体験人数や経済効果に圧倒されました。自分ももっと表現技法を学んでいかないといけないと思いました。そして「体験する物語」が持つ可能性はこれから世界中でもっともっと高まっていくであろう、その中でこの形式が「当たり前」の物語に触れる方法なっていくように自分に出来ることをやり尽くしたい、と気持ちを新たにした旅でした。
特に印象に残っているのは…
OMEGA MART
普通のスーパーだと思って入ったのに、不思議な違和感の入り口の先には驚くべき陰謀の世界が広がっていた、OMEGA MART。
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Lost Spirits Distillery
ウイスキーの蒸留所で行われる、試飲をしながらそのお酒のイメージのショーを見るイマーシブシアターのLost Spirits Distillery。
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Speed of Dark
今まで出会った中でマイベスト"ノンバーバル イマーシブシアター"だったのがSpeed of Dark。まさに枯れた技術の水平思考で、その手があったか!というインタラクティブ演出と、ノンバーバルなのにわかりやすいストーリー。来年はこういうものを作りたいな、と強く思っているので、興味ある技術者の方いたらご連絡ください…!
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そしてこれから
今年は爆走というよりは、じんわりとした一歩をかみしめた年でした。体験する物語projectの立ち上げからはじまり、出来ることを一歩一歩。これが未来につながっていくと信じて、実直に。リアルな空間に訪れてくださる方が増えてきて、やれることが増えてきて、去年までのオンラインでの経験も活きて。コラボでもオリジナルでも、好きなストーリーを作らせてもらって、きっとこれから長い将来ご一緒していくんだろうな、という予感がする人たちに出会えた年でもありました。今年関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました!
一方で秋冬はがっつり体調を崩してしまったりして、生き方に対する考え方が変わった年でもありました。自分と対話していく大切さ、誰かと対話していく大切さを(今更すぎますが!)実感し、自分も周りも健やかに進める心地よいスピード感を見つけていきたいと思うようになりました。そんな感じだったので、街を歩いている人すべてに対して「みんな絶対色々抱えているだろうに、生きてて、歩いていて、偉いなあ…」という謎の感情を持つようになり、誰かに対して自分にできることといえば、相変わらず物語体験を作ることぐらいなので、辛いことがあってもここにくれば楽しいと思えるような場や、心がちょっと軽くなるような物語をこれからもっと作っていきたいなと思っています。あと、もっと遊ぼう!って思ってるので遊んでください!笑
そうそう、今年は仕込みが多い年だったので、来年のために一歩一歩作っているものが3、4つあるんです。どれも新しくて世の中に出した時の反応が楽しみなものです。ぜひ、2023年のきださおりにもご期待ください。
改めて、今年作った公演に遊びに来てくださったみなさま、一緒に制作してくれたみなさま、出演してくださったみなさま、そしてこんな自分と相変わらず仲良くしてくださったみなさま、ありがとうございました。それでは、良いお年を!
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