婦人科腹腔鏡手術のトレーニングを考える

「婦人科腹腔鏡手術を習得したい。その道をまっすぐ進みたい。」

対象:婦人科腹腔鏡手術を習得したい若手産婦人科医・研修医

「婦人科で腹腔鏡手術に取り組みたい。手術の習得の方法、練習の方法について知りたいです。しかもできればなるべく効率良く学びたいです。」

今回はこういった疑問に答えるつもりで書いていきます。

✔ 本記事の内容

・手術の習得には指導者が身近にいることが重要です

・腹腔鏡で両手で鉗子を自由に動かせるようになるには「100時間」の練習が必要です

・100時間ドライボックスでトレーニングした後は手術中にどのような感覚になるのか説明します

・手術の習得には指導者が身近にいることが重要です

自分自身の勤務する環境を整えましょう。指導者が身近にいることは非常に重要です。

なぜなら、その先生の手術に入る機会も得られますし、その先生の手術動画もあります。また、疑問点を直接聞いてみることもできます。また、その先生がどのように今まで手術を習得してきたのか、その道のりについて知ることができます。指導者の周りには手術を学ぶ環境が構築されていきます。手術を学びたい同僚もいつもいます。同じような気持ちの同僚がいることで、モチベーションの維持も図りやすくなります。

「手術を習得する」モチベーションは人それぞれです。「こういう患者さんがいてきれいに治療したい」「この先生のような上手な手術がしたい」「こういう手術をしている病院があると聞いたが、まだ見たことがなくて見学したい」「勤務している施設で特に得意としている手術があって習得したい」このような想いやシチュエーションにより、より良い手術を習得・模索することに意識が集中していきます。

何のために手術が必要なのか、なぜ手術手技の向上が必要なのか、過去の手術はどのようなものだったのか、それぞれ突き詰めて考えてみると良いでしょう。なぜ自分が手術も行いうる科に進路を決めたのかについて改めて振り返ることも有効です。

具体的には、私自身も優れた手術を見学したことが大きな衝撃となって腹腔鏡手術を習得したいという気持ちになりました。そういった意味でのメンターの先生は数えきれないほど沢山います。そういった先生に直接指導をいただくことができればラッキーであり、またそういった先生の手術動画を研究することも指導を受けたのと同じような意味あいがあります。手術動画をみて学んでから学会で本物の執刀医に出会うことも非常に有意義な出来事となります。

「指導者が身近にいないから、なかなか学ぶ機会がないです。いつになったらこの手術が習得できるのかわかりません」という方もいると思います。そういった場合にはそれをすぐに変えることは通常困難なので、他の方法を探しましょう。時々手術見学に行く、直接話をする機会を作る、指導者の先生の著書を読んでみる、解説動画を視聴する、自分の動画をみてもらうなど、いろいろな方法があります。現状の環境に満足せず、ひとつずつ何かアクションを起こしてみましょう。
色々な環境の先生がいらっしゃると思います。自分を含めてもそうです。新しい手技を学びたい、さらに出血のない視野で手術をしたい、手術がさりげなくスムーズに進むように助手をしたい、手術室のコミュニケーションを十分にとって安全性の向上に努めたいなど、色々な目標もあります。身近にいればもっと指導者とやりとりをする。身近にいなければ遠隔でも良いので指導者を得る。やはりこれが手術習得の近道となると考えます。あの手この手で環境を整えていきましょう。



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